3ヶ月で200万円かけたゲームスペース(秋葉原)を閉店!?リアル店舗を始める人が失敗しないためにも読んでほしい記事!

どうもhayaplexです。私は2015年にゲームスペース(東京/秋葉原)を運営していました。こちらの店舗なのですが、恥ずかしながらたった3ヶ月で閉店してしまいました。なんとこちらの店舗、200万円の開業資金を3ヶ月で溶かしてしまったのです。

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リアル店舗を始める際に、成功事例を参考にしてしまうことが多いですが、これらは結果論でしかありません。成功するためには運を必要な要素になります。ここが加味されていない記事や情報も多いので、失敗事例から学ぶ方が合理的ではないでしょうか。

定期的に開催しているセミナーでも、店舗を閉店した理由をよく聞かれます。今回のnoteでは、閉店した経緯や失敗しないための秘策を紹介します。

無料公開部分だけでもかなり役立つ知識をまとめたつもりです。興味がある方は是非読んでみてください!

閉店した経緯

人狼ゲーム、人狼亭の詳細については後述します。

運営していたのは人狼亭という店舗名で、主に人狼ゲームをする場所です。似たようなゲームスペースも数箇所ありましたが、個人的に人狼ゲームが大好きなので始めた店舗です。

準備もある程度は順調で進めたのですが、予想よりもお客さんを集められませんでした。人狼というのは6~7人以上集まってするゲームです。そのため、お客さんを集められないのは死活問題。あまり想定していなかった問題なのですが、足りないお客さん分はサクラを集めなければなりません。

毎月、想定していなかった出費も重なり、サンクコストと呼ばれる回収ができなくなった投資費用も膨れていくことが予想されました。続ければお客さんが来る可能性もありましたが、投資費用が毎月膨れ上がることに耐えられなかったです。

その結果、たった3ヶ月という短い期間ではありましたが、閉店することを決めました。

人狼ゲームとは

人狼側、村人側に分かれて相手の正体を探り合う正体隠匿系ゲームです。ゲーム開始時にプレイヤーごとに役職が振り分けられます。

人狼側は、村人側と生き残っている人数が同じになったら勝ち。

村人側は人狼側をすべて排除できれば勝ちになります。人狼を見分けられたり、誰かを守ったりすることができたりと様々な役職が存在。

こういった役職が体験する場所、アプリなどでアレンジバージョンが多数ある人気高いトークゲームです。

人狼亭とは

調べてみたら同業種同名の店舗ができたのですね(笑)。HPやロゴも似たような印象のため複雑な気分ですが、私がやっていたのとは全く関係ないです。

人狼亭では、他店舗にはない特徴がありました。人狼ゲームはゲームから排除されてしまうと、トークすることが一切禁止されています。私達がやっていたサービスは、別室でホワイトボードを使っての会話ができるようになっていました。

別室メインのホワイトボードには、自分の役職を貼れたりもしたので排除されてからも楽しめたのかなとは思います。アナログではありましたが、カメラの映像が別室プロジェクターに流れるため、中の様子を見ることもできました。

実際に来てくれたお客さんの評価もかなり高かったです。ゲームから排除されても楽しめるのが人狼亭の特徴でした。

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プレスリリースも積極的に出していたため、メディアなどでも掲載されています。

アキバ経済新聞様
秋葉原にゲームスペース「人狼亭」 アプリ使って進行、モニター室導入も
https://akiba.keizai.biz/headline/3698/

value press様
スマートフォンアプリの制作・運営をおこなう「(株)アミューズエンターテインメント」が、人狼ゲームの対面プレイスペース『人狼亭』を秋葉原に開店
https://www.value-press.com/pressrelease/154826

人狼亭 公式Blog
http://jinroutei.blog.fc2.com

この店舗で3ヶ月で200万円消えましたが、非常によい勉強になったかと思います。当時はかなり精神的にもきつかったですが、追い詰められた時の心理状況を知れたりと良い経験になりました。お金は失いましたが、後悔は一切していません。

プロモーションについて

当時のプロモーションとして、プレスリリースとリスティング広告(詳細は後述)を出していました。ただし、どちらも効果がかなり薄かったかと思います。広告予算が数万円から数十万円だと焼け石に水状態でした。

リアル店舗のプロモーションをするなら、後述する手法がオススメです。知識だけでもあると役に立つかと思います。

プレスリリース
各種メディアに向けた、情報の提供・告知・発表のこと。ライターさんが記事を掲載しやすいように、サンプル記事をいくつか用意しました。その記事と合わせて画像ファイルなどを積極的に送りました。

リスティング広告
検索キーワードに応じて、検索結果の上部分に表示される広告のこと。人狼というワードだけでなく、秋葉原に関係したものや興味を持ってもらえそうなワードを設定しました。

