『医療×行動経済学』report!
今回は、オンライン上で2020年10月11日に開催された、
『医療×行動経済学』
セミナーの活動報告です!
勉強会の内容はもちろん、当日のレクチャーやパネルディスカッション、質問会の様子を一部お伝えしますので良ければ是非ご一読ください◎
1.今回のWebセミナーの概要と講師紹介
なぜあなたのICはうまくいかないのでしょうか…?
患者さんと意思決定を行う場面で、十分な情報提供をしたにも関わらず
などと、医療者からすると勧められない選択をされたことはありませんか?
今回のセミナーのテーマは医療と行動経済学についてです。
経済学と聞くとお金をイメージしそうですが、行動経済学とは
「人間の不合理な行動を分析する学問」のことを指します。
医療現場においても、患者と医療者のギャップを埋め、よりよい意思決定や行動変容を行うために、行動経済学は時に効果的となりえます。
今回講師を務めていただいたのは、
聖路加国際病院の循環器内科で勤務されていた経歴があり、現在は医療行動学についてペンシルバニア大学にて学ばれている水野 篤 先生!
行動経済学の基本的な概念や原理原則を含め、医療現場で行動経済学が生かされる場面についてご教授いただきました!
2当日のレクチャーの様子
今回のレクチャーでは、まず期待効用理論やプロスペクト理論といった、行動経済学を学ぶ上で重要な概念について教えていただきました。
医療現場や様々な分野で実践応用されている行動経済学ですが、その本質やそもそもの定義を理解しないままだと扱いきれない内容も多々あるので、
堅苦しい内容もあるがぜひ理解してほしいとお話しいただきました。
数学モデルや期待値、関数といった行動経済学の基本となる内容をとても分かりやすく教えていただき、参加者の方々のコメント欄では
わかりやすくて感動した…!
期待値が現実世界でどう生かされているのかやっとわかった…!
人間は合理的じゃないんだ…!
などのコメントであふれており、行動経済学の基本についての理解が深まったようでした!
行動経済学について学んだ後で、次は医療の現場でどのように応用されているかについて解説いただきました。
医療と行動経済学に関する研究や発表は多々ありますが、大きく分けると
●禁煙やワクチン接種といった一次予防
●内服アドヒアランスや処方行動といった二次予防
●Serious illness conversation
などがあります。
例えば
心筋梗塞患者さんに、再発予防目的の処方薬を内服内服してもらうにはどのように介入したらいいのか?
といった医療の問題に対して、金銭的に介入するのか、それとも社会的に介入するのか様々な介入方法を検討していきます。
インセンティブや参照点など、様々な行動経済学の基礎となる概念をとても具体的な内容をもとに解説いただき、参加者の方々の理解度もより深まったようでした。
大変濃厚な水野先生の前半部分のレクチャーを終えたあとは、
パネルディスカッションや質疑応答といった双方向性にコミュニケーションが取れる時間を作っていただきました。
●ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチとは?
●臨床現場での行動変容の促し方とは?
●倫理的インセンティブの具体例とは?
といった参加者のリアルタイムの質問に対して一つずつ丁寧に対応してくださりました。
今回のレクチャーでも、当HBDセミナーの特徴である『Comment Screen』を用いて、
講師と受講生の双方向性が生まれるような勉強会になるようHBDスタッフ一同お手伝いさせていただきました。
僕個人としては対面授業さながらのフィードバックを受けられる、
とてもアツいセミナーになったのではないかと感動していました!
3.参考文献ご紹介
今回の医療と行動経済学について興味を持たれた方は、セミナー内で水野先生よりご紹介いただいた参考文献のリンクを以下にお示ししますので、
興味がある方は是非手に取ってみてください!
今後もHBDでは、様々なテーマのセミナーを企画し開催させていただきますので、興味がある方は是非noteをフォローいただけると嬉しいです!
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