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【タスク管理の教科書】ADHDの私が外資で管理職になるレベルまで自己管理力を高めた方法


前書き

私がタスク管理を始めたのは、27歳のときでした。フリーランスの翻訳家/マーケターとして、タスク管理アプリ「Todoist」で働き始めたのがきっかけでした。

Skypeで面談して、Todoistで働きはじめたときは「ブログやツイッターで何を書けばいいんだろう」と不安になるほど、タスク管理について何も知りませんでした。そのため、タスク管理、手帳術、ノート術、時間管理、生産的仕事術の本を20冊ほど読みました。以前は「7つの習慣」も読んだことがないほど、生産性について無頓着だったのです。

この勉強期間は私の人生を大きく変えました。Todoistとの契約は月30時間でしたが、最初の1ヶ月は100時間以上働きました。つまり、70時間もタダ働きしたのです。しかし、2ヶ月目には70時間を15時間まで圧縮し、他のプロジェクトの労働時間も1/3以下に圧縮することが出来ました。

もちろん、それ以外のプロジェクトでも効率的に仕事ができるようになり、自由に使える時間が増えました。自由に使える時間は、フリーランスとして仕事の幅を広げるために勉強をしたり、仕事しながら海外旅行をするなど、より充実した人生を置くために使いました。

わたしの人生は、「タスク管理前」と「タスク管理後」で大きく変わりました。

そして、こんな素晴らしい知識を自分だけのものにするのはもったいないと思い、この本を書き始めました。

タスク管理は「デキるビジネスマンの仕事術」ではない。

タスク管理の本はたくさんあります。しかし、ほとんどの本はビジネスマン向けに書かれています。Amazonで検索すると「一流の」「仕事ができる」などキャッチコピーがついた本がたくさん見つります。

しかし、タスク管理は、ビジネスマンだけのものではありません。じつは、アメリカやイギリスでは多くの医者が、痴呆症やADHDの対策としてタスク管理を勧めています。また、インスリンの摂取を忘れないようにTodoアプリを使っている80歳の女性もいます。

また、タスク管理アプリ「Todoist」のユーザーには、こんな使い方をしている人もいます。

子供の宿題や、学校の行事、家事を忘れないようにする

  • 夫婦間で買い物リストを共有する

  • ブログの執筆作業を効率化する

  • 食べに行きたいお店のリスト

  • 見たい映画のリスト

  • 筋トレやダイエットの予定

  • 英語など、語学の勉強

タスク管理は、仕事術ではありません。生活や人間関係、お金、仕事、勉強など、ありとあらゆる「やるべきこと」を忘れずに行うため、夢や目標あるいは時間を節約してもっと楽しいことに時間を使うために、誰しもが使える道具です。

タスク管理は、自殺を減らす。

また、ある有名なアメリカの実業家は悩みを解決するためにタスク管理をしました。彼は、「世界で一番忙しい男」と呼ばれていました。その上、不倫相手との子供、親戚の問題、甥の警察沙汰、政治家から不当な圧力をかけられ会社が存亡の危機にあるなど、様々な悩みに苦しんでいました。
トドメを指すように「今夜食事に付き合ってくれなければ離婚する」と奥さんから離婚を突きつけられ、忙しい人生に嫌気がした彼は自殺をしようと遺書を書き始めました。遺書を書くにあたり、彼は悩みを箇条書きしました。そのことをキッカケに、彼は自分の悩みとその原因に初めて向き合い、悩みを「明日できること」 、「来週以降に着手できること」 、「来月で間に合うもの」 、「解決できないこと」 に仕分けし、悩みをリスト化した便箋を机にしまい、奥さんと夕食へと出かけたそうです。