今、店舗をやるならプロモーションは○○○がオススメ

みなさんはMEOという言葉を聞いたことがあるでしょうか。SEOという言葉は、Webに詳しい方なら馴染みがあるかもしれません。

MEOというのは、Map Engine Optimizationの略称で、Googleの地図型広告で最適化を図ることです。SEOのGoogleMap版ですね。最近のGoogleでリアル店舗を調べると、検索上位にでてくるやつになります。

「渋谷 居酒屋」で検索した例

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ただし、こちらは個人でやっても全く効果がありません。基本的にMEO上位3件に入らないと意味がないからです。上位3件にはいらないと、「続きを見る」ページまで遷移しないと表示がされません。ここまで見るユーザ数は上位3件と比べて、大幅に減少してしまいます。

個人で上位3件に入れるのはほぼ不可能 (立地などにもよりますが・・・)。ちなみに「渋谷 居酒屋」と「居酒屋 渋谷」は違う検索結果になります。

掲載順番や検索数も違うので、キーワードの順番には慎重になる必要があります。

やるなら信頼できる広告代理店に依頼するべきです。中には何もせず、月額費を請求してくるブラック広告代理店もいます。広告代理店に頼む際は、何社か比較してみるのがオススメ。

リアル店舗としてある場所しか掲載できませんが、その分非常に効果が高い掲載方法となります。月額数万円以下でそれ以上の効果が見込めます。

業種にもよりますが、月額費はペイできるところも多いのではないでしょうか。失敗したのが悔しくてこの辺はかなり調べたので、オススメの広告代理店含めて紹介できます。

もし、興味がある方がいたらDMなどで連絡ください(笑)

なぜ、人狼亭は失敗したのか?

当時は非常に、落ち込んだことを覚えています。失敗したのにはいくつか理由がありますが、大きいものの失敗理由と解決方法を下記にまとめました。ゲームスペースと業種がかなり特殊ですが、他業種でも参考になる部分はあるかと思います。

失敗理由:オープン時のお客さん候補がいなかった
解決方法:

プロモーションをしましたが、個人規模では予算が多い店舗に勝つことができません。リアル店舗におけるマーケティングの知見が甘かったと思います。

オープン時に呼べる知り合いも少なかったため、精神的にも参ってしまいました。

これからリアル店舗を始めるなら、その業種に関連した知り合いをたくさん作ることをオススメします。LineやFacebookなどのグループに所属してみるのもアリ(=コミュニティをつくる)。

例えば、ラーメン屋を始めるなら、オープン前に月ラーメンを何杯も食べる人と接触するといった感じです。この人脈、所属コミュニティの規模・人数を増やすだけでも、リアル店舗の成功率はだいぶ違うかと思います。

失敗理由:人狼ゲームの特性上、人数が集まらない場合サクラが必要
解決方法:

人狼ゲームは最低でも6~7人くらいいないと盛り上げありません。折角お客さんが来てくれても対戦相手を用意できないとダメなのです。この辺は事業計画段階でも想定しておらず、かなり甘かったと感じました。

1~2人くらいのお客さんが来てくれると、大変ありがたいのですが完全に赤字でした。知り合いの劇団員や後輩などをかき集めたことも。

今思うとボードゲームを置いたりして、時間をつぶすための別プランを考えて置けばよかったです。

失敗理由:店舗契約後のスタートが遅かった
解決方法:

折角来てくれても、100%満足してもらえなければ、二度と来てくれないという恐怖心がありました。完璧を求めるあまり、オープンするまでのスタートが遅かったかと思います。

店舗を契約してから1ヶ月くらいは、営業できていませんでした。この期間に、プレオープンしてれば違ったかもしれません。最初はお試しとして、無料でも来てもらうことを意識すればよかったです。

借りた店舗の建物が古く、光回線が特殊な方法でないと引けない(=工事に1ヶ月近く待たされる)、電話回線が引けないなどいろいろと問題がありました。今思うと電話回線用の携帯電話、ポケットWifiで十分だったかもしれません。

失敗理由:テストイベントをしなかった
解決方法:

人狼亭ではいきなりオープンという流れでした。オープンまでにテストイベントで参加者を募ったり、お客さんの意見を聞く交流会をやるべきでした。

最近のリアル店舗だとSNSでの評判も重要度が高くなってきています。テストイベントを多数開催して、SNSで評判を上げるべきでした。無料体験会などは気軽にできると思うので、恐れずにやればよかったです。

このテストイベントは店舗を借りる前にも、貸会議室などでも行えます。後々の潜在顧客にもつながるので、自分で自主イベントを開催してみるのはアリだと思います。飲食店でも半日貸してくれる店舗やキッチンなどで体験会を開催するべきです。

失敗理由:SNSのマメな運用ができていなかった
解決方法:

