記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【映画感想】感想座談会【アリスとテレスのまぼろし工場】

はじめに

本座談会は某日に行われた友人たちの感想会を
HEAが文字起こしし、編集したものです。
岡田磨里作品などのネタバレを含みます。


登場人物

A:今回の主催。岡田磨里ファン。
B:房総半島が産んだ奇才。岡田磨里のオタク。
C:山に囲まれて育った。岡田磨里は『Selectorシリーズ』から。

本編

変な映画だった。

A:岡田磨里監督作品『アリスとテレスのまぼろし工場』あったわけですが
  皆さんいかがでしたか?

B:ご覧になられましたか。って

A:ご覧に、ご覧になられてなかったら困るけどね。

C:いや、良かったですね。『アリスとテレスのまぼろし工場』

A:良かったことで総意が取れているわけですね。我々に。

C:そうですね。

A:でも、なんか「いやー良かった、素晴らしかった!」っていうには
  もう少し複雑ですよね。話が。おそらく。

C:変、だからね。

A:何が変だ。

C:なんか話の筋が多かったのかな。なんだろう、あー・・。

C:うん、恋の話もやってるけど、なんか、なんかとっ散らかった印象が残ってる。

A:まぁ、そう。

A:何の話だったの?って言われた時に、
  恋の話だよとまとめて良いのかどうかがかなり分からない

C:なんか、生きるのは何かみたいな話の回答として、
  「恋なのか」みたいな書き方を一応しているはず?
  「恋」という衝動によって「生きる」事を実感しているみたいな。

A:生きるのは痛い事なんですか。なら・・なら、生まれるべきじゃなかった・・!

B:岡田はすみません。そう、あの、生産主義だから、ちょっと。
   
A:まぁ、そういう事でいいのかな。

B:そうですね。人間はね、泣きながら生まれてくるからね。つって。
  そもそも生まれるべきじゃないっつって。

B:どうして赤ん坊は泣いてるのかっつったら
  こんな悲劇溢れる世界に生まれてきちゃったから、泣いてるんだつってる人もいるかもしれませんけど。

B:いや、でも生きることは痛い事だからね、つって。
  そりゃ泣きますよつって。だって生きてんだもん。
  生きてるから泣くんですよつって。

B:で、全て押し通す女ですから。岡田磨里。

A:うん、そういう事か。

A:そもそもどうなの。2人はそこに同調できたの?

A:生産主義的というか。なんだ、何て言えばいいんだ。

A:「痛くても生きるんだよ。
   むしろ生きるって痛い事なんだよ。増えるって事なんだよ。」

C:なんか、痛くない生き方をしている時を思い出すと、
   あんまり生きてる感じはしなかったなという実感があるから。

A:なんか、いいね、それ。

B:まぁ痛くても辛くても生きていたいって
   思える瞬間があればいいですけどね。

A:あればいいですけどね。

C:痛いって、まぁ感情が動くっていう事として
   描かれていると思うんだけど。

A:うん

C:少なくとも、感情を動かさないように生きてる時のことを思い返すと、
   あんまり生きてた感じはしなかったなと思うから、
   そこら辺は同調できるかな。
   増えるかどうかは別として。

A:増えるかどうかは別として。

A:まぁ、そこをだからなんかこう・・。

A:これまでの、これまでの岡田磨里作品ってまとめ方は多分、
   だからそんなに、
   そんなにするべきではないような気もするんだけど、
   なんか基本は増える方に向かったじゃん。
   今回。そういう意味では外れてるよね。
   ちょっと増えない方向に舵切ったじゃん。主人公たちは。

A:増えないもん。そもそも、もう詰んでんのか、あれは。

C:そうだね。

B:そうですね。赤ちゃんは産まれません。
   ずっと臨月の状態で十数年経過しています。

A:いや、だから、まぁ、
   なんか筋がとっ散らかってるってそういう事なのか。

A:誰、誰の目的がとか、
   なんか誰の目標がとかいう時点でもうとっ散らかってるんだけど、
   なんかそれはそれとして、
  「やっぱり 痛くても生きるってことなんだよ、
   生きるってことは繋いでいくことなんだ。」
   みたいな話に行くかと思いきや、
   そういう世界に 本来いた子だけ押し返して、
   自分たちは止まったところで止まる、みたいなさ。

C:うん

A:もうそこから多分とっ散らかってんだ。

B:いつか製鉄所が煙を吐き出せなくなるその時まで止まり続ける。

C:こういう閉じ込められる系の話だとさ、
   最終的にそのー首謀者に対して働きかけて
   脱出するとかいう方向だと思うんだけど。
   そもそも 閉じ込められてるわけではなかったっていうか、
   コピーとしての生だった訳で。

