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「ここ」だけでなく「そこ」へも「どこ」へも。

ビートルズの作品の中でどの曲がいちばん好きですか?
なんて問われたとしても、ぼくには
ぜんぜん答えられないけれども。
思い入れのある曲はたくさんあるともしても、
やっぱり「いちばん」というのは言えないな。
でも、とくに思い入れのある曲のひとつで申せば
『Here, There and Everywhere』です。

『Here, There and Everywhere』という曲は、
アルバム『Revolver』で収録されており、名義は
「レノン=マッカートニー」となっているけれども、
ポール・マッカートニーさんの制作とされていて、
歌とハーモニーの素敵な優しい曲と感じられるのですが。
ぼくは、とくに、頭の中の考えごとが
どうにもネガティブになってしまって、
つらくなっちゃった、というときには
この曲を聴いたり、物理的にもしくは精神的に
音楽を聴ける状態で無ければ、
心の中でこの歌のことを思い出しているの。

とは申しましても、ぼくはこの
『Here, There and Everywhere』という歌について、
はじめから大好き、というふうではなかった。
アルバムの中の曲でもあるし、
どちらかと言えばシンプルな演奏で、
つまり、どーんと派手な曲でもないから。

そんなこの曲が、じぶんにとって
大切な曲となったきっかけがございまして。
そのきっかけというのは、この曲のことを
谷川俊太郎さんがとある書籍の中でおっしゃっていて、
谷川さんのことばを読んだときあらためて聴いてみようと想い、
『Revolver』のCDを棚より取り出してきて、
聴きながら、素敵だなあ! と感じたのでした。

このとある書籍のことをあらためて調べてみますと、
谷川さんが読者の質問に答えられてゆく
『谷川俊太郎質問箱』という書籍なのでしたが。
谷川さんはこの書籍の中で、、
【一昨日は武満徹が好きだった
 ビートルズの「Here There and Everywhere」の
 ピアノソロを、CDで聴いていて涙ぐみましたが、】
(『谷川俊太郎質問箱』138頁より引用です。)
と書かれておりまして、あらためて書籍を見てみると
ビートルズのオリジナルの曲ではなくって、
音楽家の武満徹さんが好きだったこの曲のピアノソロ、
とのように記されてはいたのですが、ぼくはこの
谷川さんのことばを読んで以来、大事な曲となりました。

そう言えば、この
『Here, There and Everywhere』はね、
先日発売なされました
「ザ・ビートルズ 1962年〜1966年(2023エディション)」として、
ベストアルバム「赤盤」であたらしく収録されるようになったのは、
なんだかうれしかったあ。。。

歌も、演奏も、そして、英語は
よくわからないなりに歌詞も好きなのですが、
とくにこのタイトルが好きだなあ。
つまりはさ、
『Here, There and Everywhere』ということばの
「there」にも「everywhere」にも
「here」という語句が含まれていて、いわば、
「there(そこ)」も「everywhere(どこ)」も
「here(ここ)」である、みたいな?!
もしもそういうふうに思えたとすれば、
考えごとで行き詰まってしまったような頭の中でも、
「ここ」だけでなくって
「そこ」へも「どこ」へも「いたるところ」へも
思いを馳せることができるような気がしてきて、
この頭の中もすこし楽になってくる気がするのよね〜。

I will be there and everywhere
Here, there and everywhere♪

令和5年12月5日

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