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ゲーム「十三機兵防衛圏」感想

 一時期めちゃくちゃ話題になった「十三機兵防衛圏」。詰んでいたのをプレイしてみたら最初は困惑しましたがかなり面白く、これは話題になるな~!と思った感想です。

ジャンル:ドラマチックアドベンチャー
プレイ時間:37時間
媒体:Nintendo Switch


■ あらすじ

 公式のストーリーページは動画のみなのでそちらを引用します。

動画なんて面倒くせえ!と言う方のために私なりのあらすじも書いておきます。

 ある日、街は怪物に襲われた。
13人の主人公たちは街を守るために機兵と呼ばれるロボットに乗る。なぜ怪物は街を襲うのか、なぜ彼らは機兵に乗れるのか。「崩壊した未来」を防ぐため、時間移動をしながら彼らは真相にたどり着く。


■ SFファンタジー

 ジャンルは簡単に言えばSFファンタジー。ロボットに乗る少年少女、襲い掛かる怪物、時間旅行、組織。この辺が好きな人は刺さると思います。本作では「時間旅行」なるものをします。例えば1940年代から1980年代に行ったり戻ったりすることができるわけです。ただこれは選択がエンディングに関係する選択式でも、自由に探索系ではなく、テキストを読むADV形式です。


■ 群像劇

 主人公は13人。年代が異なる複数の主人公をそれぞれの視点で見て行くため、「今見ているのはどの時系列なのか」がとても分かりづらいです。「未来の時代ですでに起こっていること」や「過去に時間旅行してやろうとしてること」が視点によって前後したりするので、余計にストーリーの全容が把握し辛い。しかし、そこが本作の面白いポイントです。


■ ゲームシステム

 公式のゲームシステム画面が分かりやすいかも。

個人的にピックアップしたいポイントを書いていきます。

ADVと戦闘を完全にパート分け

 序盤(チュートリアル)はADVと戦闘をどちらも交互にやらないといけませんが、ここを終わると分かれます。
正確にはADV(追想編)、戦闘(崩壊編)、アーカイブ(究明編)の3つになります。なかなか珍しいシステム。
ただし完全に分かれてはいても、ADVも戦闘も両方やらなければ最後まで進めません。

©ATLUS ©SEGA

ADV

 主人公を選択して進めていくパート。一人だけを選んで最後まで進めるわけではなく、別の人のストーリーを〇〇まで進めるべし・戦闘をこの部分まで進めるべし等のロックがかかります。

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話が前後して別の人の話を見たり、戦闘をしたりするのでこれもストーリーが難解になる要因の1つでしょう。しかし、何度でも言いますが、それが面白いんです。
ADVでも若干操作(探索要素)が必要なADVですが、画面も可愛く面白くプレイできました。

ADV画面が可愛い

 イラストが可愛くて綺麗。セリフは吹き出しなしです。

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ADVチャートが便利

 ADVを進めるとこんな感じのチャートが見れます。チャートには分岐も存在し(分岐でエンディングが変わることはありません)、何をしていないかが分かりやすいのでチャートは大活躍していました。便利システムを用意してくれてありがとう、公式。

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クラウンドシンクシステム

 話を進めるとキーワードが追加され、そのキーワードについて考えたり、キーワードを使って話しかけたりできます。この時点でこの人に話しかけると話が分岐する、という仕様もあって面白かったです(最終的にはほぼすべて話を網羅します。エンディングが分岐するわけではありません)

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ボイスが豊富

 通常のボイス、特定キャラと話している時に別のキャラ同士が話しているボイス、考えるシステムで話しかけなかった時のボイス、話しかけた時のボイス等々、ボイスが豊富です。数が膨大すぎる。すごい。

アーカイブ

 ADVを進めたり戦闘を条件付きクリアすると特定ワードの解説を掲載してくれます。ほとんどは作中で語られていることばかりですが、たまに作中で語られていない解説をしてくれることがあります。解説助かる。