A:うん。

C:その辺もね。なんかストレートな話ではない。

A:なん・・だろうね。

ゲームとの比較と、岡田磨里の性癖

A:アニメ。アニメ映画ってもうちょっとわかりやすかったよな、普通。
   みたいな感じはあるよね。
   なんかわかりづらさがやっぱりエロゲに近いんじゃないのこれ。
   なんか、なんだろ。

A:なんかその背景とか成り立ちとか仕組みがちゃんと説明されない
  「超自然的な閉ざされた街」みたいなのって、
  どっちかっていうとなんかすごい古いPCゲーの文脈な気がするんだ。

A:雰囲気。雰囲気一本で食ってた頃のああいうゲーム。

C:山の神の話も出てきたけど、別に本筋にはそこまで絡まなかったんで。

A:うん

C:多分こういう仕組みだろうって。
  話は 最終的におじいちゃんによってまとめられた。

B:うん、1番町が栄えていた段階で時間を取っておきたかった。
  神様が撮った写真の中に俺たちはいる。

A:ややこしいんだ。

A:回収され切らない、説明されきらない世界設定がある。
  みたいなところが、もう、そもそもなんか古いゲームっぽいんだよな。
  なんて言えばいい。

C:設定集とかがまだゲームで出てなかったような。

A:なんか、なんか勢いで、
   勢いでいい感じにされる感じ、と言えばいいのかな。難しいな。

A:そういう、そういうゲームがあった時期があるんだよ。

A:2000‥2006、7年とか。いや違うな。
   俺がやってるの多分コンシューマーだから
   またそれより多分前なんだけど。
   『最終試験クジラ』とかね。
   なんでか分からないけどクジラが浮いてる変な街みたいな。
   クジラが浮いてることとか、
   その街が変なことへの説明がないまま進んでいく。

A:ていうか『CROSS†CHANNEL』じゃないですか。みたいな。

A:現実に対してそうじゃない世界が作中にまた別個用意されて、
   なんか入れ子になってるみたいな・・のは。
   なんかそもそもPCゲームの文脈では。
   という気持ちは拭えないんですけど、どうなんですか。
   『マトリックス』なのか。
   もしかして。PCゲーの前に『マトリックス』なのか。

B:『ガラスの花と壊す世界』なのか。

A:まぁ、なのかもしれない。
   あーそうなんだよね。『最終試験クジラ』とかも、
   なんかこの、なんか明らかに現実とは言えないよな、この町は、
   みたいなところで、
   まーどのヒロインとくっつくかみたいな話だったと思うんだけど。

A:うん、なんか主人公が作り出した幻の世界で
   そこで生きていくみたいなルートもあってさ。

C:うんうん

A:なんか当時はいろんな読まれ方をしたんだろうけど。
   で、多分その後に、なんかその手の話が
   「いやいや、それはオタクの願望過ぎるでしょ」
   みたいな糾弾された時期も多分あったんだと思うんだけど、

A:なんかもはや今となっては、
   岡田磨里のパッションを組み合わせて混ぜ込まれると
   もう何の話だったのか分からなくされてて・・。

A:あれは一体・・
   「こんな止まった世界に立ち止まるなんてオタクの願望がよ」
   という話なのかどうかすら分からない。どうなんですか?

B:時が止まった世界でも生きていたいって、
   生きているって感じたいって、
   正宗君は言うから。

B:睦実ちゃんが最後にな、
   全身の細胞がつって、私もちゃんと生きてるって言ってるっつって、
   もう今死んでもいいっつって。

B:睦実ちゃんが感じてるあの「生きてる」がなぁ・・怖い。

A:うん、まぁややこしいよね。

B:生きてるかもしれないし、
   母親として娘を送り出した時の・・かもしれないし

A:なんかなぁ・・いちいち、何パターンかあるんだよ。

A:やっぱややこしいのか。

B:むーずかしい。普通に映画だけ見てると、
   ぬるっと自分確認票とか専門用語するっと出すじゃん。

A:あーまぁね。

A:確かに。どうなんだろうな。
   あの辺、モノローグで説明されてたらそれはそれでダルいのか。

C:提出されない自分確認票によって
   正宗の状況が可視化されるのは結構楽しい。

B:髪は肩ぐらい。よく女っぽいって言われるっつって。
   でも別に悪い気はしない。

A:あそこな。

B:別に男が好きなわけじゃないっつって。
   けど、好きな女もいないっつって。
   嫌いな奴ならいる。

A:いや、嫌いってのは好きって事なんだよ。

B:みんなの前で猫被ってるアイツが、自分を男とも思ってないアイツが、
   こっちを手玉に取ってっつって、下に見てっつって、
   からかってくるアイツがっつって。
   気になって気になって。それはねぇ(笑い)

