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”内輪ノリ”を攻略せよ

私は対人関係が特段苦手というわけではない。

仕事で人とやり取りすることもできるし、
新しい業者の方とそつなく関係を築くことはできる。

しかし、それはあくまで仕事の話である。

いざ個人という立場に立つと
あまり対人関係が得意とは言えない。

昨日息子をサッカー教室に送りに行った時のこと、
年度初めということもあり、
監督から保護者に対して話があるということで息子を送った後に
その話を聞くためにグラウンド横で待っていた。

他の保護者の方は大半が母親で
父親で参加しているのは私を含め3人だけである。

私が会場に到着したのは約10分前。

まだ早いかと思い様子を見てみると
既に何人もの人が出てきていたので
私もそれに合わせて出ていくことにした。

すると、保護者同士でいくつかの島ができており、
それぞれの島で会話が繰り広げられていた。

何を話しているのかはわからないが、
旧知の仲のように楽しそうに歓談する女性たち。

私を含めた男性陣はどこにも入ることができず
少し離れた場所に立っていた。

そして定刻となり、監督の話が始まったので
近くに集まって話を聞く私たち。

20分ほどでその話が終わり
ようやく解散となったのだが、
どういうわけか皆帰る様子がない。

何の情報交換かはわからないが
再び島になって女性陣が群がって
話をし始めたのだ。

「え?まだ何かあるの?」
そんな疑問が出てくるものの、
どの島からもよそ者を受け付けないような
結界がはられているように見える。

すると私と同じように参加していた
お父さんが1人颯爽と帰っていったので
私もそれにしたがって帰ることにした。

内心監督の話を聞いたりするのは面倒だったので
ミッションが一つ終わり
スッキリした気持ちで帰路につくはずが
車のハンドルを握りながら
私はなんとも言えないモヤモヤ感に
浸っていた。

「まだ何かありましたっけ?」と
私から輪の中に言葉を投げかけるべきだったのかと
いう後悔があったからである。

過去からこんな経験は何度もあった。

試合の場などで親が集まると
既にそこには女性の塊ができていて
私はそこに全く入ることができず、
結局ほぼ無言で息子の試合を見守るだけ。

私が父親だからかはわからないが
誰も話しかけてはこないし、
何か決め事があっても、私から聞かない限り
決して私に意見を求められることがない。

かといって、私から聞くと
なんとなく腫れ物に触るように回答される。

私はこの状況がたまらなく苦手であるし、
その度にモヤモヤしてしまうのだ。

まだ息子が習い始めて時間が期間が浅いので
それは当然なのかもしれないが、
何となく、その輪の中に混ざれる気がしない。

この感覚は一体何なのかを考えてみると
学生時代に感じた感覚に似ている気がする。

中学、高校時代
普段の授業なら何ら問題ないのだが
遠足や修学旅行などのイベントになると
私はいつも何かわからない疎外感のようなものを
感じていた。

何だか自分たちだけの世界で盛り上がる
内輪ノリで他の人たちが集まってしまうからである。

何度も言うが私は別に対人関係が苦手ではない。

それなりに人に合わせて話もできるし
冗談を言い合うこともできる。

だが、私は自分の心を開くことが
うまくできないらしく、
他の人のように友人と密な関係になることが
できなかったのだ。

そして、それゆえに輪の中に入ることができず
形上その輪に入ったとしても
何となく距離感を保ったまま気まずい時間を
過ごすことになってしまう。

そんな思いを学生時代に何度もしてきたが
息子がサッカー教室に入ることで
その思いが20年ぶりぐらいにやってきた。

ある意味、これは20年ぶりに私にやってきた
リベンジの機会ではないだろうか。

この20年間、大学生として、そして社会人として
色々な経験をしてきた。

それなりに成長できたという自負はあるが、
そんな成長を活かして
このシチュエーションをモヤモヤせずに過ごせという
神からのミッションだと思えばいいのだ。

正直あの輪の中に入っていくのは
勇気がいるし、できることなら関わりたくないが
これを乗り越えれば自分には新たな成長が
待っているはずである。

そう信じて、来週の練習の際には
自ら輪に飛び込んでみようと思う。

子育ては本当に色んな成長の機会を
与えてくれるものである。





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