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SNSは流しそうめん、サイトは個人経営の飲食店という話

私はオタク。これは、個人でやってる創作サイトの話です。

先日載せたこんな記事。

載せ始めました。

このnoteを読んでくださる方並びに最近のTwitterのフォロワー諸氏は茅原実里さんファンもしくは宇宙戦艦ファンの方々だと予想されますので「どうしたはゆたそ」と感じたと思います。ですよねー! 「お前本作るって言ってたじゃん」と内心思われている思います。ですよねー! 分かってる分かってる! ちょっとさ、サイトがあまりにもカラッポなので、ブツをある程度充実させとかないとって思って!

(真面目に言い訳しますと先日見つかった病気が引っかかっています。悪化させたくはないのですが、原稿制作のように細かい描画が必要な作業は目に強い負担がかかるものでして、休み休みPCに向かっています。ボチボチやっていますよ!)

流しそうめんの悲哀

よく言われることですが、個人サイトというものはSNSとは違い『流れない』ものです。

SNSは、画面を開けていれば自動的に情報が目に飛び込んでくる。そして目を離していたら画面から消えて追えなくなってしまう。そう、すなわち、流しそうめん。情報を受け取る側からしたら、その場に座ってるだけで、流れてきたそうめんを箸でキャッチして美味しく楽しく食べられるけど、離席していたら食べられません。その場に美味しいそうめんが流れていたことも分かりません。また、流れてくるそうめんは玉石混交です。揖保乃糸が常に流れてくるわけではなく、時には自分の好みではないそうめん(硬かったり……風味が悪かったり……)も流れてくるので、全部食べてたら食傷気味になってしまう。また、そうめんの味に詳しくなりすぎて、流れてくるそうめんを片っ端から批評する山岡士郎と海原雄山に化けてしまうかもしれない。

情報を発信する側から考えると、SNSってゆがいたそうめんを竹のレーンの上流から流すだけなのでラクチンですよね。でも「私の渾身のそうめん美味しくなかったかな……他の人のそうめんは食べてもらえてる気がするのに私のそうめんは誰にも受け取られてないかもしれない……ちくしょう、自慢のアルデンテなのに……」って悲しくなったりする。SNS疲れという言葉もあります。流しそうめんに常に参加してたら疲れますよそりゃ。

個人サイトはそれとは違い、言うならば個人の飲食店です。カフェ、喫茶店、レストラン、ラーメン屋、スナック、BAR、そういうお店。お客側は、自分のお腹のすいたタイミングで、自分でお店を探してのれんをくぐる必要があるお店。お気に入りの店を探さないといけない分手間なんだけど、自分の都合でぶらりと立ち寄れて必ず自分好みのごはんを食べられる場。時々新メニューが生まれてたり。店主の個性が現れてたり。

店主側も、店さえ開けていれば自分のごはんをお客さんに思う存分見てもらえる。作ったものが流れていかないので、「私のそうめん、美味しく食べてもらえず流れきっちゃったかもしれない!」なんて心配はないのです。店のメンテナンスは自分でしなければいけないんだけど、逆の言い方をすれば内装にとことんこだわれる。客層もコントロールできるので不慮の山岡士郎VS海原雄山も防げます。

良いことづくめよ個人サイト! めっちゃ良いのよ! もちろんSNSの良いところもガッツリあるので、併用するのが一番だと思う。SNSのみで作品を上げてる人は個人サイト制作にぜひトライしてほしいですね。

さて私のサイトですが、おかげさまでボチボチぶらぶら寄ってくれる方がいて、でもきっとそれはSNSの告知から飛んでくれてるもので、冒頭で言ったとおり最近の私のフォロワー諸氏は茅原実里さんファンもしくは宇宙戦艦ファンの方々だと予想されますので「なんだこれ……」となってしまっていると思います。各々、何言ってんのかわからん、もしくは、何中二病発症してるんだ、もしくは、何時代感オール無視したふんわり設定で書いてんだ、等。

