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今年32歳だけどカナダへワーホリに行く

2023年、私は「実は年内で仕事を辞めて来年からワーホリに行くんだよね」と同じようなセリフで何人もの人に報告をした。

今年2024年の4月に32歳になる私。家族、上司、友達・・・多少の心配はされたものの「できるうちにやりたい事やった方がいいね!」「応援してる!」「楽しそう、羨ましい!」「外国人の彼氏できるかもね!?(これ特に多かったんだけどなぜ?)」など想像以上に好意的な反応が多く、英語や海外とそこまで距離が近い人生ではなかったから、反対されたり突然どうしたの?と奇怪な目で見られたり・・・といったネガティブな反応も想定していたので、正直ありがたかった。

そんな私が仕事を辞めてまで海外留学をするに至った経緯や思いなどを、忘れないうちにまとめておこうと思う。少し長くなるので流し読みでも良いから読んでもらえたら嬉しい。

1.決めた経緯

まず私の簡単な経歴をお伝えしておこう。

四大を卒業して看護師になったが2年で異業界へ転職。webメディアの記事を作る仕事を6年くらいしていた。地元は関東とはいえ田舎で、昔からとにかく街を出て東京一人暮らしが目標、それも20代半ばには実現する。20代後半からはじめた憧れの世田谷暮らしは居心地もよく、仕事も忙しかったけれど充実はしていて、あとはパートナーがいたら最高だな〜くらいの申し分のない生活だった。

(なのでワーホリ行きを決める際に“今の生活を手放すことへの抵抗”はあった。特に賃貸の家なんて一期一会だから「もう住めないのが寂しい」と1番悲しかった・・・!)

世田谷の空は狭いけど夕日も星も月も案外キレイ

しかし30歳になったとき、本当にこのまま日々を進めていって良いのかーー?とふと思う。今の生活に満足しているはずなのに何だかモヤモヤ。

そんな私に起こったある偶然、それは身近な友達の海外移住だ。正直これがなかったらワーホリ行きに辿り着いていたか怪しい。やはり人生はいろんな偶然が重なって必然になるのだとしみじみ思う。

詳しくは後述するが、私のバケットリストには元々「海外で暮らす」があったものの具体的には考えられていなかったから、最初はただただ羨ましい!と指を咥えて彼女の話を聞いているだけだった。

しかしお悩みモードだった30歳の私にふと彼女が言ったのだ、「まだワーホリ申請できるからとりあえず申請だけしちゃえば!?」と。・・・確かに、最悪行かなくも良いんだし、とりあえず申請だけするか!というところが全ての始まりだったのである。それが31歳になる3カ月前(申請期限の3カ月前)、本当にギリギリだった。

※世間一般に「ワーホリは30歳まで」と思われているからか、30歳を超えても行けるのかと驚かれることが多い。正確にいうと「30歳のうちにワーホリビザの申請をする」というルールで、さらに申請が通ったあと1年以内に渡航すればOKなので、実際“30歳を過ぎてもワーホリに行くことは可能”だ。(国ごとや年度ごとにルールが異なる場合もあるため、気になる方はその国の最新情報を参考にしてほしい)

2.私と海外

私の海外経験と英語経験はざっくりこんな感じ。

・中学生の時に1週間オーストラリアへ留学(ホームステイ)するが、特に印象に残る経験などはなく帰国
・母親が旅行好きのため海外旅行経験あり。英語でのやり取りは人任せかつ自分で計画を立てて行ったのは20代半ばの北欧のみ。もちろん一人海外の経験はなし
・英語の勉強は「センター試験まで」。TOEICなどは未経験
・英会話教室に通ったこともあるが途中で飽きてしまい続かず

英語の勉強は嫌いじゃないが、全く読めるようにならないセンター英語の長文、もはや存在が憎すぎる英単語帳(あれをピラピラめくって覚えろって無理ゲーすぎん???)、自主的に始めたのに続かなかった英会話教室・・・など、人並みに挫折の歴史があり、英語学習については「嫌いじゃないけど苦手」だと認識しているし、実際英会話スキルも初級中の初級でいわゆる「赤ちゃんレベル」というやつだ。

フィンランドへは一度旅行で訪れた。ヘルシンキの風景

そんな私に「海外暮らしをしてみたい」という思いが明確に芽生えたのは、20代半ばごろ。テレビで目にした「フィンランド人の暮らし」に衝撃を受けたことがきっかけだった。フィンランドは世界的にも経済水準が高い(当時は何かのランキングで1位だった)国にも関わらず、仕事は毎日定時に上がって家での家族との時間を大切にしているといった話で、充実した社会制度なども影響してか他国と比べ幸福度も高いのだそうーー。

日本人は残業や飲み会で帰りは夜遅いのにフィンランドほど経済水準も高くないし何より幸福度が低い・・・。どんな価値観で仕事や生活に取り組んだら、そんな理想的ともいえるライフワークバランスが実現できるのだろう?と疑問に思った。