C:笹倉が睦実の事を話してる時・・
  「ふん、お前はアイツの事を何も分かってない」って思ってる正宗君が。

A:それはぁ・・やっぱ思春期だねぇ。

B:あの佐上のおっちゃんに殴りかかった佐上睦実を見て、
   もう100年の恋が冷めちゃってる。
   女子アナじゃないなっつって、女子プロだっつって。
   レスラーだよっつって。

C:(笹倉が)押しに弱そうな所が好きっつってたよね。

B:押しに弱そうな所が好きっつって。でも全然そんなことない。
   気が強い。気が強くて潔癖症で几帳面で世話焼きで、
   数学が得意で・・。
   これ全部序盤の正宗君からの情報なんだよな。

B:好きじゃん。

A:なんか、ね。
   あらゆる振る舞いが佐上睦実が処女であることを示している
   みたいなすごい気持ち悪いこと書いてあって。

B:その情報は今はいらないんじゃっつって。

B:そう、そのーっつって。
   そのスクールソックスの履き具合で処女かどうか決めるのは
   どうだっつって。岡田っつって。

B:それ、今までのキャラクターにそれ適用していいのかと。

A:そう言われると難しい。

B:怖いよそれ。

A:いや、でもそうなんだよなぁ・・うーん。

B:岡田磨里の性癖がちょっと見えた。
   白いキッチリとしたスクールソックスは処女性の象徴。

A:なんかなんだろうね。こう、
   外から分け知り顔でそういうことを言い出すと、なんかお前・・
   もう、何年遅れの精神分析をやってんだよみたいな話になるけど、
   いざ本人に書かれると、
   なんかこちらとしても何も言いようがないよね。
   ああ、そう言われるのでしたら、みたいな。

B:あんた程の先生がそう言うんだったらっつって。

A:クリエイティブなものの難しさ、ここにあると思うんだよな、実際。
   実際に起きていることが、
   なんか精神分析の理屈でどうこうっていう話はまあさておいて、
   なんか作ってる側にその意識があったら突然そうなるから、
   やっぱり、やたら塔はそびえ立つしさ。

B:大きな塔が建設中だったりさ。

A:うん、なんかね。あんたがそう言うならってなっちゃうよね。

A:やっぱまぁよくよく考えてみると意味わかんないっていうか、
   なんか、必要以上にややこしくされてる部分があるけど、
   まぁまぁアニメ映画として面白かったからいいのか。みたいな。

B:好き。岡田磨里差っ引いても好きですね。

A:差っ引いたらあれどうなるんだよ。

B:岡田磨里っての差っ引いても、まぁ、うーん。
   いやスタッフ・・製作スタッフ中島みゆき以外
   全部シークレットで作られたとしても好き。
   好きと感じていたであろうと思うけど。

B:シークレットにされても多分感じとったかもしれないな。
   あの母と娘最終決戦で、母と娘も女と女なんだよなつって、
   これこれこれっつって こうなるんだよな。結局な。っつって
   後日岡田磨里ですってあのスタッフが解禁されたら、
   あ、そうっすかって言って、やっぱそうかだな。

A:娘も息子もどんな人間も最初に恋をするのは
   お母さんなんだよな、みたいな。
   なんか、半ば、我々専門家としても、
   まあちょっとその理論を全てに引用するのはまぁまぁ乱暴だよね、
   と思い始めている理屈を、なんか正面からぶつけられるとなんか、
   なかなかこう思うところがある。

A:そうなんだよな。精神分析的な理屈。
   別になんか実際の、実際の現場じゃなくて、
   コンテンツの方で再生産され続けてんだよね。あれ怖いよ。
   クリエイターの側にあるからさ、それが。

A:それに人間の、生きてる人間の、
   なんか苦しさとか全部それで説明すんのはちょっと厳しいかな。
   まぁ、そういう事もあるだろうと思ってたら、
   なんか全然、話作る側の人がそれだから、
   なんか全然、再生産してお出しされるの結構怖いんだよ。