(参照:スマートノート 岡田斗司夫 文芸春秋

日本政府の自殺対策に「水際の対策」があります。これは乱暴な言い方をすると、今まさにビルの屋上から飛び降りようとしている人を止めることです。

しかし、水際の対策は根本的な問題を解決しません。自殺を止めても「自殺したい」という願望と、それを引き越している健康問題、経済・生活問題、家庭問題、職場の問題、人間関係の問題などは、解決されずにそのまま残ってしまうからです。その場は自殺を防ぐことができても、いずれまた自殺を試みるでしょう。

タスク管理、問題解決のテクニックです。自殺を思いとどまったアンドリュー・カーネギーのように、タスク管理を使い、大きな問題を小さな問題に分解して、小さな問題を一つずつ解決することができれば、自殺や不幸を引き起こす悩みを解決することができます。

なぜタスク管理を「勉強」しなければならないのか?

「タスク管理なんて自己流でいい」
「タスク管理なんて手帳で十分」
「自分に合った方法じゃないと続かない」
「あれこれ考えるよりも、行動したほうがいい」そう思う人もいるでしょう。気持ちはわかりますが、まったくの間違いです。ひとつ例をあげます。

タスク管理は、「やってみればわかる」「見てればわかる」「相性が悪いとできない」ものではありません。料理、日曜大工、車の運転のように、教えてくれる本や人がいれば、だれでもできるけど、教えてくれる本や人がいなければ、かなり長い時間をかけないと習得できないタイプのものです。

あるいは、「タスク管理なんて、難しくて自分にはできない」と思っている人もいるでしょう。それは間違いです。日本人の99%が日常で小さなタスク管理をしています。

例えば、「朝7時に起きる」というタスクを忘れずに実行するために目覚まし時計をセットしたり、メモの夕飯の買い物リストを書くのもタスク管理です。本書で取り扱うのは、それよりもちょっと進んだ内容だけど、本質的なところは同じです。

一流のビジネスマンのように、普選だらけの手帳や、4色ボールペンなどを使わなくてもタスク管理はできます。難しいと感じるなら、簡単なタスク管理から始めてください。

または「タスク管理をしたくない。もっと自由に生きたい。もっと自分のやり方で生きたい。」というかたもいるでしょう。そういう人は、そもそもタスク管理を誤解しています。

禅とタスク管理

最近になって気づいたのですが、労働時間の圧縮以外にも意外なところに効果がありました。体重が減ったのです。

わたしはストレスを感じるとグミ(とくにハリボのコーラ味)を食べる習慣がありました。毎日のように中袋(250g)を食べていたので、体重が学生時代より20kgも増えてしまいました。

タスク管理を学んでからは、自然とストレス間食が減り、余った時間でジムに行くようになったので、みるみると体重が減りました。

わたしは有名な生産的仕事術(GTD)をタスク管理にと入れています。GTDの重要なコンセプトのひとつに「するべきことを頭から追い出して、どこかに記録する」があります。自分用作業手順書、頭からタスクを追い出すことで、禅の瞑想のように頭から雑念を追い出し、無の状態で仕事ができるようになったからストレスが激減したのです。

タスク管理アプリは、タスク管理の知識があって初めて役立つ

高い原稿用紙を使ったり、高価なワープロソフトを購入して文才は伸びません。高いイラストソフトを買っても、絵がうまくなるわけではありません。道具とは使い手の能力を引き出すものであり、能力を与えるものでないからです。

問題解決ツール・目標達成ツールとしてのタスク管理でも同じことが言えます。ノートや手帳、タスク管理アプリは、タスク管理を楽にしますが、使い手が「タスク管理の手法」を学ばなければ、道具を使いこなすことはできません。

しかし、そういった「問題解決のコツ」「目標達成のコツ」「スケジュールや安く管理のコツ」を学校は教えてくれません。そして、多くの本は「一流ビジネスマンになる」ことを目的にしています。
しかし、問題解決やタスク管理は、学校の勉強よりも重要なことだと思います。なぜなら、学校の勉強もタスク管理でずっと楽になるからです。
そのため、わたしはタスク管理、スケジュール管理、時間管理、やる気管理など、問題解決や目標達成にかかわる情報を包括的にまとめた情報を誰もが得られるように、この本を無料で出版することにしました。た。

