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ブダペスト世界陸上を見て感じたこと

こんにちは!
今回は先日行われたブダペスト世界陸上について、中長距離種目を中心に見て感じたことを書いていこうと思います。

やっぱり強かった欧州・欧米勢

今回のブダペスト世界陸上では、前回のオレゴン世界陸上同様に、男子中長距離種目において欧州・欧米勢の活躍が目立ちました。10000mやマラソンなどの距離の長いロング種目ではアフリカ勢が上位を独占し、実力を示しましたが、1500mや3000mSC、5000mなどの中距離寄りの種目では上位は欧州・欧米勢が独占しており、特に中距離の花形である1500mでは前回大会同様にアフリカ勢が表彰台に登れませんでした。現在ロング種目に欧州・欧米の選手はあまり取り組んでいないので、上位を占めることは少ないですが、本格的にロング種目に移行する選手が増えてくると、勢力図は変化するかもしれません。
男子に対して女子中長距離種目においては、アフリカ勢が上位を占めることが多かったですが、1500mでは非アフリカ勢が6人決勝に進出しているので、今後の動向に注目です。

男子1500m優勝のJ.カー
前回大会に引き続き、イギリス勢が制しました

5000m、10000mが中距離種目?

5000mと10000mはトラック種目において長距離種目ですが、世界陸上を見ていると中距離種目なのではと思ってしまいます。まず、ラストの上がり方が尋常ではありません。今回の男子5000mは前回大会に引き続き、ノルウェーのヤコブ・インゲブリクトセンが優勝し、史上4人目の連覇を達成しました。比較的中盤までスローペース気味だったので(世界レベルの話)、優勝タイム自体は13′11″30と際立った記録ではありませんでしたが、ラスト1000mは2′21″、ラスト1周は52″男子10000m3連覇を果たしたウガンダのジョシュア・チェプテゲイもほぼ同じタイムまで上がっており、短距離レベルのペースまで上がっています。ここまでくるともはや長距離種目とは思えないスピードです。実際、優勝したヤコブは1500mで今季世界ランク1位、世界陸上でも二大会連続銀メダルを獲得しているので、5000mや10000mで世界と勝負するには1500mの強化も必須だと今回のレースを見て感じました。

10000m3連覇を果たしたチェプテゲイ
5000m、10000mの世界記録保持者です

結果以上に感じる”世界との差”

今回の世界陸上で日本人選手は中長距離種目において男子3000m障害で三浦龍司選手、女子5000mで田中希望選手、女子10000mで廣中璃梨佳選手が入賞を果たしました。しかし、結果以上に実力差があるなとレースを見て感じざるを得ません。理由としては中盤まで先頭集団に付きながら勝負所のラストで引き離され、何とかゴールというレースが多かったからです。もちろん入賞されたことは凄いことですし、前回大会は入賞者がいなかったので、日本としては一歩前進した大会だったと思いますが、世界は今後更にスピード化することは間違いないので、海外勢の凄まじいスピード力に対応するために閾値トレーニングや速いペースでの練習が必要不可欠であり、今までのやり方だと通用しないだろうなと感じました。その中で今後個人的に注目していきたい日本人選手は男子5000mに2大会連続で出場した遠藤日向選手です。遠藤選手は高校時代ほとんど負けなしで、トラック種目で勝負したいとの思いから駅伝中心の大学に進学せず、実業団の道へ進み、今日まで5000m中心に取り組んできました。世界陸上は2大会連続で予選敗退に終わりましたが、スピード力は凄く、海外に進出し練習も行っているので、今後期待の大きい選手だと思います。
※閾値トレーニングについては下の記事を是非ご覧ください。

遠藤日向選手
5000mPBは日本歴代2位の13′10″69

おわりに

次回の大きな世界大会は来年に行われるパリ五輪なので、今回上位を占めた選手の動向や、日本人選手の世界における位置づけに変化があるのか注目しつつ、僕自身の練習も頑張っていこうと思います。

次回は「姫路選手権1500m」です。
乞うご期待ください!

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