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アステカ神話に登場する神々と文明の成り立ち🌈

古代メキシコを代表する三つの文明『マヤ』『アステカ』『テオティワカン』。

このうち、アステカ文明は、メキシコ中央部(メキシコシティ)にかつて存在した『テスココ湖』を中心に栄えた文明です。

このアステカ文明で語られていたのが『アステカ神話』。

アステカ神話には、世界が創造と破壊を繰り返す様子が描かれています。

今私たちがいるのは『第5の世界』。これまで、世界は5度の創造と4度の破壊が行われたと伝えられています。


「現在の世界と太陽の前に、4つの世界が存在した」

4つの世界はすべて、

「神の力によって創造され、神の力によって破壊された」


まず、想像主である神々の父『オメテオトル』と神々の母『オメシワトル』が、最初の四神(テスカトリポカ・ケツァルコアトル・トラロック・チャルチウトリクエ)を創造します。

その後、宇宙空間が創造され、過去に、4つの世界が誕生しています。

<第1の世界>
「4のジャガー」と呼ばれ、テスカトリポカが創造し、巨人が支配していた。しかし、ジャガーが巨人を喰い、滅亡した。
<第2の世界>
「4の風」と呼ばれ、ケツァルコアトル(あるいはエエカトル)が創造し、大風で滅亡、人間はサルになった。
<第3の世界>
「4の雨」と呼ばれ、トラロックが創造し、火の雨で滅亡、人間はイヌ・シチメンチョウ・チョウになった。
<第4の世界>
「4の水」と呼ばれ、チャルチウトリクエが創造し、洪水で滅亡、人間は魚になった。

四神はそれぞれ、世界を破壊する目的で創造された神。

神話では、「テスカトリポカとケツァルクが力を合わせ、シパクトリ(ワニの女神)と呼ばれる大地の怪物を退治し、全ての世界を破壊した」とされています。

4つの世界を破壊したことで生まれたのが、『天地』と『冥界』。

人間は天地と冥界を繰り返しながら、神の血を引く者を中心に文明を築いていきます。

彼らは、現在の太陽を「5番目に生まれた神」と崇めていました。

太陽神であるトナティウのもと、独特の儀式(生贄など)を行いながら、神殿などの建築技術を発展させていきました。それだけでなく、鋭利な刃物で剣・槍・矢じりなどを作る技術を身に付けます。

これは、トナティウが戦神でもあったためです。

こうして好戦的な方向へと文明が傾いていきます。

アステカには、平民のほか、貴族・奴隷・旅商人などもいました。

しかし、神の血を引く者(宮廷の者)の目には、「皆同じように映っていた」ようです。

ちなみに、貴族は、特別な権利が与えられていたにも関わらず、犯罪を犯すと、他の階級より厳しい処罰を受けることがよくあったそうです。


神話の中で、第一の世界を創造したテスカトリポカは、ジャガーの衣をまとい、黒曜石でつくられた鏡とテクパトルナイフを持っています。

<黒曜石とは?>
マグマの一部が急速に冷え固まってできた火山岩。黒く光る黒曜石は、別名『天然ガラス』と呼ばれ、日本でも、旧石器時代から縄文時代にかけて、様々な道具の主要材料として使われていた。

これは、日本の神話に登場する『草薙の剣(くさなぎのつるぎ)』と『八咫鏡(やたのかがみ)』と類似している点。

神話は、世界共通の箇所が必ずあると言われていますが、日本の神話は、このアステカ神話に類似している箇所が多いことで有名です。


アステカ文明は、1428年から1521年までの約95年間、アステカ帝国を築いた文明です。

アステカ帝国は、1521年にスペイン人の侵略者によって滅ぼされ、帝国から街へ変わっていきました。

その後、スペインが植民地化を進めていく中で、アステカ帝国の神殿や宮殿を徹底的に破壊し、テスココ湖の埋め立てが行われ、東部以外は全て埋立地となりました。

こういった経緯から、アステカ神話にまつわる遺跡が未だ見つかっておらず、多くの遺跡が地下に眠っているのではないかと言われています😌

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