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此花区は、わたしです。

大阪に来て40年近くになるけど、馴染みのない地域がまだまだあります。出かける機会がないというか。大阪湾の対岸にある此花区もそのひとつ。そこで、今日は此花区を走るJR桜島線(愛称・ゆめ咲線)の沿線めぐりに出かけてみました。

此花区に着きました。

まずメトロで大阪港駅へ。行きがけの駄賃に天保山に登頂、そのまま天保山渡船場へ向かいます。この天保山のわたしは、市内にある8つの渡船の中でも最長の航路。といっても、約400m・所要時間も2〜3分ほどですが。ただ、この渡しがなければ歩行者や自転車は4キロ先の弁天町まで迂回しなければならず、近隣の人にとって生活に欠かせないインフラになっています。船を降りて歩いていくと、JR桜島線の終着である「桜島駅」が見えてきました。

JR桜島線の終着「桜島駅」

波のように銀色に輝く桜島駅のスロープを上っていくと大きな遊歩道が現れました。電車はこの下を走っていきます。パークからの歓声が聞こえてきたら、もう「ユニバーサルシティ駅」。帆船をイメージした駅舎で、設計は港区出身の安藤忠雄氏。

土曜日だったせい、朝10時前ですごい人出。

ここから先は地道を歩くことに。しばらくして「安治川口駅」へ。ここは貨物駅が併設されていて、ふだん見ることのできない機関車にも会える、僕のような“やや鉄”にとっても魅力ある場所でした。

貨物機関車の桃太郎が停まっていました。

この近くに「産土(うぶすな)神社」があると聞いていたので、お詣りしてきました。鳥居の脇の石柱には土と社に「、」が付いていました。

こぢんまりとした良い神社でした。

もう一度駅まで戻り、今度は安治川の防潮壁に沿って進むのですが、これが歩道もない道でトラックがビュンビュン走ってヤバかった。環状線を走る電車が見えたら桜島線の起点である「西九条駅」もすぐそこです。高架下には飲み屋さんが軒を連ね、風情のある景色が続いていました。

桜島線の起点「西九条駅」。大阪環状線・阪神電車が連絡します。

帰りは、土木遺産にもなっている安治川トンネルで九条へ出ました。これも今日のお楽しみのひとつでした。エレベーターに乗って17m下へ降り、地下通路を歩きます。調べてみるとこのトンネル、国内初の沈埋(ちんまい)工法を用いて、川底の土の下に作られた希少なトンネルだそうです。

安治川隧道。
地下道を80m歩きます。ガードマンの方が見守ってくださいます。

九条側の地面に立って、本日の沿線めぐりは無事ゴール! たっぷり歩いて此花区を楽しみました。桜島線はJR西日本エリア最短の4駅・わずか4.1キロの路線ですが、歩いてみると1時間半ほどかかりました。人工的な桜島とユニバーサルシティ駅と昔ながらの風景の中に立つ安治川口と西九条駅、個性の異なる様が面白かった。また、船とトンネル、安治川を越える2つの「わたし」を体験できたのも幸せだったな。小さいけれど良い旅になりました。

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