やる気に頼らない、自分に頼らない

しかし、そういった「問題解決のコツ」「目標達成のコツ」「スケジュールや安く管理のコツ」を学校は教えてくれません。そして、多くの本は「一流ビジネスマンになる」ことを目的にしています。

しかし、問題解決やタスク管理は、学校の勉強よりも重要なことだと思います。なぜなら、学校の勉強もタスク管理でずっと楽になるからです。
そのため、わたしはタスク管理、スケジュール管理、時間管理、やる気管理など、問題解決や目標達成にかかわる情報を包括的にまとめた情報を誰もが得られるように、この本を無料で出版することにしました。

世の中には、自己啓発書・ポジティブシンキング・タスク管理などの本はたくさんあります。しかし、どんな問題も行動しなければ解決しない。行動すれば成功体験で自身が身につきます。
だからこの本は心理学やタスク管理・時間管理・問題解決などのテクニックを鉄塔的に活用して、やる気や意志の強さに頼らずに誰でも「行動する」人になれるため方法をまとめました。

タスク管理とは何か?

そもそもタスクとは?

「タスク管理」の「タスク」とは、「すべきことを、実行できて、一度に完了できる単位まで分割したもの」だと私は定義しています。タスクは仕事に限りません。私生活の雑事、個人的な目標、旅行など趣味の活動にもタスクはあります。

「すべきことを、実行できて、一度に完了できる単位まで分割したもの」だと抽象的過ぎて具体的にイメージしづらいので、例を挙げましょう。

×「ダイエットする」○「15分間ストレッチをする」
×「英語の勉強をする」○「洋書を1時間読む」
×「家事」○「和室に掃除機をかける」

プロジェクトとタスクは何が違うのか?

プロジェクトは明確な目標があります。タスクには明確な目標がないものがあります。例えば、爪切り、買い物などです。一方で、プロジェクトには明確な目標があります。あるいは、プロジェクトそのものが目標です。

例えば、「ダイエットをする」のようなふわふわした目標はプロジェクトとは言えません。「2か月で5㎏やせる」がプロジェクトの目標といえます。

また、一般的にプロジェクトは複数のタスクから成り立ちます。

タスク管理とは、忘れないための仕組みづくりである

プロジェクトを実現するためにの具体的なステップのひとつひとつがタスクです。例えば、先ほどの「2ヶ月で5㎏やせる」は、食事制限、定期的な運動、定期的な体重測定で進捗を管理するなど、すべきことがたくさんあります。このすべきことがタスクです。

タスク管理手法の金字塔「GTD」とは?

GTDとは、故デイビッド・アレン氏が著書『Getting Things Done』で提唱した仕事術です。Getting Things Doneは直訳すると「物事を成し遂げること」です。その「物事」は仕事に限らず、大学受験や資格試験の勉強、家事、健康管理、人間関係の悩みなど、「全て」をGTDの枠組みで取り組めます。
GTDの前提として「記憶に頼るな。書いたら忘れろ。」があります。やるべきことを頭で管理すると、一週間もすれば進捗を忘れてしまったり、他の作業が気になってひとつの作業に集中できなかったりすることもあります。頭から追い出してしまえば、余計なことに気にせず今やるべきことに集中できるし、実行し忘れることもなくなります。ちなみに、GTDではこのようにやるべきことを頭の外から追い出して、一箇所に書き出すことを「収集」と呼びます。

GTDには、「収集」「処理」「明確化」「整理」「実行」「レビュー」の6つのフェーズがあります。具体的には、頭の中にある「やるべきこと」を紙に書くなどして「収集」して頭を空にしたら、時間が決まっている会議などはカレンダーに記載したり、連絡待ちの仕事は手帳にまとめたり、今すぐ実行できるものはどの順番で実行するか順番を決めるなど、収集したやるべきをことを整理します。次に、整理した作業を予定通りに「実行」し、進捗を定期的に「レビュー」します。

この仕組みが整い、あなたがこの仕組みに信頼を置けば、物忘れは減るし、ひとつのことに集中できます。これにより、ストレスが減り、思考力もずっと有意義なことに使えるようになります。

「収集」とは?

