芋盤と骨盤2

君に「朝」が降る

前回noteでは、さくねんCDリリースされました、
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さん選曲の
ベストアルバム『芋盤』についてのことを、
申しあげましたが。こんかいは、もういっぽうの、
ピンクよりもう少し濃いかのようなマゼンタ色のジャケットの
『骨盤』をあらためて聴いて想ったことを申します。

『骨盤』の付属ブックレットでは、、

後藤曰く「ざっくり分けるとアジカンには芋っぽい曲と骨っぽい曲があり、『骨盤』にはどちらかと言えばダークで重厚な、内省と文学性を孕んだ曲が多い」。
(アルバム『骨盤』ブックレットより引用です。)

‥‥とのことでして。
後藤さん自ら描かれた「頭蓋骨」のイラストレーションと、
つよいマゼンタ色のジャケットによる妖しさが、
よりいっそう後藤さん仰る「ダーク」や「重厚」や「内省」を
あらわしているような気がするですが。

内容も、後藤さんおっしゃるように、
やはり、ダークで。。

『骨盤』は、
2006年リリースの3rdアルバム『ファンクラブ』1曲めの
『暗号のワルツ』より始まりまして。
その『ファンクラブ』というアルバムがさ、
そもそも、全編ダークな印象なのですが。
このあとにも『骨盤』は、
シングル『サイレン』などなどの重厚のような曲がつづき、
全15曲収録でのちょうどアルバム中盤では、
アルバム『ファンクラブ』ラスト2曲の
『月光』と『タイトロープ』が、
『ファンクラブ』とおなじ流れで収録されていて。

ぼくは、とくに『タイトロープ』という曲は、
当時のアジカンのライブで演奏されているのを聴き、
感動して、すきになったのですが。
でも、なんだか、この、、

『月光』→『タイトロープ』

‥‥という流れは、アルバム『ファンクラブ』のダークさが、
とくに現れているように感じられるし。
この『タイトロープ』における「ギリギリ救われる感」が、
ぼくはだいすきなんだけれどもぉ。
『骨盤』では、この『タイトロープ』の次に、
シングル『転がる岩、君に朝が降る』が流れて。この、

『月光』→『タイトロープ』→『転がる岩、君に朝が降る』

‥‥の流れが、ほんとうにすばらしい。

まさに、真っ暗闇のなかに、
すこし、光が射してきて、
そして、「朝」が降ってくる。みたいなイメージ。
ほんとうに、アルバム『ファンクラブ』のダークな感じから、
「抜ける」という感じがする。

ぼくは、『転がる岩、君に朝が降る』が収録されている、
4thアルバム『ワールド ワールド ワールド』、および、
ベストアルバム『BEST HIT AKG』での
2つの『転がる岩、君に朝が降る』よりも、
この『骨盤』での『転がる岩、君に朝が降る』の流れが、
いちばんすきだなあ。

『転がる岩、君に朝が降る』での「開かれる感覚」が、
いちばん感じられる。と申しあげますか。
いや、そうじゃあないな、ぎゃくにこの『骨盤』で
『転がる岩、君に朝が降る』を聴いたことで、
じつは、こういう曲だったんだあ!
って、あらためてなにか気がついたような感じがする。

『骨盤』での『転がる岩、君に朝が降る』の次の曲は、
ミニアルバム『未だ見ぬ明日に』の表題曲、
『未だ見ぬ明日に』という曲なのですが。
この曲、ぼくはリリースのころからだいすきで。
「希望」と「悲しさ」の曲ではありながら、でも、、

『月光』→『タイトロープ』→『転がる岩、君に朝が降る』→
『未だ見ぬ明日に』

‥‥という流れで聴けば、
すこしずつ、すこしずつ、オールライトの方向へと、
向かっているように感じられて。
それが、すてきだなあって感じたのよね。。。

‥‥とのように、アジカンのプレイリストアルバム
『芋盤』と『骨盤』をあらためて聴きながら、
アジカンの曲のことについて、
これまでは思っていなかった感覚を想ったの〜。

令和元年11月21日


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