B:あんた程、あんた程の人が言うなら。

A:外からな、勝手にアニメ見て
   あれは「ペニスのメタファー」って言ったら怒られるけど、
   本人が言う分にはなんかもうこっちも何も止められないからな。

B:これはペニスで、これは射精でっつって。
   母と娘は女と女でっつって。当たり前だよな。

A:あ、はい。

A:やっぱりこの、トンネル。トンネルに列車が突っ込んでって、
   ぶち込んでいくっていうのはそういうことなんだよなって言われたら、
   まぁ、はいってなるもんね。

B:本人が言うんだからいっかって。

A:進むんだから進むってそういうことよって言われたら、
   「分かりました!」って。

B:いや、世の中なんでもかんでもねっつってね。
   そんな生殖だとかペニスだとか暗喩なわけないじゃないですか。
   本人が言ってるから。しゃあない。
   岡田磨里ばっかりじゃないっつって。

A:そうなんだよな。

B:これは、これはペニスです。

A:これはペニスですって、言う人間だったら、
   やっぱりなんかね、出てく過程が、穴、ぶち破ってくことなのか。
   まあ、 もう、そう読まれても仕方ないですよね。
   という気持ちはあるし。

B:これまでの行いがあるからな。

A:いう、そういう意味ではわかりやすいんだよな、
   なんか、その、なんか、映像を見た時の、なんかな、
   なんのメタファーなのかみたいな、
   結構、その、いわゆる雑な表象で読む意味では、
   めちゃめちゃわかりやすいんだよ。

B:初手はストレートなんだけどな。

B:そっからなんかこんがらがって、着地地点が不明瞭だったりするから。

過去作との比較、母と子

A:なんかこれまでは基本、ねぇ。

A:こう、失恋が今いる場所から動くための
   大きなエネルギーになってた話が多いと思うんだけどさ。

C:うんうん。

A:そもそも監督作品が。
   『ここさけ』(『心が叫びたがってるんだ。』)も
   『空の青さ』(『空の青さを知る人よ』)も、まぁそうだし。

B:失恋もそうだし、そうだな。

B:『ここさけ』はちょっと変則的だけど、
   よくある妹のせいで
   「あんたがいたせいで、私はこの街から出ていけないの系お姉ちゃん」
   かと思いきや、そんなことなかったぜ。

A:『さよ朝』(『さよならの朝に約束の花をかざろう』)もなんか、
    親への性愛的な感情をどうするかみたいな話はちょっとあったよね。

B:あー、これから何年も経ってっつって、
   自分にも子供が、いよいよガキが出来てっつって。
   その中で再開したエリアルは・・。

B:マキアと再会してっつって、
   自分とマキアの関係をどう結論付けるかって、
   やっぱり母さんだったんだねって話を。

A:なんか失恋があって、そこからちゃんと他人と繋がって、
   まぁ増えていくじゃないけど
   そっちに繋がるってパターンが
   なんかちゃんと一貫してあると思うんだけど。

A:今回の例だとその先がどん詰まりなせいで、
   なんかネジれてるんだよな。

B:未来に行けるのはこの子だけ。

A:そうなんだよね。その先に行ったのは娘だけだとしてみれば、
   まぁ、全然違和感なく見えるんだけど。

B:そんぐらいやっぱどん詰まりにしないと、
   我が子の脳みそを破壊する母親は描けんか、今は。

A:でもそこはね、あると思うんだよね。
   あんまり、なんか社会反映論的な話したくないからさ、
   基本あれなんだけど、なんか少なくとも娘を捨てる母を今の時点で、
   許容させるにはあれしかなかったんじゃないかみたいな感じはする。
   なんか、ねぇ。

B:なんか理論上血縁関係はあるけれど、
   でも、別に腹痛めて生んだわけじゃない。
    
A:うんうん、そうそうそう

B:時間も中学生で止まってるし、それでも魂がつって、
   この子を自分の娘だとわかってしまう睦実ちゃん・・が。
   いや、でも、「正宗の心は私の物」っつって

A:だからなんかね、やっぱり
   「私は母である前に女だ」
   はなんかメッセージとしてすごい強いと思うんだけど。

A:ちゃんと、ちゃんと届くべき場所に、
   届くべき形で届いては欲しいんだけど。
   うん、やっぱ今の所はあのセッティングが
   ギリのきわきわだったのかなって感じはするんですよね。

A:なんか免罪はされるじゃんね。睦実の。

A:感覚的にはまー「捨てて良い」はおかしいけどさ。
   なんか目の前にいきなり現れた。
   まぁ恐らく自分の娘となるはずだったであろう子が
   突然湧いたぐらいの状況だからまぁね。

