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優秀なハイレイヤー人財を育てるには何が必要か?シー・エル・エスの人財育成戦略

東京に拠点を置き、ハイレイヤーのエンジニアが多く所属するHCグループの事業会社シー・エル・エスでは、優秀な人財を育てることが企業としての成長につながると考えています。優秀な人財はどうやって育つのか、取締役の中田さんに話を聞きました。

株式会社CLSの中田取締役

チームを率いるマネージャーがカギ

当社の主力事業であるSESは準委任契約という形態で、「この期間に何人体制のチームをお願いします」というクライアントの要請に応えてエンジニアを派遣します。参画するプロジェクトは大型なものが多く、元請けとなった大手SIerがアプリケーションはこの会社、インフラはこの会社、と切り分けて発注をしていくんです。チームとして参画しますから、エンジニアを束ねるマネージャー(プロジェクトマネージャー=PM)には相応の実力が求められますが、このマネージャーを務められる人財は業界を見渡してもそう多くはありません。
経験値が絶対的に必要になるので、誰もがすぐになれるものではないんですね。それに、優秀な人であれば契約も長期間になりますから流動性も低い。優秀な人財が育つのを個々に任せるのではなく、会社として仕組み化しないと育たない層でもあるのです。

強固な体制作りが人材育成と会社の信頼に直結

では、どうやってマネージャーを育てるのかですが、優秀なマネージャーのいる体制の中で育成します。先ほどもお話したように、SESでは「体制(チーム)」として契約を結んでいますから、メンバー選定は当社の裁量となります。もちろん、契約した成果をきちんと上げるための体制作りが必須ですが、その中でエンジニアのキャリアプランや経験値も含めて次代のマネージャークラスを組み込むことで、エンジニアを育てていきます。
また、単純に一人ずつの契約ではなく体制としての契約のほうが、クライアントの要望に応えやすいという利点もあります。一人契約はエンジニアの力量がすべてで、クライアントの評価は個人に限定されます。一方、「体制(チーム)」契約の場合、このチームが一度信頼を勝ち取ると、「この会社に任せればいつも万全の体制を組織してくれる」という会社全体への信頼感につながります。ですので、契約更新はもちろん、もう1体制追加してほしい、別のシステム構築を依頼したいという要望にも応えられます。こうした実績を積み上げてきた結果、当社では10年以上お付き合いがあり、事業計画に沿った案件対応を相談される会社が何社もあります。長期契約の場合、クライアントの事業計画に沿ってこちらの体制も整えられるので、人材育成のロードマップも立てやすくなります。

マネージャークラスの育成は、受託開発への布石

最近では、エンドユーザー様と直接SES契約を結ぶケースも増えてきました。大手SIerの様なITのプロを介さず直接エンドユーザー様とやり取りするのは、エンジニアにとって相当なコミュニケーションスキルが求められます。こうした経験を積むと通常のケースより早くにスキルアップが可能ですし、会社としても収益性が上がるため、当社としては積極的に狙っていきたい領域です。
エンドユーザー様と直接契約の場合は、受託開発と契約形態が異なるだけで難易度としては受託開発に匹敵します。当社としては、SESでマネージャークラスを数多く育てることで、受託開発への取り組みがより容易になると考えています。受託開発は高収益ですが、その分リスクも高い。このリスクとは計画した通りにシステム構築が進まない、というものです。リスクを減らすには優秀なマネージャーが何人も必要となります。SESで安定的な収益を得ながら人材を育て、将来的には受託案件にもリスクの少ない状態で参画できる体力をつけたいと考えています。

エンジニアがステップアップできる環境作り

当社は基本的に中途採用しか行っていませんが、求めている人物像は、キャリアプランを明確に描ける方かどうかです。会社もエンジニアのスキルや人柄を見定めながら成長機会が見込める案件にアサインしていきます。エンジニア一人ひとりの将来像を会社と本人とで考えていく環境です。当社にハイレレイヤーエンジニアが多くいるのは、平均年齢が45歳とやや高いという実態もありますが、会社も個人もきちんと目的意識をもっているからこそだと自負しています。
近年では若手の採用も積極的に行っていて、経験値が積めるであろう案件にベテランと共に参画してもらっています。会社の事業展望とエンジニア個人のキャリアプランがマッチしたとき、大きな効果が生まれます。今後も、エンジニアの育成に力を注ぎ、会社としてもさらに成長していく戦略を描いています。