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戦闘

 タワーディフェンス系アクション。いつでも変えられる難易度と戦闘エリアを選び、戦闘に参加するメンバーを選んで戦闘開始です。

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 基本的な勝利条件は「敵を殲滅する」か、「2分間守り切る」こと。一部例外として「特定の敵を倒すこと」という条件もあります。
戦闘開始後、すぐにキャラクターの行動画面に移らないと敵がどんどん攻めてくるので最初は結構混乱するかもしれませんが、慣れると楽に倒せます。

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一応最後まで面白くプレイしましたが、戦闘だけで成立するほど魅力的かと問われればNOです。タワーディフェンス系ってほぼやったことないけど、ストーリーがないと面白くないな……。
難易度ノーマルですべてクリアしましたが、結構簡単でした。敵の種類やルールを覚えてれば難なくクリアできたと思います。まあ、忘れていたため特殊な敵が出てきた時は苦戦してました。バカ。

メニュー

 本作ではセーブ&ロードでしか使わないメニュー。いつでもどこでもできるので便利です。

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バックログ

 かなり丁寧!すばらしい! ADVでも戦闘時(戦闘時でも会話シーンがあります)でもバックログがあります。セリフを押せば音声も再生される。サポートが厚い。

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~~~~ネタバレするよ~~~~





■ ストーリー

 雑にまとめます。簡単に記載する都合上、嘘じゃないけど若干間違ってる部分もあります。

 2100年代、ある日「ダイモス」と呼ばれる機械怪獣が街を襲い始め、世界は崩壊した。生き残るため、その時代で生きていた彼らは「時間旅行」をして2060年代に機兵と呼ばれるロボットを使い対抗しようとするも敗退。時間旅行で強制転移をした結果、一人は2020年代に転移した。そして2020年代でも怪獣が襲ってきたため、たった一人で怪獣と戦い、やはり敗退してしまう。残る時代は1960年代と1980年代のみ。
1960年代では2100年代にいた人物が転移し、アメリカと戦うためという名目で機兵を作成していた。そしてパイロットを選抜し、1960年代でも同じくダイモスが現れたため機兵で対抗できるかと思いきや敗退。1960年代は崩壊した。
そして残る1980年代に様々な時代の生き残りが集まった。しかし1960年代が崩壊してなお影響を受けないことから、これは平行世界だと言うことがわかる。
 1980年代に集結した彼らはそれぞれの思惑で物事を進めていく。「この世界は世界崩壊後にループするため、記憶を特定エリアに保管しこの世界を一旦すべて終わらせようとしている者」「イージス作戦と呼ばれる、これ以上ループさせず機兵に乗れる限られた人数しか存在できない結末を選ぼうとしている者」「ダイモスを撃退させるために機兵に乗れる人員を増やし、今いる世界を守ろうとする者」。
話を進めていくにつれ、今いる世界が直径30kmしかない限られた世界なこと、平行世界だと思っていた世界はセクターと呼ばれる「過去の日本の風景を再現した世界」だと言うことが判明する。
地球はすでに滅んでおり、宇宙開拓された結果、15人の遺伝子を育成し、精神的にも育成するため仮想現実を作り、そこでみな生きていたのが今存在する世界だった。その世界で精神的に成熟する20歳になった時に目覚めることができる。ダイモスを撃退し、コンピュータに20歳になったと誤認させ、現実世界で彼らは目覚める。


■ クリア後

 クリア後に思ったこと。

ストーリーが難解

 一人の人物の視点しか見れず、さらにXX年代と言われるのも前後し、過去と未来がごっちゃになるのでさらに把握し辛くなります。難しい~!でも面白い。推測しながら進めると本当に面白いです。私は途中からメモを取り出しました。