A:まぁ、まぁね。睦実の責任も多少免責されてる感じはするのだが。
   されているのでしょうか、本当に。

B:いやー。

A:母の責任みたいな話しだすともう同時に父の責任の話も出てくるから。

B:それ正宗君もちょっと向き合うべき問題でもあるわけ。
   娘さんですから。
   それ全部お母ちゃんがあずかり知らぬところで全部やっちゃったけど。

A:あの辺なぁ・・ややこいんだよ。

A:あと母と娘の話と言うにはあまりに別に母と娘ではないんだよな。
   ちゃんと考えれば

A:子供が子供を育てさせられるというにはちゃんと心内時間は過ぎてる。
   うん、なんなんですか?どっから切り分ければいいんですかその話は。

C:今その辺読んでたけど、神隠しから10年で、
   4歳ぐらいで・・多分3、4歳であの世界に行って10年育った。
   10年世話をしていた。

A:うん、そうなんだよな。もう、もうね。育てまくりじゃんねそれは。

A:いやぁなんか。
   映画を・・まずなんか映画そのものを見ようよ派だから、
   あんまりなんかこの映画が誰をエンパワーメントする
   みたいな話ではないような気がするんだけど、
   その視点で見たとしても、
   なんか一体誰をエンパワーメントしたいのか、
   すげえぐちゃぐちゃだよね。

A:もうセッティングが変すぎて。
   なんか突然、こう、まぁ、なんかあらぬ形で、
   なんか娘ができてしまうとか、子供が出来てしまう、
   そんな母親みたいな人をエンパワーメントしてるというには、
   あまりにややこしいし、

A:閉塞感の中にいる子供というには、
   それはそれであまりにセッティングはややこしいし。

A:何の映画だったんだい?
   「何の映画だったんだい」に尽きる気がするんだよ。

C:そうだね、私は生きるエネルギーを貰ったつもりでいるけど・・。

B:むーずいね。今作はね。

A:まぁでもなんか、何の・・「何の映画だったんだい度」で言うと
   『さよ朝』も見終わった後、結構何の映画だったんだいとは思ったね。

B:あーまぁなぁ。母と子の話だと思うけれど。
   大枠はもうちょっとシンプルに。違ぇよっつって。
   何を以って母親を母親とするのかっちゅう話だったとは思ったけど
   違う違う、血のつながりとか種族の差とかそんなん関係ないっつって。
   腹痛めたとか痛めてないとか関係ないっつって。

B:望む望まないも関係ないっつって、魂の形が母親を決めるんですよ。
   そういう事を昨日(『さよ朝』を)見て思いましたね。

A:はっはっは、いいね。

A:なんかね、あんま作者論みたいにしてもあれだけど、
   ま、ざっくり、なんか閉じた場所から出ていく事と、
   母、あるいはなんかそれに当たる存在と娘の葛藤と辺りが
   何か常にありますよね。

A:まぁなんかこの2つよりはなんか弱い気がするけどなんか、
   本音と嘘みたいなのはある気はするんだが。

B:噓つきの。

A:作者がこういう経験してたから
   こういう話を書いたみたいな話ではないんだろうけどさ。
   そんな、そういう単純な話ではないにせよ

B:岡田が、母親に対して思わんとしてることが
   ちょっとあるのはあるけど。
   ま、父親と母親に。

A:私の母はこの秩父という町に囚われていてみたいな。

A:難しいよ。母を知る事なのかな。やっぱ。

B:母を知り、父を知り、恋を知る。

A:そうか、『花咲くいろは』や。

B:親子三代大喧嘩や。

B:第一話で母親が、っつって。愛人と夜逃げしましたとか。

A:個人的なとっ散らかった話を、
   ある一定のフォーマットに乗せればしていいっていうのはあるよね。
   アニメ、アニメに限らない気がするんだけど。
   多分なんか・・エロゲ典型的にそうなんだよ。

A:あの、なんかそういうシーンがありさえすれば、
   なんか間の過程が結構めちゃくちゃでも
   許されるフォーマットだった時期があって。

A:なんか同じのがね、あっちにもあるらしいんだよ。
   日活ポルノみたいな。
   向こうも、こういうシーンがあれば、
   なんかガワが、ガワのストーリーが結構融通が利かせられる。

