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一料理人、イタリアの魚に驚く

こんにちは、ハヤシヨウヘイです。
海のレストラン ’Torre del Saracino'で働き始めた私の最初の仕事は、店で使うすべての魚介類の下処理をすることでした。

イタリア料理におけるコース料理は
stuzzichino ーつきだし
antipasto ー前菜
primo piattoーパスタやリゾット
secondo piattoー肉や魚、メインディッシュ
dolceーデザート

の順番で進みますが、魚介がメインのこちらのお店ではそれぞれ5種類の内の4皿までが魚介の料理です。
つまり毎日膨大な量の魚の処理があるわけで、朝一でそれぞれのセクションの責任者に必要なものを聞いて、仕込み時間は私ともう一人(研修生)がそこに専念します。
イタリアだからといって変わった魚が来るというわけでもありません。
タイ、ハタ、アジ、イワシ、貝類やエビなど、日本人にもなじみのある魚が多かったですね。
近くの漁港から直接揚がるものも多く、鮮度がいい。

しかし、日本での下積み時代にある程度慣れていたとはいえ、ここで初体験したものも実は多かったことには驚きました。
あんこうや太刀魚、ウナギなどは実はさわったことがありませんでしたし、活きで来た魚を〆たり、10キロ以上の大きさの魚を処理したこともなかったので、できるとは言いながら手探りでしていたことも少なくありませんでした。

いまの店でもさかなの処理を任されていますし、「ヨウヘイは日本人だし、さかなの処理がBRAVOだ」いってもらえますが、実はここの店で学んだことが占める割合が大きいですね。


10KGのアンコウ、でかいあん肝も作れました

思い出して今となっては笑えるイタリアならではの仕事もあります。カニの甲羅や足を割って身を取り出す、丸のウニの殻割から身をほじくりだす、などは殻やとげをチェックまでして何時間もかかるのに得られた量を見て泣きたくなりました。また、ケータリング用に来た10段の小あじの処理をしたときは、朝から初めて夜の営業までかかったことも覚えています。

日本ではなんでも商品になっていて便利ですが、イタリアでは素材を一から処理することがとても多いです。
(魚に限らす、これからの仕事の中でいくつも経験していきます。)


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