というのも、うちのサイトで扱うギリシャ神話というものは、非常に有名なくせに周知の差がめッッッッッッちゃくちゃ大きいものだからです。ある人には絵本、ある人には音楽の時間に歌った「む~か~し~ギリシャ~の~イカロ~ス~は~」の歌。ある人は美術の資料集。ある人は聖闘士星矢や里中満智子の漫画。他にも、映画で見たとか、ゲームの元ネタとか。知名度だけは凄まじいんだけどその知識の深度がバラッバラなの。なのでどう呈示するのがベストなのかはいつも手探りです。そしてサイトに載せた(そしてこれから載せていく)SSはものの見事に説明ゼロの状態です。このSSは昔のギリシャ神話サイトからの再掲なんですがギリシャ神話のサイトにわざわざ検索して来る人は絶対『通』なので、だから解説は省きたいなって。でも今回来てくれてる方は多分違う。つまり「メニューを見て、知ってる食材だけど食べ方が分からない」「美味しさが分からない」「だから敬遠しました」という人がたっくさーーーーんいらっしゃると予想され、折角ご来店いただいたのに楽しんでもらえないまま去られるのは悲しいので、長々と前説を喋っておりましたが、

今日はそんなギリシャ神話を、なんと天ぷらにですね

材料

  • ギリシャ神話(各々でご準備ください)

  • A 小麦粉(れまで見聞きしてきたから知ってるリシャ神話の物語の粉)

  • A 卵(しくなーれ♡ジックかかれ♡速球でハートを打ち抜け♡)

  • A 冷水

本日天ぷらの具にするギリシャ神話という食材について

まずこのギリシャ神話なんですがもともとは非常に古い食材なんです。言うまでもなく原産地はエーゲ海らへんで時間をかけて世界各地に伝播していきました。日本にも伝来し、やたら馴染んだ感じですね。水と土が合ったんでしょうね。
ギリシャ神話は生食が可能ですが、現代の私達の味覚にとってはエグみとか飲み込みづらさを感じやすいんですね。そのエグみが美味いという人もいるんですが、そういう人はギリシャ神話を刺身にでもして食べればいいんです。岩波やちくまのね、文庫本をね、わさび醤油でツルッとね。これはこれで美味しい。
そしてギリシャ神話は他の料理の下地にもなっています。それはもう、聖書と並んで下地になっています。ありとあらゆるものの先祖であります。無意識に皆摂取しているのがギリシャ神話であります。

さあ、ギリシャ神話の天ぷら、作っていきましょう! お客さんはこっちのカウンターに、よく見えるところに座って座って!

Aを合わせて天ぷら衣を作る

まずは天ぷらの衣を作っていきましょう。衣の材料は小麦粉これまで見聞きしてきた昔から知ってるギリシャ神話の物語の粉楽しくなーれ♡マジックかかれ♡剛速球でハートを打ち抜け♡と冷水です。心を込めてぐっちょぐっちょと混ぜていきます。冷水は大事です、頭を冷やす用です。

ギリシャ神話の下ごしらえをする

前述のとおり、人によったらエグみを強く感じるので水にさらしてあく抜きをします。どこまでするかは料理人それぞれですが、私はある程度元の味を残したい派です。そして水から上げたらキッチンペーパーでしっかり水分を拭き取り、こんがらがってる筋を整え、少量の小麦粉これまで見聞きしてきた昔から知ってるギリシャ神話の物語の粉で軽く打ち粉をしましょう。そして天ぷら衣にひたひたと浸します。

揚げる

170°くらいの熱さに油を熱して、天ぷら衣をくぐらせたギリシャ神話を揚げていきます。あまりにも熱が強すぎるとパーンと弾けるし真っ黒こげになり形を成さないので気をつけてください。油の温度管理は大事です。

カリッと揚がってきたギリシャ神話は油を切ってお皿に盛りつけ、完成です!

実食

お分かりのとおり、この料理はひとりひとりの心の中にあるギリシャ神話がすべてのベースになっています。それらにねちょねちょした湿度と粘度が高めのペースト状の液体をなすりつけてアツい油でカラッと揚げたのが私のギリシャ神話の創作物です。ご理解いただけましたでしょうか。

そして「ひとりひとりの心の中にあるギリシャ神話」とサラッと言いましたが、「誰もが少しくらいは知ってる」という意味だけじゃなく「ギリシャ神話は多様な出来事を包括的に表現している」「誰にとってもギリシャ神話は『自分のための話』に成り得る」と私は考えています。

これから出てくるのは、シングルマザーの神だったり、精神を患っている神だったり、今を生きる私達にとってあまりにも身近な個性をもっているひと達です。サイトに来てくれれば彼らに出会える。長期的には、そんな場所を目指しています。

ごちそうさまでした

いつでもブラっと寄りつける、ネットの路地裏の小さなサイトです。やはりまだ作品数は少ないですが、『流れない』からこそ自分のペースでゆっくりと運営していきます。そして時々新しいメニューが増えているかもしれません。

どうぞ、お越しくださいね。


あ、天ぷらは、天つゆで食べるのが好きです。


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