まさか語られる年代が本当の年代ではなく、「その年代を模した日本の再現」だったのは驚かされました。あとすべて仮想空間だったこと。これも結構早い段階から疑ってましたが、本当に仮想空間だったのかという驚きと、この設定なら仮想空間もありだよなと思える説得力がとても良い。
ループするのも、記憶を保管できるのも、時間旅行時に存在が消失したように見える演出も、機兵に乗り込む時に裸なのも、全部納得できる。

AI

 仮想空間での出来事なのでモブはすべてAIだったという事実も重いですが、別のことがもっと重い。アーカイブを読んでいて驚いたのが「セクター0(ループ時に記憶を保管しておく場所)に記憶を保持させ次のループを移動すると”マザーコントロールが管理するAIとして再現される”」ことです。
つまり2周前の和泉十郎や森村千尋もAI! 井田も因幡もAI! BJもAI!
でもAIって言っても記憶も思考も当人の再現がされますからね、何を基準にして別人とするかなんてわからないもんね。たしかにそうなんだけどさ、でも重すぎなんだよな。

時系列はアーカイブで

 一応アーカイブで「すべて」を選べばすべてのイベントシーンが時系列順で見ることはできます。それは便利。でもやっぱ把握するの難しいんだよな~。メモ必須。

エンディング

 エンディングはハッピーエンドです。結構力業ハッピーエンドだったのが面白かったな。ダイモスから街を守り、ループを抜け出し、生きることができ、仮想空間にいるAIのみんなも救おうとする。バッドエンドが嫌いな方はご安心ください。安心安全の力業ハッピーエンド! そういうの好きです。

カップリング

 エンディング時の「絶対にカップリング成立させたるからな」の精神がすごい。別の人に横恋慕していた郷登先輩も、同じく横恋慕していた東雲先輩もカバーします。すでにAIと化してしまった彼らもすべてくっついたのでカップリングを一人も逃さないという精神が面白かったです。公式からの「全員くっつけ!これぞハッピーエンド!」という主張を受け取りました。

比治山くん

 プレイ中、焼きそばパンが食べたくなった原因の比治山くん。面白おかしいキャラでとっても良かったな~!オリジナル比治山も沖野くんと恋人関係だったので、一途っぷりを発揮してて素晴らしい。最後は沖野くんが押せ押せになってたのは意外でした。

2188年のことを知りたい

 人類滅亡時のことをもうちょっと知りたい。東雲はここでも井田に騙されてたようですが、一体どういう騙され方をしたのか!?ここでも井田は如月が好きで東雲に対しては適当に愛をささやいていたのか?めちゃくちゃ気になる。
あと森村博士と和泉十郎は結構年齢の開きがあるようだけど、その関係をもうちょっと見たい!
それに郷登は森村博士へ暗殺命令を出してはいたけど、どこかのタイミングで好意があったりしたんですか!?やはりオリジナルも顔は好みだったんですか!?



■ おまけ要素

戦闘エリア追加

 クリア後の要素1。しれっと戦闘パートに新しいエリアが追加されてました。しかし新たな話が見れるわけでもなく、ご褒美もなさそうで、少しやって即やめてしまいました。残念。

アーカイブ

 クリア後の要素2。アーカイブに色々足されています。ここまで丁寧にプレイしてきたなら100%になっていることでしょう。途中からももちろん読めますが、面倒だったのでクリア後に一気に読みました。

DL特典:シークレットファイル

 SwitchのDL特典。おまけとしてこれがついてました。設定資料集的なもの。個人的には鞍部の部屋の方が面白かった。

DL特典:鞍部の部屋

 こちらもSwitchのDL特典。ラフ画や作中で使用されたアニメ、未使用アニメ、その他諸々のゲームにハマった人ならこういうの欲しいよねを集めましたみたいなやつ。





■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は37時間。最初は登場人物の多さに困惑し、把握しづらいストーリーに面食らいましたが、最終的には楽しめました。ちゃんと把握できるようになれば面白くなる、良い塩梅のストーリーでした。プレイして良かった!

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