芋盤と骨盤

壁に「yes.」って書いて

今はね、またあらためて、
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのプレイリストアルバム
『BEST HIT AKG Official Bootleg “IMO”』と、
『BEST HIT AKG Official Bootleg “HONE”』を、
聴いておったのですが。

このふたつのアルバムは、2012年、
アジカンのベストアルバム『BEST HIT AKG』が発売されたとき、
このベストの選曲に参加されなかった後藤さんがブログで、
ご自身の選んだプレイリストを発表しておられて。
そのプレイリストがさ、2018年、
2枚目のベストアルバム『BEST HIT AKG 2 (2012-2018)』
リリースのタイミングで、満をじして実盤化された。
という経緯があるのですが。

こう、また、あらためて聴いてみると、
『芋盤』も『骨盤』もどちらもよいなあ。って。

そして、まずはさ、
黄色いジャケットのほうの『芋盤』のことを
ブログ記そうとぞんじますが。

アルバム付属のブックレットでは、『芋盤』は、、、

喜多、山田、伊地知による選曲でASIAN KUNG-FU GENERATION初のベストアルバム『BEST HIT AKG』がリリースされたのが2012年のこと。CD1枚分の曲数では選び切れないからと後藤はあえて選曲に参加せず、代わりに当時のブログ上で自身がセレクトした架空のベスト盤2枚を発表。それが『芋盤』と『骨盤』だ。後藤曰く「ざっくり分けるとアジカンには芋っぽい曲と骨っぽい曲がある。『芋盤』は都会に出てきた田舎者が作りそうなパワーポップ」。
(アルバム『芋盤』ブックレットより引用です。)

【都会に出てきた田舎者が作りそうなパワーポップ】
と記されてございますが。
明るくって、キラキラしていて、まさに、
ジャケットの鮮やかなイエローのようなアルバムで。
デビューシングル『未来の破片』の
カップリング曲『エントランス』より始まり、シングルの
『ループ&ループ』『君という花』『迷子犬と雨のビート』や、
また、『アンダースタンド』や『海岸通り』等が
収録されておるですが。

聴きながら、ぼくはアルバムの終盤、
『イエス』→『白に染めろ』→『稲村ヶ崎ジェーン』
という流れがすばらしいなあと感じたの。

イエス 今なら ほら だって後ならないぜ
誰だって例外じゃないのに
亡霊が彷徨い出す時代になって泣いたって遅いだろう?
イエス 今を
そう君も
【イエス/ASIAN KUNG-FU GENERATION】
誰かが持った悪意にだって
名も知らない街の夜にだって
ひどく塞ぎ込んだ君とだって
繋がって続いているのだろう
そうだ
白く 白く塗ろう
【白に染めろ/ASIAN KUNG-FU GENERATION】
オノヨーコのような
そんな才女が壁に「yes.」って書いても
俺はジョンじゃないし
友人にポールとリンゴが居たっけな
だけどニックネームなんだな
欧米人じゃない
【稲村ヶ崎ジェーン/ASIAN KUNG-FU GENERATION】

ぼくは、でもね、
2010年リリースのアルバム『マジックディスク』収録の
『イエス』という曲がさ、どういう曲なのか?!
ってえのはまだあんまりわかってないんですが。

だけれども、この『芋盤』の流れで曲々を聴いてみれば、
たとえば、
『イエス』で【yes.】ということばを手に入れて、
『白に染めろ』で【壁】を白く塗り、その場所に、
『稲村ヶ崎ジェーン』で【yes.】ということばを記す。

‥‥というストーリーが浮かび上がってくる。
と申しあげますか。

ヨーコの作品で描かれていた "YES" という文字を観て、
ジョンが感銘を受けた。という逸話を、
ぼくも聞いたことあるのですが。

なんだか、
アジカンのプレイリストアルバム『芋盤』終盤での、
【yes.】という流れの「肯定感」がさ、あらためて、
よいなあと想ったのよね。

イエス 今は そう君も

令和元年11月20日


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