リアル店舗をやる上で重要なのがSNSのマメな運用です。とくにTwitterは比較的つぶやきやすく、店舗に興味がある人が検索してくれたりもします。人狼亭でも「人狼」というワードをつぶやいた人もフォローはしていました。ただし、これだけでは薄かった気がします。

「人狼亭」というワードをつぶやいた人に、積極的にレスを飛ばしたり、人狼関連の小ネタをつぶやくべきでした。公式アカウントからレスが返ってくると、ファンになってくれる確率も上げられます。この辺の運用体制が作れておらず、口コミも広げられないスパイラスに落ちていた気がします。

ムダなプロモーションコストをかけるよりも、もっとインパクトがあったかと思います。合わせてですが、SNSでクーポンなどを配ればよかったです。ここら辺も人狼亭が失敗した原因の一つです。

失敗理由:収入源を複数持っていなかった
解決方法:

人狼亭の収益源はプレイ料金(3h 2,000円)とグッズ販売、飲食物の提供の3カ所だけでした。これはどれも、人狼ゲームに関連したものになります。

平日の昼間などは集客も難しく、店舗賃料に対してお金を生み出していない時間が多くなってしまいます。この時間はサラリーマンに向けた休憩スペースとしたり、主婦向けのハンドメイド体験会を開催するなど、別ベクトルでの収入減を得るべきでした。

東京の居酒屋では、夜だけでなくランチ営業するところも増えてきています。こういったメイン収益源+α部分の考えが甘かったです。軌道に乗るまでは、収入減を複数持つことも重要なことです。

失敗理由:HPの制作コストをかけすぎた
解決方法:

HPを作っている時間も取れず、クラウドサービスに発注することにしました。これが大失敗でした。発注したエンジニアさんへのディレクション工数が重なり、自分たちで作るのとあまり変わらなくなってしまったのです。

結局、時間を取れないため外注したのが、自分たちの時間を使わなければいけないことになりました。

最近では、Wordpressなどのテーマも豊富に揃っています。無料でも良いテーマもありますし、1万円くらいのテンプレートを使えば見た目もかなりリッチにできるのです。この辺は自分たちでやればよかったです。最初は、見た目が良ければペライチだけでも良いかもしれません。

失敗理由:知り合い向けの金勘定が甘すぎた
解決方法:

人狼亭には時間でプレイ料金が定められています。貸切での案内もしていたのですが、知り合い向けの金勘定が甘すぎました。知り合いだから、値段設定を安くしたり、飲食物の持込をOKにしたりと商売を舐めていました。

持込をOKにすると店内の商品が売れなくなるだけでなく、発生しなかったはずのゴミもでます。商用で出たゴミはゴミ処理券を貼らなければなりません。このゴミ処理券の値段もバカになりませんでした。

来てくれた知り合いの方も、次回以降も同じ金額でと考えてしまいます。あまり良いスパイラルではないので、言いにくいことでもはっきりと伝えることが大事かと思います。

失敗理由:トイレが男女共同だった
解決方法:

これはあまり意識しておりませんでしたが、もう少し女性のお客さんに対して考えるべきでした。借りた店舗なのですが、トイレが1箇所しかありません。女性のお客さんは少なかったですが、配慮が足りていませんでした。リアル店舗をする場合、トイレは最低でも2箇所あった方が良いかと思います。

失敗理由:人件費以外の費用が意外とかかる
解決方法:

リアル店舗をする場合、人件費が固定費の中でも比率が高いです。人狼亭でもその辺りは想定していました。問題なのは人件費以外の費用が意外とかかること。

例えばスタッフが1人増えると、エプロンといった貸与美品(たいよびひん)が増えます。これらは消耗品も含まれるため、意外と費用がかさむことがありました。この辺の想定も甘かったです。

販売していたグッズについて

人狼亭ではオリジナルグッズの販売も行っていました。在庫リスクや原価もかかりますが、プレイ料金以外の収入源はどうしても必要でした。そのため、制作したのが下記となります。

【制作グッズ一覧】
Tシャツ / クリアファイル / ボールペン / シール / トートバッグ / 缶バッジ

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その日のMVPには、Tシャツを配ったりしたのですが、グッズのデザインも悪くなく好評でした。ただし、トートバッグの材質だけは納得いくものではなかったです。この辺の準備も急ぎすぎたあまり、チェックが甘くなっていました。

グッズについては制作しすぎたため、メチャクチャ在庫が・・・。いまだに倉庫に眠っているので、リアルで会っており欲しい方には差し上げます(笑)

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【有料記事内容】

・所属コミュニティを増やすためにも自主イベントに参加する
・店舗をやる上で失敗しない方法
・店舗を始める前に準備をしたほうがよいこと
・当時の事業計画書について
・事業計画書に書いたほうが良いこと
・物件の決め方について
・オープンするまでの全体的な流れ
・最後に

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