GTDの「収集」とは、やるべきことや、やりたいことなどをすぐに保存する場所です。例えば、上司に仕事を命じられたときや、友達から本をオススメされたときなどです。インボックスには気楽にドンドン収集します。脳の仕事を減らすために、ノートに素早くメモしたり、TodoistなどのGTDに準拠したアプリを使って、どんどん追加します。

初めてGTDを使う方は1時間ほどかけて、やりたいことや、やらなくてはなないこと全てを書き出しましょう。人間関係の悩み、お金の悩み、歯が痛い、やせたい、本を買いたい、旅行に行きたい、上司から仕事を頼まれているなど、それら全てがインボックスに入ります。

「明確化」

GTDの「明確化」とは、何から始め、次に何をするかなど、しなければならないことを具体的にすることです。例えば、「ダイエットをする」では大雑把すぎます。

一番最初に何をするか、次に何をするか、その次に何をするか、それをどうやって実行するかなど、いざ実行に移す予期に迷わないように、具体的で実行可能なステップに分解します。

片付けや仕事、勉強など、「やりたくないなぁ」と思ってもいても、いざ始めると、いつの間にかやる気が出てきて、集中して作業に取り組めていることはありませんか?これを心理学で「作業興奮」と言います。皮肉ですが、やらないとやる気がでないけど、やればやる気がでるのです。

具体的に何から始めたらいいか分からないと、ひとつひとつの作業は小さいのに大きい作業しか見えません。例えば、これを書いているとき、わたしは「ヨーロッパで個々人事業主になり、ビジネスビザを取得しよう」としていました。これは達成が難しい大きな仕事ですが、最初の作業は簡単です。「大使館の連絡先を探して、ビザの取り方を聞く」です。これだと行動へのハードルがグッと下がりますよね。

TodoistなどのGTDに準拠したタスク管理ツールを使っている場合は、この時点で複数のタスクからなる作業を「プロジェクト」にまとめるといいでしょう。プロジェクトにまとめると、日をまたいで作業に関する記憶があやしくなっても、進捗の確認をしやすくなります。

「整理」

GTDの「整理」とは、いつタスクを実行するかを決めること、決めるための判断材料をつけることです。具体的には、下の整理の仕方が一般的です。

  1. ゴミ箱(もう保存しておく必要がないもの)

  2. 参考資料(行動はしないけど、捨てちゃいけないもの)

  3. いつかやる

  4. 返事を待つ

  5. カレンダー(締切や実行時間が決まっているもの)

  6. タスク

また、GTDには「コンテキスト」という重要な概念があります。コンテキストは、特定の場所や状態で処理すべきタスクを分類するための情報(ラベル)です。例えば「駅前のコンビニでパンを買う」の「駅前(のコンビニ)」がコンテキストです。

コンテキストはとても便利な考え方なので、後ほど詳しく説明をします。

実行

GTDの「実行」は、今まで整理した情報に従い、「やるべきことに集中して作業に取り掛かる」もっとも重要なステップです。

いつ、何を、どうやってすべきか、何から始めればいいのかがすでに整理されているので、迷わずに明鏡止水の境地で作業に集中できます。

レビュー

David Allen氏は、レビューのことを「成功の鍵」と呼んでいます。私もそう思います。GTDはよく考えられた仕組みですが、不完全な人間が運用しているので、必ず漏れがでてきます。例えば、終わったタスクをチェックし忘れたり、新しいタスクを追加し忘れたりなどのミスが起きるでしょう。
それを防ぐのがレビューです。例えば、プロジェクトの進捗を確認したり、今秋の予定を確認するなどです。これも重要なので後ほど詳しく説明します。

TodoistでGTDする方法

Todoistとは?

