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組み合わせを楽しむゲーム

仕事柄化学物質の規制情報には
いつも目を光らせている。

今まで使えていたものが急に世の中で
悪者にされて使えなくなってしまう事例は
ここ数年でも多々目にしてきた。

最近、PFAS汚染という言葉を
よく耳にするようになったが、
そのPFASの仲間であるPFOAが2021年に
化審法で使用が規制されたことは
記憶に新しいところである。

また、大きな規制こそされていないが、
塩化ビニル(以下塩ビと記載)は
まさにその一つであろう。

塩ビ自体が塩素原子を含むため、
低温で燃焼させるとダイオキシンや
塩化水素(水溶物は塩酸)が発生すると
目の敵にされてきた。

また、塩ビを柔らかくするために添加する可塑剤が
発がん性を有していたり、環境ホルモンとして
体に影響する可能性が示唆され
ここ30年ぐらいずっと塩ビは嫌われている。

にもかかわらず塩ビが市場から無くならず、
いまだに多くの分野で使われているのは
その便利さ、有用さゆえに
上記の課題点を克服できるような代替品が
見つからないからであろう。

この塩ビの事例でもわかるように
仮に規制がされたとしても
その代替品を見つけるということは
とても難しいことなのである。

醤油を使わずに煮物を作れと言われれば
何で代替していいか想像がつかないであろう。

まさにそれと同じようなことが
起こってしまうので、
私達は情報のアンテナをたてて
仮に規制されたとしてもすぐに対処できる
準備を進めておかなくてはならない。

先日そんな規制関連の情報を見ていると
見慣れない言葉が表示されていた。

それは「カシューナッツ殻液」である。

明らかに業務に関係なさそうではあるが
アクセスしてみてみると、
どうやらカシューナッツを採取する際に
廃棄物として出てくる殻から得られる液が
牛(特に乳牛)のメタン排出を抑える効果があるらしく、
その摂取による牛乳などへの影響について
書かれているものであった。

結論としては問題ないようであったが、
私はこの組み合わせがとても面白いと思った。

まさかカシューナッツの殻も牛のお腹に
入って有益な働きをするとは
夢にも思わなかったであろうし、
牛も自分がそのようなものを食べるとは
思っていなかったであろう。

商品開発の仕事をしていると
よく0から何かを作りだすと
思われがちであるが、
結局私達がしていることは既存の何かと何かを
組み合わせることだけなのである。

そして、今回観たような話題は
世の中にまだまだ未知の組み合わせが
あることを教えてくれているようで
何だか見ているだけでワクワクしてくるのだ。

不思議なことに私達は日常生活を送っていると
世の中の事を多く知ったような気持ちに
なることがあるが、
実際私達が知っている世界など
鳥取砂丘からつかみ取った一握りの砂ほどの
割合に過ぎないのである。

私たちの人生もまさに
組み合わせの連続である。

対人関係は人と人との組み合わせであるし、
料理も食材と調味料、そして調理法の組み合わせ。
仕事は人と人、そして会社と会社の組み合わせ。

人生を楽しむコツとはまさに
いかに組み合わせを楽しむかでは
ないかと私は思うのだ。

自己啓発本を開けば
「行動しろ」という言葉が必ずでてくるが、
これはまさに「組み合わせろ」という言葉に
換言できるのではないだろうか。

昨日娘の初めての授業参観に行って、
4月から入学した学校で色んな組み合わせを
娘が楽しんでいる様子を見てきた。

今日は日曜日。
何と何をどんな組み合わせにしてみるか
楽しんでみたいと思う。

ちなみにこの記事を書くにあたり、
改めてカシューナッツ殻液について調べてみると、
カシューナッツは果肉に覆われていることを知った。

しかも、その果樹はカシューアップルと呼ばれ
リンゴのような芳香があって、
果物としても食べられるそうなのだ。

カシューナッツの木はウルシ科なので
同じウルシ科の植物であるマンゴーと
共通する部分もあるのか。

そんなことを考えていると食べてみたくて
たまらなくなってきた。

だが、逆に考えてみると
これだけたくさんカシューナッツが世の中に
出回っているのに、
カシューアップルを巷で見ないのは
それが美味しくないからかもしれない。
(恐らくタンニンが多いのであろう…)

それも自分で確かめてみないと何とも言えない。

家族が起きてきたらカシューアップル関連の商品を
探しにいってみてみる一日を提案してみようと思う。

却下されるに3000点。



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