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雲の上の人と秘書の素敵な関係🌈

今年の7月、4年ぶりにお会いした雲の上の人。

彼は、私が以前勤めていた会社の上司で、常に、各方面からヘッドハンティングされるほど優秀。

アイデアや知能、性格、身なりも最上級。

息子は2人共、陸上競技のトップアスリート。

さらに、ご先祖さまは有名な政治家や大学病院の院長。少しぐらい何かないかと探りたくなるくらい、パーフェクトな血筋。


そんな彼は、新卒で入社した繊維会社で、製造部署を行き交いながら、社内で起こっている問題点を次々と解決していました。

そんなある時、一人では対応できない問題が発覚し、雲の上の人は直接、設計部署へ行きました。

直接行くのは、この時が初めて。

そこで、「一人、優秀な人がいる」と、紹介されました。

その人が、のちに秘書となる女性でした。

雲の上の人は彼女に、一つの難しい設計を口頭で説明してみました。

すると彼女は、すぐに理解し、口頭で説明した設計通り、その場で作り上げてしまったんです。

それ以来、雲の上の人は彼女を頻繁に頼りにするようになり、いつしか、新たな改善チームを発足するまでに至ったんです。

ちなみに、彼女が、雲の上の人と大学の同級生であったことは、以前記事で書きましたが、

雲の上の人は当時、そのことに気付いていなかったそうです。


改善チームが発足して、まず最初に改善したのが、数千本の糸を束ねて一本の糸にする機械。

改善前は、数千本の糸がなくなったり、途中で切れたりすると、機械が停止する仕組みでした。

その度に、手作業で糸を取り換える必要があったんです。

この機械が束ねる速度は、時速100キロ前後。

まず、2人は、束ねている間に糸がなくなり次第、センサーが反応する仕組みを作りました。

センサーが反応すると、瞬時に新しい糸と繋ぎ合わせ、巻き付けるまでを自動で行えるようにしたんです。

センサーが反応してから、巻き付けまでにかかる時間、たったの0.1秒。

なぜ、そんなことが可能だったんでしょうか?

本人に聞いてみました。

「時速100キロの車に乗りながら、歩いてる人とは手を繋げないけど、時速100キロの車に乗っている人同士だったら手は繋げるよね? その理論で作ったら出来たんです」

天才はやはり、発想力が天才ですね。

最初、正直、理解できませんでしたが……。


2人で改善しながら作った設計図と取扱説明書は、働いていた繊維工場にとどまらず、全国の繊維工場で使われるようになり、全国の糸作りの作業性を大きく向上させました。

このことは、繊維産業のみならず、自動車産業や精密な電子部品を扱う会社でも知られるようになり、2人へ直接、設計図と取扱説明書の作成依頼が殺到しました。そして、2人は全国を駆け巡ります。

まだ、派遣会社すらなかった時代です。

2人は、スーパー派遣として全国を飛び回れるよう、働いていた繊維会社と話し合い、企業間の隔たりがない独自の立ち位置を確保しました。

雲の上の人はこう言います。

「悩んだことはありません。ただただ面白くて。辛いはずの人生は、自分が面白がっているうちに通り過ぎてしまったのかもしれません。それだけ恵まれていたんですよ」

1ミリも『自慢』というものに興味のない話し方。

人柄が滲み出ていました。

ちなみに、秘書の女性は一言、

「私は苦労しかしていない」

素敵な関係ですね。


そんな2人と、年は離れていますが、今でも仲良くさせてもらっています。

「何か人生のヒントになってもらえたら」

と、2人から許可をもらい、記事にさせてもらいました。

記事を通して、何か、感じ取っていただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました🌈

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