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人間の凄さと愚かしさ、未来への希望。〜舞台『人類史』を観て〜

 舞台『人類史』の千秋楽を観た。作・演出は谷賢一さん、音楽はドレスコーズの志磨遼平さん。KAAT神奈川芸術劇場でお昼からの公演だった。

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元々、Skyrocket Company というラジオ番組に東出さんや、志摩さんが出ていて非常に興味を持った。ただ歴史をさらうだけでは面白くならないだろうけど、それをどうやって面白くしたのか気になった。私自身、歴史が好きということも影響している。

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簡潔に結論を言おう。とてもよかった。カーテンコールがきた時に、ぐっと込み上げるものがあって、涙が出た。悲しいわけでもなく、嬉しいわけでもなく、感動である。

人間の歴史に加えて、人間の賢さ、凄さや愚かしさ、それに様々な喜怒哀楽が多面的に表現されていて、ある一点だけを切り取っただけの表現ではできない、複雑だが味わい深いものがあったと思う。

そして、どんなに人間が愚かしくても、最後には人間の凄さに希望を残すそんなエンディングが感動的だった。このメッセージを発信するメンバーに、東出さんも含まれていることが個人的には感慨深かった。彼もいろいろあったろうが、それでも前を向いて、舞台に臨んでいる姿は偽りのないものに見えた。

ダンスや歌、そして芝居と様々な構成要素で成り立っていたこの作品は、東出さんという1人の有名人だけでは確実に成り立たない。故に、他の役者の演技もとても素晴らしかった。(いい意味で)観客を苛立たせるようなセリフの言い回しや、キャッチーな動き、キレのあるダンス、聞き惚れるような歌声、などなど。特に、ガリレオの場で、物理学や数学の公式を連続で喋り続けるところは、よく覚えられるなと感動した。あんなに数式が出てくるセリフは聞いたことがない。

要するに総じてよかった。再演されるなら間違いなく行く。次は千秋楽だけでなく、最初の公演も行く。一度じゃ消化しきれないほど、いろんな要素が詰まっている良い舞台だった。

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Twitterで他の人の感想を観ていたら、こんないいツイートを見つけた。この方が言っていることもよくわかる。

千秋楽後、作・演出の谷さんがツイートした内容も野心的で、向上心にあふれており、とても刺激を受けた。私のわからない次元で彼らは高みを目指しているのだなあと、しみじみ。


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