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農業を行うことを覚えた熊たちのこと。

先日、母とふたりでテレビを見ていて、
ニュースでね、ある街の住宅の敷地内で
熊が出現したという報道を聞きながら、
母は、熊、こわいね、と言った。
それでぼくは、ふと
思いついたことを話したんだった。

その思いついたことは、
人の住む市街地で熊が出現する、というのは、
熊の食べる餌が熊の住む山に
無いことが理由だと聞くけれども、ならば、
熊が農業をしたらよいじゃん、と。
つまり、熊は主には
どんぐりや果実などの植物を食べるらしいけど、
それらの植物を、熊自身が
育てて食べたらよいのではないか?
というふうなことを、ふと、思ったんだった。
とは言えども、熊は
農業はできなそうだから、
そんなことも起こり得ないと思うけれど、
でも、仮に、リアルにそう考えてみると
ちょっとかなりこわいようにも思えてくる。

農業を行うことを覚えた熊たちは、
どこで農業をするか? と言えば、
彼らの住んでいる山だとは思うのですが、
その山の土地も誰か人間が所有しているわけで。
その土地で熊が農業を始めてしまったら、
この熊は、人間の法律的に言えば
他人の土地に不法に侵入して家業を行っている。
でも、その土地を「所有する」というのは
人間の社会のルールであって、
熊には人間の法律は関係ないのだし、はたまた、
そうなってくると、熊たちも熊たちで
じぶんたちによって農業を行うことについての
法を作ろうとされるやもしらない。
(熊版の「墾田永年私財法」を制定される、とか。)
そして、さらには、じぶんたちの住む山だけでは
農業のスペースも足りないから、と言って、
農作の土地をさらに広げるために人間の住むエリアでも
熊たちが農業を始めようとしてしまうやもしらない。
そうなってしまえば、もう、土地をめぐって
人間と熊との争いともなるのだろう。

って考えてみるとね、
おそろしい、と思えてくる。

でも、もっとおそろしいと思えるのは、
現在の地球とは、あらゆる場所が
人間の考え出されたルールによって
成り立っていることかなあ。
人間の社会のルールによって、
その場所から追いやられてしまった動物も
たくさんいるやもしらない。

たとえば、国と国とをわける
「国境」というのもそのうちのひとつやもしらない。
それも、つまり、
私たちはこの場所で農作を始める、のごとく、
この土地は私の土地である、という考えが大きく広がりながら
「国」が生まれた、
というふうにも考えられるのかなあ?????

ぼくの住む市の市街地の場所でも、
先日、カモシカがあらわれたとのことでして、
野生動物、こわい、とも思うけれども。
野生動物には野生動物の困ったこともあるとも思うし、
そのあたりのこと、ぼくには
どう考えればよいのかわからない。

そもそも、かつて、人間たちは
どのようにして農耕を始められたのでしょう。

令和6年4月25日


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