A:なんかその感じはするんだよな。
    なんかとりあえずエンタメみたいな感じに収まっていれば
    滅茶苦茶でもいいんじゃないかという。

A:『空の青さを』でさ、
   なんか、外に出ていく事の全面的な肯定じゃなくなったじゃん。

A:そこに居続ける人を、
   なんかこう支えるようなニュアンスもあそこで出だしたじゃん。

B:うん
  
A:やっぱり留まっていこうぜに帰ってきたのかな。ちゃんと出れたから。

B:『空の青さ』、割とUターンを肯定していて
   やっぱ若いから外を見たいってのはあるけれど、
   結局最後はここに戻ってくるんだって。

A:工場で働いている男どもはそういう書き方されてるもんね。

B:うん、別段、外自体には進学はするけど、結局帰ってきて、
   お父ちゃんは逃げたんだけど、
   大学からも逃げて、母ちゃんからも逃げて、
   でも、母ちゃん付いてきちゃって、正宗できちゃったっつって。
   おい親父!っつって

A:親父ィ!

B:その言い草はないだろうっつって。でもな、つって。
   でもお母ちゃんとは一緒にいて気が楽だしっつって。
   正宗も面白いやつだし。でも、こっからはもう逃げらんねぇんだ。

B:(正宗の父は)耐えきれんかった。

A:いやぁ・・難しいな。亡霊みたいな話は度々出してるなぁ。
   メンマがそうだ。

A:母・・母よ・・。

B:自分自身の願いでは無く、
   結局仁太の母ちゃんに頼まれたから居ただけで。

各人の評価、『アリスとテレス』はホラーか?

A:いやぁアリスとテレス・・どう、どう評価すればいいんだ。

A:なんかそういう5点満点付けなきゃいけないとしたらどうすんの?二人。

B:3点。

A・C:(笑い)

C:即答だった。

B:酷くはねぇけど、酷かねぇけど大手を振って勧められるもんでもねぇな。

A:3点っていうか1点と5点だろ。

B:まぁ、1点と5点が拮抗した結果、3になった。

A:Cは何点つけんの?

C:4点ぐらいは付くんじゃないかな。普通に人に薦めたい。

B:おぁ・・最大級の評価だ。
   
A:ふーん。

C:5点っていうと、やっぱとっ散らかり具合とかー色々あるから。

A:まぁね。いや、でもな、わかんねえな。
   もう、もう俺、ラストの工場の影のとこだけで
   5点ぐらいある気がするんだよな。もうわかんなくなってきた。

B:成人した五実もとい沙希が再訪問して、
   完全に寂れ切った見伏と廃墟となった製鉄所だけで、まぁ・・。

A:現実の製鉄所にイラスト書いたのは誰なん?

B:あれは濁されてます。
   あの後、なんか正宗があのー幻の町で描いた絵が
   現実に投影されてる説もある。

A:うん、まぁアニメ的だよね。
   あとは普通に現実の年取った正宗がって話だよね。

B:まぁそうですね。
   多分もうあの町を離れる時に描いたんじゃないかとも捉えられるし。

A:うん。

B:どっちとも・・どっちでもいいですみたいな感じだった気がする。
   どうだっけ。

A:うん、分からんではない。
   別にそこに関しては濁してもいいような気がする。

B:まぁ現実の正宗もあるのかな。

B:そう、あのー沙希が現実帰ってから紆余曲折あって
   春から美大通ってて、
   多分絵を教えたのは正宗だからタッチがすごい似てるんですよね。
   あの、なんだっけ。何周目かの特典の・・。

A:あーうんうん描いてる描いてる。もう正宗の絵なんだよな。ほぼ。

B:寄せ書きの所に更に追記修正じゃないけど、
   自分も書き込みをする沙希だから。タッチも似てるし。

B:大体(原作小説に)付箋貼り終わったけど、
  これを一枚ずつ引っぺがしていけば良かったシーンの箇条書きにはなる。

A:光・・。影の演出が良かったですねという気持ちはあり。

B:第五高炉のデザインは100点満点だと思う。

A:あーそれはね、分かる。

B:錆びた鉄としめ縄の組み合わせが僕ぁ好きだから。

C:いいね、あれは。

A:いやもう分かんねぇよ。
   でけぇ工場に列車とかあれされると、
   なんかもう頭の中『ファイナルファンタジーⅦ』になっちゃうからさ。
   もう、もう俺は、俺には正確に採点が出来ないもん。

