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【天皇賞(春)予想】真のステイヤーはステイヤーっぽい馬には負けない

どんなジャンルであっても、行きすぎはよくない。この世はなんとなく不安定で、上手にバランスをとって渡っていく世界。だから、ちょっとしたことで、崩れ、躓き、心身を乱す。世の中の天秤は時に大きく傾く。そのとき、自分の天秤はどう変化するのか。気をつけていないと、一緒になって大きく傾く。右に左にと世の中の移ろいに合わせて傾くと、必ず自分を失う。

そんな傾きのなかで、もっとも怖いことが神格化だ。ある対象を上げに上げて神のごとく扱う。果たしてそれは神なのか。そもそも神などいるのか。この国は歴史の中で宗教を形骸化した。つまり、神が曖昧な国だ。八百万の神がいると言われるが、それら神を神として心の中に留め置いている人はどれほどいるのか。曖昧な神の国だからか、神格化がわりとあちこちで起こる。みんな、神を欲しているのか。

競馬も同じ。リスペクトを持つまではいい。だが、その人が言うことが正しい、絶対だと信じてしまうのは行きすぎ。価値観そのものをある対象に預けてしまい、考えを共有すれば、いつか自分を失う。我々競馬ファンにとって、それは馬券につながる。信じるものは救ってもくれるが、裏切りもする。救いと裏切りが混在する世界こそ、現世の正体。競馬は世の中を映す鏡とはまさに。

天皇賞(春)は穴ばかり買い漁る私らしくない結論。◎テーオーロイヤル。3000m以上の強さは現役屈指。阪神大賞典は気分よく走り、さっさと抜け出した。本質2400m前後というステイヤーっぽい馬ばかりのなかで、テーオーロイヤルは真正ステイヤー。本物が勝たないと、天皇賞(春)は面白くない。菱田裕二、デビュー以来、最高のチャンスだ。これを逃せば、乗り替わりという文字が浮かぶ。大丈夫、テーオーロイヤルを信じればいい。対等に乗り、操ればいい。きっと、ライバルたちは何かしてくるだろう。そのとき、心を乱されることなく、テーオーロイヤルの競馬を表現できるか。今の菱田騎手なら、問題ない。逆に言えば、ライバルたちがなにもせず、自分の競馬に徹してくれるなら、余裕で勝てる。それだけの馬だ。これまでの騎手生活、色々あっただろう。それでもここまで続けてきた。今日が最高の日だ。その拳を夏のような空に突き上げよう。86年以降、前走阪神大賞典1着は35頭いて、12-3-9-11勝率は34.3%もある。1997年マヤノトップガン~2000年テイエムオペラオーまで4連勝。私はこの頃の競馬観に引っ張られがちではある。

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