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勤務時間とは一体何なのか?

4月から通勤経路が微妙に変わった。

これまで通勤で乗っていたバスが
減便になったため、
時差出勤をしている私の出勤時間に
5分ほど間に合わなくなってしまう。

バスの到着時間はどうしても
ブレてしまいがちなので
少し余裕を見て15分今の出勤時間を
ズラすことができないか総務人事に
相談してみた。

すると人事担当のSさんは露骨に嫌な顔をし、
次の2点を私に提案してきた。

①今の出勤時間に間に合う通勤経路に変更
②他の人と同じ出勤時間に変更

どうやら私の出勤時間を15分ほど変更することは
かなわないらしい。
理由は”管理工数が増えるから”である。

私はそもそも会社から自宅が遠く、
ラッシュ時に出勤すると通期時間が
異常なほど長くなるので、
コロナ禍に入る前から時差出勤を
取らせてもらっている。

他の人と比べると1時間半ほど早く出勤して
仕事をしているので、
個人的にはかなり効率がよく
満足している。

だが、今の出勤時間に間に合わせるためには
これまで乗っていた電車よりも
30分前に出る電車に変えなくてはならない。

今よりも30分前に家を出ても
家族は皆寝ているので
私がしんどいだけで大きな実害はない。

しかも、このルートに変えると会社にも早く着くので
ありがたいのだが、
最終のバス停から会社まで約20分の距離を
毎日歩かねばならないのだ。

今の時期のように気候の良い時なら
何ら問題ないだろう。

しかし、夏の暑い日や冬の寒い日、
そして天候が荒れている日に
その距離を毎日歩くのは明らかに辛い。

では通常通りの出勤時間にすればどうかというと、
これは帰宅する時間が明らかに遅くなる。

ラッシュ時になるとバスに乗っている時間が
今の倍以上に伸びてしまうので
通勤時間が長くなってしまうとともに、
そもそも終業時刻が遅くなるので
自宅に到着する時間は今よりも2時間近く
遅くなってしまうのだ。

この状況をまとめると

①は自分が早く出て、かつ歩かなくてはならな辛さ。
②は家族と過ごす時間が減る辛さ。

この2つの辛さのどちらかを
選ばなければならないということである。

そして、結局私は①を選ぶことにした。

今よりも30分早く起きて
そのまま朝時間をズラすことにしたのである。

毎日歩かなくてはならないのは辛いが、
それも運動のために取り入れたと思えばいい。

そう言い聞かせて4月からそのルートに
通勤経路を変更した。

今のところ大荒れの天候はないし、
幸い今は春なので気候もちょうどいいので
快適な通勤を送ることができている。

やはりこの選択は正しかったのだ。

そう自分に言い聞かせていたのだが、
私の中でどうにも一つ解せないことが
残っているのだ。

それは、”勤務時間とは何か?”ということである。

私が今回このような変更を余儀なくされたのは
元々はバスの大幅なダイヤ変更が原因だが、
そもそも勤務時間の管理をしていなければ
私はこんなことに悩まなくてもよかったはずである。

いうまでもなく、これまでよりも遅く来たのに
これまで通りの時間に帰るようなことは私はしない。

勤務時間を明確にするために
出退勤の打刻をすることは
残業を管理する上でも便利な仕組みなのであろう。

だが、私の様に会社貸与の携帯を持ち、
ラップトップを持ち帰っている人は
勤務時間外も電話やメールの対応を
当たり前のようにしている。

何なら家に帰ってからやり残した仕事を
やっていることもしばしばあるが、
それに対して何も言われたことはない。

勤務時間外は電話もメールも何もしないという
スタイルを貫くのも一つの選択肢だが、
時差出勤を取っていることで生じる
仕事のやりにくさを排除するために
電話やメールに対応することを私は選択している。

しかも、私は会社で休憩時間を
ほとんど取らずに仕事をしている。

食事も仕事をしながらとっているし、
唯一仕事の手を止めるのは
食後に歯磨きをするときぐらい。

かたや休憩時間でもないのに
タバコを吸いにいって喫煙所で話し込む人もいる。

勤務時間とは”会社にいる”時間であると定義するなら
理屈的にはわかるのだが、
会社にいたからと言って仕事をしない人もいれば
会社にいなくても仕事をする人がいるのは
何だかオカシイと思うのだ。

いつも記事を拝読させて頂いている
なんでもやってみる母さんは
8時間労働撲滅を訴えておられ、
午後から自由になるような働き方が
できないかと仰っている。

この考え方、スタイルはまさにこれからの時代
必要になってくるのではないかと思う。

私は時差出勤を採用することで
なんとかQOLを保っているが、
正直もっと時間に余裕が欲しいと思っているし、
睡眠時間が短いことも何とかしたい。

だが、”勤務時間=会社にいる時間”と考える限り
それは決して実現しないだろう。

もし自宅で一定時間仕事をしてから出勤して
自宅での仕事時間もカウントできるならば
私はいくらでも朝早く起きて仕事をする。

何なら早く帰りながらも通勤電車のなかで
仕事をし続けることも全く問題ないはずである。

会社にいるからと言って生産できるわけではない。
むしろ、会社にいながらも生産から逃げている人は
山ほど世の中にいるのである。

本来管理に目を向けるべきは前者ではなく、
後者なのではないだろうか。

日本の生産性が低いと言われて久しいが、
”勤務時間=会社にいる時間”と考え続ける限り
生産性が低いことはないだろう。

コロナ禍で皆が一度気が付いた
「働かないおじさん」について、
ちゃんと考えてみるべきときが
まさに今なのである。

会社のような組織がなかなか変化しないことは
これまでの経験で嫌というほどわかっているが、
私よりも下の世代にこのモヤモヤを引き継がないように
微力ながら戦っていきたいと思う。





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