C:もう『FFⅦ』を感じてしまうと。

A:うーん、感じてしまうともうダメだよね。
   あーもう、ありがとう!見伏ありがとう!みたいな。

A:それはあるね。でもなんかやっぱ基本動いてる人物とか乗り物とか、
   なんかその、影がすごい抑制的に描かれてたじゃん。
   止まった見伏の方は。

A:なんかそれに対してあの、夏の方は、
   ま、なんか日が出てるのもあるけど、
   やたらめったら影が動くみたいなさ、感じで描かれてたから、
   まあ、なんかそこはぱっと見わかりづらいけど、
   幻の見伏が、まあ、止まった世界なんだなっていうの、
   なんか描いてるんだなとは思うんだけど。

A:だからね、だからエンディングで動くと嬉しいんだな。影がな。

A:あそこ、あのシーン良い。

A:まぁなんか当人たちの思春期の・・
   厳密には思春期じゃないんだろうけど、
   なんか少年少女からすると、とんでもない状態で、
   とんでもない所に閉じ込められたみたいな話だけど、
  1個のノスタルジーとして考えると、
   なんか、その最高の時期に固定されたみたいな・・にも見えるよね。

C:永遠の繭期(*1)じゃん。

*1『TRUMPシリーズ』に登場する概念。
 同作の吸血種における思春期を指す。

A:まぁ、そうだよね。永遠の繭期説はあるんだよね。
   どうして永遠の繭期の良さが分からないんだ。
   つって騒いでる感じにも見えるんだよな宮司(佐上衛)は。

B:ドナテルロ(*2)・・。

*2『TRUMPシリーズ』の登場人物、「ティーチャー・ドナテルロ」

A:弱いんだよなアイツは・・。ドナテルロは強いのに。

B:え!?グスタフ(*3)が僕の事をなんだって!?

*3『TRUMPシリーズ』の登場人物、「ティーチャー・グスタフ」

A:うん、ちょっと、ちょっとドナテルロかもしんない。
   0.3ドナテルロくらいあるかも。

C:(笑い)0.3・・!

B:繭期・・「永遠なんていらないよ」

A:まぁ、永遠に停滞した話って、
   まぁ一般「永遠なんていらないよ」に行くのが半ば筋じゃん。

A:なんか、よく吹っ飛ばしたなって。

B:そもそも脱却する手段が無いっちゃ無い。

A:うん、なんかね、そのパターン、
   なんだかんだあんま見なかったなと思ってて。

B:そもそもここから出て行けない。

A:図らずも、なんか多様なあれというか、
   なんかまあ、永遠には生きられない人間は
   永遠を肯定しちゃいけないみたいなさ。
   なんかむしろ、むしろ、今生きていくことを肯定するべきだ、
   変わらない明日は嫌なんだ方式みたいな。

A:ま、自然と現状追認的にそっちに流れるけど、
   なんかまあ、でも、永遠に・・このまま変わらず生きるしかないなら、
   永遠に変わらず楽しく生きるしかないんじゃないですか、みたいな。
   なんかもう、もうお前は誰視点のなんなんだよ。みたいな。

A:そこ・・そこ素直にすごいと思った。

A:確かに言われてみれば、もう、もうなんか・・。
   でも、あそこでね、なんか 途中、一瞬、
   あの、いや、やっぱここって幻やったんや。
   いずれ滅びるしかないんや。
   みたいになった時になんか、
   まぁまぁ、まぁまぁ、町人たちもなんか衰弱してたのか、
   まあそれもしょうがないかみたいなさ、感じになってたじゃん。

C:「ルールが無いなら好き勝手に生きて良いよなァ!」っていう
   エネルギーがあの瞬間(あった)

A:終わるまでパーティしようぜ!

B:ノータイムで避難所で酒盛り始めてるから。

A:酒盛りぐらいで収まるのが大人という見方もまぁ出来るは出来る。

A:(アリスとテレスのまぼろし工場では)神様の基準とか
   感情が説明されないんだよな。
   まぁそれは確かにしなくてもいいんだけど。

B:あの感じでその説明され無さ。ちょっと『零 zero』を感じる。

A:うーん。怪異。怪異だよね。

B:怪異ですね。その土地の怪異です。
   何らかの拍子にその土地一帯の時間が止まった空間が形成されて、
   何をもって解除されるのか、
   なんでこれが起きたのかそもそも説明はされないけど、
   少なくともその事象が起こった時点での人間たちは
   対処できずに町に閉じ込められてる。
   外部からの人間をマレビトを引き込む必要があって
   始まるのが『零 zero』だから。

A:マレビトだけ帰ってって異界がそのままなのかなり面白いって。

C:(笑い)そうだね。

A:やっぱ構造が変なんだって。あれ。

B:やっぱ変だよ!

