毎日のルーティンには欠かせない、目覚めをすっきりさせてくれる朝のコーヒーや心を落ち着かせてくれる食後のコーヒー。

こういった時間があるだけで、心に余裕が生まれます。

日々過酷な環境で生活する宇宙飛行士たちにも、心休まる時間は必要です。

そもそも、無重力空間でコーヒーを飲むことは可能なのでしょうか？

宇宙飛行士たちが活動するISS（国際宇宙ステーション）では、パックの中にコーヒーを閉じ込め、それをストローで吸うことで、飲むことは可能です。

しかし、日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんは、以前、X（Twitter）で、このような投稿をしています。

「私はコーヒーが大好きで、地球ではほぼ毎日飲んでいたのですが、今は飲みません。美味しくないんです。気づきました！私はコーヒーの香りが好きだったことに。パック＋ストローでは。。。」

私たちが、コーヒーに求めているものは、コーヒーの注がれたカップを持ち、香りを楽しむこと。

コーヒーを胃の中に流し込めば良いというものではありません。

カップを傾け、コーヒーを飲み、ホッと一息つく。

この一連の動作がとても大切なんです。

そこで、地上と同じように、無重力空間でもコーヒーが楽しめる、特殊なカップが開発されました。

それが、『スペースコーヒーカップ（英語名：Capillary Cup）』。

NASAの宇宙飛行士ドナルド・ペティ氏が、

「ISS（国際宇宙ステーション）の微小重力環境下でも、地上のように、水やコーヒーを直接飲めるカップを開発できないか」

と考え、開発したものです。

最初にISSで作られたプロトモデルは、耐水シートと耐水テープ製で、飲み口の縁まで液体が流れる設計にしていました。

その後、ポートランド州立大学のマーク・ワイスローゲル氏と共同開発を行い、何度も改良を重ね、スペースコーヒーカップが完成しました。

完成品は、プラスチック製で、3Dプリンターで出力することができます。

また、流体力学を応用し、私たちが地上で飲むのと同じ方法で、コーヒーが飲めるよう設計されています。

普段、私たちは何気なくマグカップを傾けて飲むあの方法で、宇宙空間でもコーヒーが飲めるということです。これは、宇宙飛行士たちにとって、非常に画期的なアイデアでした。

さらに、ペティ氏は、ペースコーヒーカップの陶器版の開発も行っています。

この陶器版のペースコーヒーカップは、ISSで発明されて初めて特許を取得した製品。現在は、ISSの備品になっています。

宇宙飛行士たちの疲れを癒やし、地上との距離感をなくしてくれる、夢のようなコーヒーカップ『スペースコーヒーカップ』。

過酷な環境にいる彼らも今、私たちと同じようにカップを傾けてコーヒーを飲み、ほっと一息ついているかもしれません。

人類が宇宙へ簡単に行ける時代が来ても、コーヒーの時間は大切にしたいですね😌

最後まで読んでいただきありがとうございました🌈