Todoistは、GTDに準拠したタスク管理ツールです。2016年の時点で世界中で600万人のユーザーが愛用しています。

Todoistの特徴は、シンプルで洗練されたデザインと、その拡張性です。「機能を増やすには技術がいるが、機能を減らすには哲学がいる」という名言があります。Todoistは、まさにそれを体現したサービスです。TodoistにはOutlookのようにメールやカレンダー機能はついていません。また、大規模なプロジェクト管理ツールのようなWBS機能もありません。だからこそ、どうせ使いこなせない機能に振り回されず、無駄をそぎ落とした合理的なタスク管理に集中できます。しかし、Evernote、Toggl、IFTTT、Dropbox、Google Drive、Google Calendarなど、さまざまなサービスを連携したり、ラベルを使うことで、様々な機能を追加することできます。

GTDの最初のステップ、「収集」

GTDで初めにすることは収集です。初めて使うときは、やるべきこと、やりたいこと、悩みなどを2時間くらいかけて、紙かTodoistの「インボックス」に書きだしてみるといいでしょうでも、実際には30分位で何も書けなくなるかもしれません。そのときは、「トリガーリスト」をご利用ください。トリガーリストとは「頭の中の気になることを思い出せてくれるであろう質問」のことです。

インボックスとは?

机や物置を整理するときに、まず最初にすることは何ですか?
私は、いったん中に入っているものをすべて取り出して、一か所に集めます。その後、「いるもの」と「いらないもの」を分別します。

GTDのインボックスとは、思いついたこと、気になること、後でやりたいことを一か所に集めて、後で知りするための場所です。例えば、上司に任された仕事や、行きたい場所、始めたい趣味、気になる部屋の汚れ、勉強したいことなど、将来の夢など、思いついたことを思いついたままに書き出します。

GTDのインボックスに書き出すときは、着たものを脱ぎ捨てる感じで、どんどん放り込んでください。後で、色分けするとか、そういうのを考えずに、どんどんインボックスに書き出します。

「処理」では、捨てる・保管する・後でする・後で決める・今する

GTDの「処理」とは、収集で書き出したモノを実行するか、保留するか、切り捨てるかを決めることです。大掃除のときに一端から部屋からモノを全部出して、ひとつずつ捨てるか取っておくか決めていくイメージです。
まず、最初のステップ「収集」で集めた「気になること」「やりたいこと」を、次の3つに仕分けします。

普段から整理しない人は、財布の中や、書類フォルダーを確認すると、期限切れのクーポンとかありますよね。あるいは、有効期限が一週間以内とか、本当に使うかどうかわからないクーポンとか、古い領収書とか・・。
GTDの処理では、ひとつずつ「捨てる」「保管する」「今する」「後でする」を決めます。

「処理」で捨てるものの基準

これは実行することもないし、後で見返すこともないだろうと思ったものは、思い切って捨てて下さい。

絶対に自分では解決できない問題やすでに手遅れな事柄、例えば身長を20㎝伸ばすとか、世界の貧困問題を解決するとか、有効期限切れのクーポンは、どんどん捨てちゃっていいでしょう。

Todoistのインボックスに作成したタスクも思い切って削除します。

「処理」で保管するものの基準

具体的な行動はないけれど、いつか見返すかもしれないものは、ノートにまとめたり、段ボールに詰めるなど、とりあえず保管しておきましょう。
例えば、昔働いていた会社の契約書などが必要になることはほとんどないと思いますが、念のためとっておいたほうがいいでしょう。

