被写体が1人と複数人の時の露出の違い。#カメラのハナシ
被写体が1人と複数の時、気をつけることの代表例としては「絞り」。
複数人にピントを合わせて、被写界深度を深くするために絞りを高めに設定するとか、集合写真では斜め上から撮ることで複数人と距離を同じにするとか。
では露出についてはどうだろうと考えてみました。
1つだけ、被写体の人数によって変えるのは、
「現像するときの露出にどれだけ近づけるか。」
自分個人のルールとしては、複数人を撮る場合には少し暗めに撮って、1人を撮る時には現像する時をイメージしてなるべく露出をそれに合わせるようにしています。
カメラマン都合を言うのであれば、
白飛びはさせたくない。シャドーの情報も欲しい。
よって、少し暗めに撮っておきたい。
現像の時に欲しいところの露出だけ持ち上げたい。
正直、後から編入しやすいし、ロケで自然光のポートレートを撮る時はアンダー補正をかけたくなるものですが、なぜそうしないのか。
撮影時の露出は被写体をしてくれるモデルさんとのコミュニケーションやモチベーションにも関わるものだと思っています。
撮影しながらコミュニケーションを撮って、モデルさんにモチベーションを高くしてもらえれば、両者win-winな関係でいることができます。
ではモデルさんの数でコミュニケーションはどう変わっていくのか。
(あくまでも個人的なコミュニケーションの取り方です。)
■複数人の場合
モデルさん同士がコミュニケーションを取りやすくするための橋渡しをするような立ち位置を意識します。
複数人の場合は、モデルさん同士の関係が良好である方が、いろんなポージングやロケーションにもチャレンジできて、より良い写真になる傾向がある気がします。
なので、モデルさん同士で盛り上がってわいわいしてテンションやモチベーションを上げられるような環境づくりに注力します。
■1人の場合
移動中に会話をしたり、撮影中の指示出しなどが主なコミュニケーションになります。
会話もしながら撮影もしないといけない。
どちらかに集中しすぎてしまうと、もう一方がおろそかになってしまう。
そこで、モチベーションを上げてもらう一番効果的な方法の1つとして、自分は撮った写真をモデルさんに見てもらいます。
ただし、その時にカメラマン都合の暗い写真はあまり喜んでもらえないので、現像で露出をあまり触らなくてもいいように撮影します。
複数人現像前
複数人現像後
複数人を撮る場合はある程度カメラマン都合で、アンダー気味に撮って、補正をしています。(被写体ごとにあたる光が違うから後でバランスを整える意図もあります。)
1人現像前
1人現像後
1人を撮る際には現像後も露出を変えなくてもいいようにしています。
さらに、カメラの液晶の表示も現像になるべく近い雰囲気になるように設定してモチベーションを上げてもらうと同時に、目指す雰囲気を共有できることを目指して撮影に臨むようにしています。
RAWデータの現像は自由度が高いため、撮影時に捨てることができる要素も多くなっています。
ですが、ポートレート撮影は被写体をしてくれるモデルさんがいてくれないと成立しないのでカメラマン都合だけではなく、もっと撮影しながらお互い楽しめる関係を築けたらいいなと思います。
▼ポートフォリオサイトはこちら
地元で起業し、フォトグラファーとディレクターとして活動しています。 仕事のこと、撮影のこと、ジャンル問わず備忘録として書き残しています。