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おうちでパンを焼き始めた理由

パン屋さんほど、実はパンの本質を理解していないかも?


僕は22歳の時、パン業界に入りました


それまでパンが身近にあったわけでもないし

いわゆる大手の袋入りのパンをおやつとして食べる事が大半の、完全なる御飯派

今から30年以上前のことなので、コンビニも和歌山では数も少なかったし、ほぼローソン一択

今のようにコンビニパンが流行をけん引するなんて想像もできなかった時代です


パンに関心はないし、自分で家でパンを焼いたことなんて、当然ありませんでした

だから、パン屋さんに就職して初めてパンを焼いたんです


つまり、商業としてのパン作りが、僕のスタートでした


そもそもが、パン屋さんになったのも不純な動機でしたし、

そこからもずいぶん長い間、パン屋としては非常に不真面目でした


それでも年数を重ねると、次第にパン作りには長けてくるわけで

技術的に高いものを作ることでまわりに自分の存在を認めてもらうことであったり、売れるものを作ることの面白さがモチベーションで


会社では、完全な分業制だったので、お客さんと接することは皆無でしたから

自分がパンを焼く動機として、パンの向こう側を想像することが無くて


だから、パンを焼く上で、何か強烈な強い想いがそこにはなかったなぁと


だけど、自分でお店を始めて、最初は会社にいた時とそう変わらない自分ではあったのですが

パンを作るだけではなくて、お客さんとも直接お話しする機会がどんどん増える中で


自分の焼くパンが、お客さんの暮らしの中で生きている事を実感するようになって

これまでに感じたことのないグッとくる想いを感じるようになりました


それと、娘が生まれて、

小さな両手で、僕らが焼いたパンをしっかりもって、

親に気を使ってなんだろうけど(笑)、美味しいって何度も伝えてくれる姿とか


娘は、生まれた時からずっと、焼きたてのパンが身近にある環境で育って

その成長にずっとパンが当たり前に存在してきたこと


そんな経験を経て、自分の中で明らかにパンとの関係性は変わっていったんです


だけど、ルーツっていうか

自分の中でパンの根っこの部分が、スカスカじゃない?って考えが日増しに強くなって


なんだか、強烈に自分に薄っぺらさを感じるようになったんですよね


そこで、昔ながらのパン作りを学びたいって思うようになり


昨夏のクラウドファンディングの記事にも書いたように、

自家培養の酵母を使ったり、麦を挽いて製粉したり、ミキサーを使わず手で捏ねるようになったりしだして

移転までして,今まさに、薪でパンを焼くことにチャレンジしようとしているわけです


それはそれで満足はしているけれど


そもそも、未だにパンを焼くことが商売になる前のパン作りを知らないままじゃんって、思い始めた


パンを焼くことを代行し始めたのがパン屋の始まりで

それまでは各家庭や集落でパン作りはされていたわけです


そこも知らなきゃ、そう思うようになって

今、自宅でパンを焼くことを学んでるとこ、です


で、そんな立ち位置ながら、この度おこがましくも、パンレッスンを企画したわけですが

参加してくださる方と一緒にパン作りをするなかで、お互いに得るものってたくさんあるように思ってます


お家でパンを焼くことってホント難しいです笑


極論、いや正直、同じ素材や技量であるならば、商業的な設備でパンを焼くことのほうがずっと簡単だと、僕は思いますし

今から言い訳かって思うかもですけど

仕上がりも、機能的な面のクオリティだけで言えば、間違いなく、プロの現場に軍配は上がると思います


だけど、商業的な施設で焼かれたパンにはないものが、そこにはあって


それこそが、パンの糧たる本質だと、いま、僕は思っています

いま、僕らは、学びの最中です 

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