その後もフィンランドに限らず、メディアや実際に訪れた人の話を通して欧米人やヨーロッパ人と日本人の違いについて聞く度に、もともとの自分がネガティブかつ細かいことが気になる性格などもあり、欧米人やヨーロッパ人の前向きな大雑把さ(!)やゴーイングマイウェイな価値観を自分の中に取り込みたいと考えるようになった。それこそ行った人の話を聞いたり、本や映画やメディアなどを通して知ることもできるが、私自身自分で経験したこと以外は「本当にそうなのか?」と疑ってしまうような性格なので、自分で実際に経験してみないとだな〜ということで「海外暮らしをしたい」がバケットリスト入りした訳だ。

30歳を超えてある日突然「海外で暮らしてみよう!」と思い付いた訳ではない・・・というのは分かっていただけただろうか。

3.なぜカナダにしたか

ワーホリビザを申請しようと決めたとき、実は第一希望はカナダではなくイギリスだった(フィンランドは?という話でいうと、英語圏が良かったのとフィンランドは一度旅行で行き“住みたい”とまではならなかったので候補からは除外していた)。

音楽やファッションなど自分の好きな物で溢れていて、なおかつ英語を始めとした“ありとあらゆるモノの本場”。本物志向が強いため、そんな誇り高き国イギリスこそ住んでみたい!!!と目をキラキラ輝かせたのも束の間、調べてみると「イギリスのYMSビザ(=ワーホリビザのようなもの)の申請は年に2回抽選式で2023年の第一回目は1月×日」とある。

げ、1回目終わってる。二回目は31歳の誕生日を迎えた後だから・・・・・・・・・なんと「申請する資格がない」涙!!!!!!!!!!

タイミング合わず悲しすぎ。とりあえずビール飲んで立ち直ろ・・・

なんとなんとなんと(涙)。決めるのがギリギリすぎたので仕方がないが、こんなことが(涙)。

そんなこんなで行き先は第二希望のカナダになったのだった。

ワーホリの定番といえばカナダ、オーストラリア、ニュージーランドあたりかと思うが、好きな女優さんがカナダ滞在時の様子を綴ったエッセイを読み気になっていた国だったこと、また自分の性格的にもビーチでワイワイ🇦🇺!というよりゆったり山をハイキング🏞️の方が性に合うことなど、いろんな点で自分に合いそうな国だなあと思いカナダを選んだ。また移民も多くLGBTQに対する理解が他国より進んでいるから、国籍性別問わず誰にでも寛容で暮らしやすい国というイメージも、カナダに惹かれた理由である。

ちなみに滞在する都市は、カフェに行ったりカルチャーに触れたりすることが好きなのでそういったスポットが多い、カナダで1番の都会といわれている(多分)トロントにした(カナダ留学といえばバンクーバーがとにかく定番、次点でトロントやモントリオールといった印象。モントリオールはフランス語も公用語らしく、トロントとは異なる雰囲気だろうから遊びに行ってみたい)。

4.「決断できてよかった」という話

フィンランドの特集を見たときからぼやぼやと留学を考えたりもしていていた。それなのになぜ決断が今になったかというと、「年齢的にラストチャ」というのもあるけれど、自分の中で以前からあった「留学するなら仕事など何かに繋げなければいけない」という固定概念が前ほど無くなったことが大きいように思う。

“留学という、金銭的にも時間的にも労力的にもかなりのコストを掛けた「対価」として得られるもの”を見つけた上で行かなければならないーーそんな考えに縛られていたのが中々踏み出せない要因だった。でも今は、海外に行く理由なんて「なんかかっこいいから」とか「いろんな世界を見てみたいから」とかそんなんで良いんだと思える。

中学の文法だけでもさらっておこうと昨年5月ごろに参考書を買ったがまだ終わっていない

とはいえ、大学就学時や2〜3年働いたのちに留学、その後その経験を活かして転職〜みたいな、サクサク留学を決断して実行して進んで来た人たち(彼らにも多少の葛藤はあるだろうけど)を羨ましいなと思うし、なんでこの歳でこんな決断をしてしまったんだろうと、何度も何度も思った。正直今でもしょっちゅう思う(笑)。

だけどもう今さら時間は戻せないし、リスクヘッジばかりしてなかなか決断できないという自分の性格も変えられない。それならいっそそんな自分を全力で受け止めて、私は私で進んでいこう。基本的にはそんな気持ちでやれている。

帰ってきてからのことは何も決めていない。先のことを考えすぎると目の前のことを大事にできなくなるとこの30年で痛いほど学んだから、考えるのを一旦辞めた自分のことも許したい。

2022年ごろの写真をなぜか載せてみる

最近アプリの整理をしている中で、2019年ごろに使っていたEvernote(メモアプリ)を見つけた。その時にフィンランド留学について調べてメモしていたものがあり、思っていた以上に熱心に調べていたんだな・・・と少しじんわり。今回しっかり決断ができたことで過去の自分の思いも無駄にならず、本当によかった。

留学前の準備や手続きの煩わしさに頭を悩ませる日々だったが、改めて書いてみて自分の思いを素直に掬い上げる心地良さを噛み締める。

渡航まであと8日。

スーツケースは23kg2個。1個はお金が追加でかかる


(ふと、三茶のバーで留学を決断した話をした際にマスターと初めて会う常連のお姉さんにえらい!!!!!すごい!!!!!かっけえっすわ!!!!!とたくさん褒めてもらったことを思い出した。深夜3時のできごと。このような印象的な“報告エピソード”はいくつかある気がするけど、それはまた追って。)

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