Todoistに作成したタスクは削除して、Google Driveなどのクラウドストレージに保管したり、印刷してファイルにまとめたり、一か所に保管してください。

「もしかしたら後でするかもしれない」と思ったら、今は決めずに決断を後回しにするのも全然ありです。

例えば、着るかどうかわからない季節外れの服は、その季節になってから捨てるのもアリです。Amazonで気になる本があるけど、レビューがついていないから、本当に買うべきかわからない時は、Todoistで「1か月後にAmazonレビューをチェックする」タスクを作って、あとで買うか買わないと決めるとよいでしょう。

Todoistに登録したタスクは、とりあえず「あとで決める」というラベルをつけるといいでしょう。(ラベルの使い方については、次の章で詳しく説明します。)

今3分以内にできることなら、わざわざTodoistにタスクを作成したり、後で予定を立てて実行するまでもなく、今すぐ実行しましょう。
例えば、いらないものをネットオークションで売るなら、今すぐに写真を撮ったり、2分に帰るメールなら今すぐ返事したり、電話一本でキャンセルできるお店のメンバーシップなら、今すぐに片づけちゃいましょう。

後で実行したい・後で実行する必要があるけれど、実行するためにいくつかのステップがあること、明らかに3分以上かかることは、(例:やせる、結婚式の準備、仕事の大きなプロジェクト、新しい趣味に挑戦)などは、次のステップ「整理」で整理整頓します。

「整理」は実行しやすくするための準備

「英語を話せるようになりたいけど、何から始めたらいいかわからない」
「海外旅行したいけど、準備をするのが億劫でしかたない」
「ダイエットが続かない」

こういう経験はありませんか?
GTDの3つ目のステップ「整理」は、これを解決するための作業です。具体的には、大きな目標を小さなタスクに切り分けたり、タスクにラベルを付けて整理して、目標に向けて作業を実行しやすくします。

大きなプロジェクトの場合、整理だけでひとつのタスクどころか、複数のプロジェクトが必要なこともあります。例えば、「タスク管理を始める」といプロジェクトは、タスク管理についてリサーチする、ツールをリサーチするなど、タスク管理を始めるのに要な手順を明らかにするために、複数のプロジェクトを要します。

「やること」をタスクに細分化して、プロジェクトにまとめる。

「タスクを実行するコツは、細分化すること」
タスク管理の本には必ず書いてあることですよね。

Todoistや手帳などの「やることリスト」にタスクが書いてあるのに手が止まってしまう原因は、「何から始めよう」「時間がかかりそうで面倒くさい」という気持ちです。

それを取り除くためには、「家を買う!」を「ほしい不動産の条件を書き出してみる」「地元の不動産屋さんのリストを作る」「不動産屋さんと話す内容を考える」「不動産屋さんに電話する」など、面倒くさいと感じない、実行にストレスを感じないレベルまで、やることを小さいタスクに細分化することです。細分化したタスクは、「家を買う」などのプロジェクトにまとめると、全体像や進捗が見やすくなります。

実際にTodoistでどうやってタスクの細分化をするか見ていきましょう。
インボックスのタスクを実際にどうやって実行するか考える
処理を終えたら、Todoistのインボックスには「後でするかどうか決めること」「後ですること」があります。

まず、「後ですること」は、「自分が実際にそのタスクに取り掛かっている姿が想像できる」レベルまでタスクを細分化し、細分化したタスクを一つのプロジェクトにまとめます。Todoistには、プロジェクトに子プロジェクトを、タスクに子タスクや孫タスクを作れるので、どんどん細分化してください。

例えば、先ほどの「家を買う」を例にすると、まず「家を買う」プロジェクトを作り、「ほしい不動産の条件を書き出してみる」「地元の不動産屋さんのリストを作る」「不動産屋さんと話す内容を考える」「不動産屋さんに電話する」などのタスクをそこに作成します。

