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権力と和久さんのことば。

このごろ、じぶんの中でよく
考えていることのうちのひとつに
「権力」というのがありまして、つまり、
「権力とは何か?」って思ったりもするですが。

権力について考えようとするときに思い出されるのは、
平成9年放映のドラマ『踊る大捜査線』(第7話)で、
いかりや長介さん演じる「和久さん」が、
織田裕二さん演じる「青島さん」へと話していた
【正しいことをしたければ偉くなれ。】
ということばです。とは言えども、ぼくは、この
【正しいことをしたければ偉くなれ。】
と言われる和久さんのことばについて、
どういう意味なのか? ってえのは、
いまだきちんとは言えないのだけれども。
ドラマ『踊る大捜査線』での、この
【偉くなれ。】とは、つまり、
警察における「警視庁」のことで、
正しいことをしたいのならば、
和久さんや青島さんの所属する「湾岸署」から
「警視庁」へ行け、と、
和久さんは青島さんへ助言なされる。

今、あらためて考えてみると、
偉くなる、というのは、つまり
権力を持つことだと思うの。
権力を持てばじぶん自身のしたいことができる。
とくに、じぶん自身が考える
「正しいこと」をしたい、と思うのであれば。

そうとは言えども、たとえば
「正しいこと」というのも、
何が正しいのか? ってえのは、
一概に言えない部分もあるからむつかしい。
こちら側から見れば正しいことでも、
むこう側から見ると正しくないこともあるだろうし、
時代が変わるごとによって、これまでは
正しいとされていたことが、あるときから
正しくなくなることもあるんだろう。

それらをもろもろ合わせて、
じぶん自身の思う「正しいこと」を
したいようにしたい、と思うなばら、
偉くならなければできない。
と、そのようなふうとして
「和久さん」は言われていたのだろうかなあ。

権力とは、じぶん自身の
したいことをできる、のであれば、つまり、
「正しいこと」もできるし、かつ
「正しくないこと」もできる、
とは思うけど、たとえば、じぶん自身は
「正しい」と思っていても、世間的には
「正しくない」となってしまうような場合も、
ありうるようにも思えるから、むつかしい。
そして、また、当初は
【正しいことをしたければ偉くなれ。】
という動機で偉くなったとしても、
偉くなってからしばらくが経つことで
当初の考えより逸れてしまって、
「正しいこと」をするよりも、たとえば
お金を儲けることが優先的になってしまったり、
もしくは、その本人が立っている
「偉い」という立場に立ち続けることが
目的と成ることもありうる、って、
ぼくの想像としては思うのですが。

なんだか、なんにも偉くも権力も無いぼくが
ここまでを記してみて、けっこう
愚痴っぽい感じになってしまってるとも思うけど。
でも、やはり、「権力」って
ちょっと怖いなあ、とも感じられる。

2003年公開の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2
レインボーブリッジを封鎖せよ!』の終盤では、
【リーダーが優秀なら組織も悪くない。】
と青島さんが事件の被疑者たちへ述べるシーンがあって。
この被疑者たちは、かつて会社からリストラされた
元サラリーマンたちで構成されていて、
いわば、組織を憎んでいる。
そういう経歴を持つ被疑者たちへと、
青島さんはこう告げているのですが。
なんだか、この
青島さんのことばとは、和久さんの
【正しいことをしたければ偉くなれ。】
からのアンサー的なセリフのようにも思える。
つまりはさ、組織のリーダーが
「正しいこと」をしているならば、
組織のメンバーであることも悪くない。
そして、さらに言えば
「権力」というのも怖いものではない。

権力が無ければ、
できないこともある、
というのもわかるし、
そしてまた、そのような
権力によって世界は動いている。
それは、でも、いわば、
良くも悪くもとしか言えないやもしらない。

『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』にて、
柳葉敏郎さん演じる「室井さん」の言われていた
【捜査を立て直す!】の場面、好きだったなあ〜。

令和6年3月28日


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