見出し画像

ビールと最初のペンギン

先日つぶやき投稿でアップしたこの画像。


ヨーロッパから帰国する途中のトランジットで
訪れたタイの空港で飲んだビールの写真である。

この時タイ時間は午前6時過ぎ。

早朝と言われる部類の時間であったが
ヨーロッパからのフライトでタイに降り立ったので
私の体内時計はまだ夜中の1時。

別に体内時計は関係ないのだが、
次のフライトまでの時間もあるので
ビールを飲んでせっかくならタイの雰囲気を
味わいたいと思った。

そんな風に思っている時に出会ったのが
このビールを飲んだ店。

その店はレストランの横に併設された
バースペースのような店で、
高い椅子と丸テーブルがいくつか置かれており
食事というよりも珈琲やビールを軽く飲む人が
利用するような場所であった。

私が通りかかった時にはその店には
誰一人顧客はおらず、
「さすがに早朝やもんな」などと思ったのだが、
逆に誰もいないということは
余計な気を遣わなくてもいいということである。

しかも、ここは空港の中。
ぼったくりをするような変な店の可能性は極めて低い。

そう思い、ほぼ迷いレスで入店した。

ビールを頼み、席につきながら
noteやTwitter(X)に投稿していると、
ほどなくしてアジア系の方が入店し
ビールを頼んでいるのが聞こえた。

「あ、仲間がいた。」などと少し安堵していると、
そこから次々と人が入ってきて
あっという間に満席になったのである。

せっかくノンビリとビールを楽しめると
思っていたのに、
なぜか多くの人に囲まれてにぎやかな場所に
変化してしまった。

これは私が行った時間が
偶然人が少なかっただけであろうか。

そんな疑問が頭の中によぎったが、
時間は間違いなく早朝の6時過ぎである。

いくら乗り継ぎの人の多い空港と言えども
さすがにこんな時間にビールを飲む顧客が多いとも
思いにくい。

では一体なぜなのか。

これはあくまで私の推測であるが、
その答えは私がビールを飲んでいたからではないだろうか。

「お前にどれだけ影響力があるねん」
と思われた人もいるかもしれないが、
私に影響力があるという意味ではもちろんない。

その店はとてもオープンなスペースにあった店なので
通行している人からも見られてしまう環境であった。

そんな空間であるがゆえに、私と同じように
ビールを飲みたいと思いながら歩いている人は
その空間を見た時に「あれ、この店なら飲めるかも」と
思うであろう。

だが、そこに誰も人がいなかったら
多くの人は「もしかしたらこの時間はダメなのかもしれない」と
思ってしまうのではないだろうか。

実際、タイという国はお店で酒類を販売(提供)できる時間が
法律によってきめられている。

私が飲んだ店は空港のイミグレーションを
過ぎた場所だったので、
タイの法律が適応されないので問題ないのだろうが
当然この空港で通りがかる人はタイの事情を
知っている人が多いはずである。

なので、ビールを飲みたいけどこの店は無理だと
諦めて通り過ぎる人が多かった考えられる。

だが、そこに堂々とビールを飲んでいる
メガネの東洋人がいるとその認識が一気に変化する。

「あれ?この店飲めるんやん。なら入ろっと」

と考えて入店する人が一気に増えたと考えれば
理屈に合うのではないだろうか。

first penguin(最初のペンギン)という言葉があるが、
まさに私が最初のペンギンとして飛び込んだからこそ
多くの人も同じように飛び込んだのである。

世の中にはインフルエンサーと言われる人がいて、
その人たちに多くの人がフォローし、
影響を与え続けている。

これはとてもすごいことであるが、
こうなるためにはこのfirst penguinをうまく
使うことが大事なのであろう。

一人の強力な味方を作り、
その人が飛び込んでいく姿を周りに見せることで
「それなら俺も飛び込むか」と思わせることで
結果として爆発的な影響力を持つことができる。

何の影響力ももたない私でも小さな店の
売り上げに貢献できたように、
この力をうまく使えば色々なことに
活用できるような気がする。

そのためには自らがfirst penguinとなり、
新しいことにチャレンジする姿勢が
大事である。

今日はどんなチャレンジをしようか。

少なくとも朝からビールを飲むなどという
チャレンジではないことは言うまでもない。

ちなみにこの写真で飲んでいるビールは
Changビールというもので、
タイのビールの中ではシンハーに継いで
ポピュラーなものである。

タイのローカルに言わせると
他よりも少しアルコール度数が高いため、
経済的に酔えるビールだと言っていたが
空港で飲むとタイ国内では考えられない値段を
取られていた。

空港の中では不思議なぐらい金銭感覚が
マヒしてしまうのは一体なぜなのか。

新たな記事ネタを見つけた私が
パソコンの前で小さなガッツポーズをしたのは
ここだけの話である。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?