インボックスが「後でするかどうか決めること」になるまで、「後ですること」をひとつひとつプロジェクト化していきましょう。すると、インボックスには「後でするかどうか決めること」だけが残ります。
「後でするかどうかを決める」ことで、どのプロジェクトに属さない場合、「後で決める」プロジェクトを作って、適当に予定日時を設定して、いいタイミングで思い出せるようにしましょう。

具体的なステップがわからない場合は、「調べる」タスクにする

新しいことに挑戦する場合は、具体的なステップに細分化するにも、具体的なステップどころかまず最初に何から始めればいいかすらわかりませんよね。

そういう時は、「~について調べる」「~について本を購入する」タスクに変換しましょう。

「自分で考える」のはとても大事です。でも、すでに確立された知識や道具があるなら、一から自分で考える必要は全くありません。ひとりの人生は長くても100年ちょっと。何百年も天才的な科学者たちが人生を捧げて編まれた知識体系には絶対に及びません。だから、何もかも自分で考えるのではなく、本や専門家に頼るのも大事なことです。

タスクのコンテキスト(文脈)にあわせてラベルをつける

コンテキストとは「タスクを実行するときの状況」のことです。タスクを実行するときに、今の自分の状況に合わせたタスクを選ぶのに使います。
例えば、仕事の打ち合わせがあって、電車で30分移動するとします。「さて、何をしようかな?」となりますよね。

そういう時は、Todoistで「移動中」ラベルのついたタスクを見ます。すると、「移動中」ラベルがついた「読書」、「スマホでニュースチェック」、「今日のタスクをレビューする」などのタスクが一覧となって表示されます。

あるいは、昨日遅くまで飲み会があってどうしても集中できない。そういうときは「お手軽タスク」ラベルがついたタスクをチェックします。
ラベルの使い方は、タスクに必要な道具、担当する人、場所、タスクにかかる時間、タスクに必要な集中力など、さまざまな用途があります。

所要時間をラベルにすると、スケジュール管理がしやすくなる

Todoistでタスクを整理するときに「見積もり所要時間」ラベルを付けると、空いた時間を有活用できます。例えば、仕事の打ち合わせをカフェでするとき、待ち合わせ先のカフェに30分早く着いたとします。そのとき、Todoistで「@30分」というラベルがついたタスクの一覧を表示し、その中からカフェでできるタスクを選んで実行できます。

正確な所要時間の見積もりを出すことはできないので、「@5分」「@15分」「@30分」「@1時間」くらいでいいでしょう。もし、ひとつのタスクが1時間以上かかるなら、タスクを分割できないか考慮してみてください。

移動が多い人は、場所ラベルを使うと二度手間が減る

先ほどのカフェに例なら、「@30分」ラベルでなく、「@出先」「@カフェ」「@スタバ」などのラベルでもいいでしょう。

あるいは、「渋谷に行ったら東急ハンズによって、クラフト製品を買いたい」「○○駅にいくなら、近くのスーパーで日用品を買いだめしたい」という場合には、「@渋谷」「@○○駅」のようなラベルも便利です。ただし、Todoistは特定の場所についたら、あるいは特定の場所から離れる時に鳴る「位置情報リマインダー」がありますので、特別な理由でもない限りは、ラベルを付けずに位置情報リマインダーを使うのがおすすめです。

タスクの実行に必要なMP(マインドポイント)を基準に一日の予定を立てる

私は歯医者が苦手なので、歯医者に行ったあとは疲れ切って何もできません。5分の簡単なタスクですら集中するのが困難な時すらあります。
タスクを実行できるかどうかは、時間や場所、道具だけでなく、疲れ具合、体調、静かさや暑さなどの快適さにもよります。

これを無視して、「よし、今日は寝るまで残り1時間あるから英語の勉強をしよう!」と思っても、たいていはうまくいかないでしょう。

「@超集中」「@ちょっと集中」あるいは「@MP100」「@MP10」、またた「@★★★」「@★★★★★」のようなラベルで整理し、早朝や深夜など集中できる時間に実行すると、仕事や勉強がはかどるでしょう。

