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小学生ランニングクラブの在り方

こんにちは!
今回は僕の経験を軸に「小学生ランニングクラブの在り方」について書いていこうと思います。

楽しんで走ることを第一に

結論から申し上げますと、小学生ランニングクラブにおいて一番大切にしてほしいことは結果は求めず、楽しんで走るということです。小学生の頃に結果を求めた指導を受け、練習を行うと成長期で身体が出来ていないため、中学以降成績が伸び悩んだり、故障を繰り返すリスクが高くなります。現在、陸上中長距離に問わず小学生スポーツ全国大会廃止案が話題になっていますが、僕自身は廃止にするべきだと考えていますし、アメリカを始めその他多くの国々は小学生スポーツ全国大会を禁止にしています。

なぜこのような考えに至ったのか。それは僕自身が間近でそのような酷い惨状を嫌というほど沢山見てきたからです。

成長期を妨げる練習法

僕が所属していたクラブチームは明石公園を拠点とする某ジュニアランニングクラブ(以下JRC)です。練習は火水土日の週4回、それ以外の日も練習するようにと義務付けられていました。その練習内容は到底楽しんでできるものではなく、結果のみを追い求める完全なスピード練習でした。
6年生終盤に行っていた練習メニューは以下の通りです。

火 500m上り坂(3′00″)×14+500mペースアップ(1′55″前後)
水 1190m(5′10″)×4+1190mペースアップ(3′55″前後)
土 6000mビルドアップ走(3000m12′24″/2000m7′44″/1000mペースアップ
  3′07″前後)
日 1235m(5′20″)×4 休憩10分 1235mタイムトライアル(3′55″前後)
               ※枠内のタイムは全て1周あたりのタイム

今改めて見ても小学生の行う練習メニューではないですね笑
これだけ追い込んでいた分、当時チームには僕を含めて同期に1500m4分台が6人おり、(4′29″、4′45″2人、4′48″←僕、4′52″、4′58″)上位平均タイムなら間違いなく全国でも上位に食い込んでいました。
当時は全員がこのような練習法や方針が正しいと思っていましたし、小学生時代から速くなくてはならないという風潮が萬栄していました。
しかし、この考えはわずか数か月で簡単に覆ることになります。

練習拠点だった剛の池周回コース
このパークハウスからバチバチに勝負し合うのが定番でした

小学生からの過度なトレーニングの弊害

6年生卒業と同時にJRCも卒部。
その後現在お世話になっている兵庫RC(当時は明石RC)に入部し、夏までは順調に伸び続けていきました。しかし、一時は兵庫県中1の1500mランキングで6位まで上がっていたのが9月末時点で12位まで下降。
上位のメンバーはなんと半分以上が中学生から陸上を始めた選手ばかりでした。

正直これにはショックを感じました。今から思えば当たり前の現象だったのですが小学校から毎日遊ぶ時間を削って練習してきたのに、たった数か月で簡単に追いつき追い越され、初めて「あんなに頑張って意味があったのかな?」と疑問を抱くようになりました。それもそのはず、同じJRCだった同期のメンバーが軒並み不調。一番速かった同期の選手はその後1年以上ベストを更新することができず、苦しんでいました。僕はその後10月の記録会で4′29″25を出し、結果6位でシーズンは終えれたものの、シーズンを通して考えさせられた1年となりました。

この経験から小学生からの過度なトレーニングは将来性を潰しかねないということを身をもって感じました。実際、それが原因で中学生以降伸び悩んでモチベーションを失い、早々と辞めてしまったメンバーをたくさん見てきました。その中にどれほど有望な逸材がいたかと思うと本当に今でも残念な気持ちになります。
このような被害が今後増えないためにも小学生の時は陸上に限らず、スポーツは楽しむことを第一に将来も続けたい、頑張りたいと感じさせるような指導を特に兵庫各々のJRCの指導者は意識していただきたいです。

我が人生に一片の悔い無し

ここまでの内容を見て岩﨑はJRCに入ったことを後悔しているなと思っている方は多いかもしれませんが、一切後悔など感じたことはありません。
理由は3つあります。

一つ目はかけがえのない友人に出会うことができたからです。
やり方が間違っていたとはいえ皆で切磋琢磨し、頑張れたことは一生の宝物です。そして、他のクラブチームのメンバーとも交流を深めることもでき、中学生以降もお互い小学生ランニングクラブ出身者として高め合うことができました。

JRC時代最強メンバー
約8年ぶりに全員集合し、楽しい時間を過ごせました

二つ目はコーチとの出会いです
僕がお世話になっているコーチと出会ったのはJRCに所属していたときです。会うことがなければ今の自分は確実にいないので、ある意味JRCが引き寄せてくれました。コーチには中学時代、毎週練習メニューを組んでくださり、JRC出身者が軒並み落ちていく中、コーチの練習メニューのお陰で僕は兵庫県の最前線で戦うことができました。今年からは兵庫に5年ぶりに帰ってきたことで、再び練習メニューを作成してもらうことに。コーチが考えた閾値トレーニングで良い結果を出すことができました。今でも会うたび勉強させていただいているので、これからも感謝の気持ちを忘れず、恩返しできればなと思います。

3つ目は自分に自信がついたことです。
陸上を始めるまでは、何の取柄もないおとなしい少年でしたが、JRCに入部して以降、速くなっていくにつれて自分に自信がつき、性格も強気になっていきました。強気になったことがいいのか悪いのかわかりませんが、自信がついたことで学校生活も楽しくなり、友達が増えていったので、これはJRCに入部したお陰かなと思います。

おわりに

今回の記事はこの辺で終わりにしようと思います。
僕のようなケースは奇跡的ですので、基本的には専門的に練習していない、遊び中心のクラブチームが一番いいと思います。
是非、参考にしてみてください。

次回は「関西創価高校に入学して良かったこと」です。
乞うご期待ください!

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