自分に合わせたラベルを作る

GTDの本やブログ記事は、場所や所要時間のほかに、タスクに必要な道具などのコンテキストでタスクを整理することをすすめています。しかし、私は「ミーティング」、「オフライン」、「アウトソース」の3つのラベルしか使っていません。

ラベルは、自分のライフスタイル・仕事・タスクの数に合わせて、自分用に作るのがおすすめです。例えば、1000個のタスクから、今の自分の状況に合わせたタスクをひとつ選ぶのは大変ですが、そもそもタスクの数が少ないのであれば、ラベルで整理しなくても、目当てのタスクがすぐに見つかります。例えば、私のようにリモートワークならば、場所ラベルは不要です。例えば、ルーチンタスクが多いなら、ルーチン以外のタスクを探せるように「@ルーチン」ラベルをつけるとよいでしょう。

複数のコンテキストを合わせて、ひとつのラベルを作るのも効果的です。例えば、短いタスクの多くはそこまで集中しなくてもできるものが多いので、わざわざ「@5分」「@MP10」と二つのタスクをつけずに、「お手軽タスク」というラベルを作るのもありです。「@オフラインのカフェで静かに執筆」「@音楽を聴きながら」「@一人のときに」のようなラベルもよいでしょう。

プロジェクトとラベルを両方使う方法

「GTD コンテキスト」「GTD リスト」で検索すると、「プロジェクトリスト、カレンダーリスト、連絡待ちリスト、「いつかやる」リスト」を作成すると書かれた記事がたくさんあります。

しかし、プロジェクトの中に、「連絡待ち」や「カレンダー」や「いつかやる」タスクが入ることもあります。例えば、仕事のプロジェクトだと「連絡待ち」、「上司の承認待ち」のことってたくさんありますよね。
その場合、Todoistでタスクをひとまとめにプロジェクトにまとめて、「連絡待ち」や「いつかやる」などのコンテキストはタスクにラベルをつけて管理します。

ラベルやフィルターをたくさん作ったり、タスクをこれでもかというほど細分化をしても、タスク管理が面倒になるだけです。
タスク管理は、「タスク管理にかかる時間」が「タスク管理をすることで節約できる時間」より小さくなければなりません。

自分の好みに合わせて、無理のないタスク管理をしましょう。

「レビュー」でタスク管理システムをメンテナンスする

部屋と同じで、どれだけきちんと『整理』しても、使っていくうちに、あなたがTodostに作ったタスク管理システムも散らかっていきます。
GTDの最後のステップ「レビュー」とは、タスク管理システムを常に最適な状態に維持するためのメンテナンスです。David Allen氏は、レビューのことを「成功の鍵」と呼んでいます。私もそう思います。GTDはよく考えられた仕組みですが、不完全な人間が運用しているので、必ず漏れがでてきます。例えば、終わったタスクをチェックし忘れたり、新しいタスクを追加し忘れたりなどのミスが起きるでしょう。

GTDのレビューは、毎日のレビュー、毎週のレビュー、毎月のレビューなど、頻度によってレビューする内容が違います。

レビューの基本は、収集、処理、整理を再び行うことです。例えば、書類を集めたり、友達との約束を書き出したり、プロジェクトの進捗を確認して他にやるべきことがないか確認したり、進捗に合わせて予定日を確認したり、頭の中にあるものインボックスに書き出したりなどです。

日次レビューでは、イレギュラーで生じた予定にの変化に合わせて、一日の始めに一日の予定を見直します。

週次レビューでは、プロジェクトやタスクの進捗を確認します。


とりあえず、今のところはここまで。当面は無料で公開しますが、そのうち有料にするかもしれません。

次回は、タスク管理の前段階となる「そもそも何をするか」という意思決定の話か、チームのタスク管理について書く予定です。


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