C:マレビトが無事に帰るうえで、世界が・・。
   まぁ良い方には変わっていったはずで。

A:だから異界が崩れる。異界崩壊譚みたいなフォーマットを辿りながら、
   なぜか異界も出てく側もwin-winみたいなの、すごい変な話になった。

B:『零 zero』はちゃんと解呪されるんだよ。
   解呪で異界が消滅して
   「気が付いたら元の場所に戻ってました」が『零 zero』なんで。
  (『アリスとテレスのまぼろし工場』では解呪)されてねぇんだよ!

A:いや、やっぱホラー。ホラーはかくあるべきだよね。

B:アリスとテレスは(解呪)されねぇんだ。
   ラスボスと・・そもそも怪異の原因が分かんねぇし、
   どうしようもねぇや。

C:英雄譚として構造を見てもちょっと変なんだよな。

A:いや、そうなんだよ。
   なんか既存のフォーマットにある程度乗りながら、なんか変なんだよ。
   うん。結果的にはなんか 三方良しみたいな感じだから。

B:チェンジリングでも(無いし)

A:変わらない世界の閉塞感を抱いていた
   少年少女たちは変わらないってのは気持ちの問題で、
   やっぱ変わっていけるんだなってわかったのでOK!

B:ヨシ!

A:(神隠しに遭った)子供もちょっとしばらくなんか
   教育を受けられなかった時期があるけど、
   やっぱり1番最初に大切な失恋と、
   その後ちゃんと自分を愛してくれる人たちのところに
   帰れてオッケーみたいな。

A:神様もなんか自分の作った居場所を
   いいねって言ってくれる人たちが増えてOKみたいなさ。
   何の話なんだよこれ。っていう。

A:ハッピーエンドではあるんだけどな。

C:うんハッピーエンドではある。確かに。

A:やっぱね、通常途中まで「ああ、こういうセッティングね」って
   思ったら、なんか普通の映画なら、
   この子がこう、現実に帰るまでを
   この止まった世界の人たちが後押しして、
   まあこの止まった世界の人たちは成仏というか、
   未来を託して消えていくんだろうなぁに、
   なんか筋が行くはずが。全然そんなことないからさ。

C:世界を維持する側と返したい側の対立みたいな。
   対立もしてないんだよな。

A:してないよな。厳密には。

C:宮司とは対立してるんだけど、
   「色ボケ爺(菊入時宗)」とは対立してない。

A:そうなんだよね。

C:難しい。まぁ世界を直されちゃうと隙間が生まれ無くなって
   (五実が)出られなくなるって意味では、ある種の対立はある。

A:あれに関してはあと1日2日遅らせてくれよって
   話し合いで済んでた話だしね。
   マジで対立になってないんだよな。

B:まぁー見伏、住民たちの倫理観が壊れない。

B:他媒体だったら『ミスト』とか
   『サイレントヒル』みたいになってもおかしくなかったけど。

A:うん。いや、まあ、ミストはね、パニックホラーはでも近いよね。
   なんかあれで、 なんか定期的に、
   もう普通の生活どころじゃなくなって、
   怪物が跋扈してるみたいになったら、まぁパニクるよな。それはな。

B:そうね『サイレントヒル』は
   まぁまぁ炭鉱事故によって時間が止められた町。

A:あ、そっか。そうだね。

C:炭鉱が燃え続けて。

B:燃え続けて。現実では完全にゴーストタウン。
   当時の住人たちは今もサイレントヒルから出れず・・閉じ込められて。

A:確かに。

C:で、見伏では宮司が最高権力者として君臨している。

B:君臨している。

C:そこに神の妻として、マレビトとしてやってきた少女を育てて・・。

B:大体『サイレントヒル』だったかもしれん。

C:『サイレントヒル』だったか。

B:ただ『サイレントヒル』と違って怪物はいないし、宮司が弱ぇって。

A:宮司の・・宮司の圧がマジでないんだよな。

B:ない。めっちゃ役者さん頑張ってたんだけど。
   いい演技するなぁこの人って。

A:いや、でも、あんなんなってからじゃあ、
   まぁ、俺たちはもういつ終わるかわかんねえけど、
  でもよく考えたら人生なんてそんなもんだから
   のびのびやろうやってなった後の、
   見伏にいるあの男の気持ちよ。
   大丈夫?あいつまともな扱いしてもらえる?あのおじさん。

C:一応信者の人が6人ぐらいいたから。

B:6人くらい・・(笑い)
   公民館でね。

C:あの世界が終わるって分かってから
   消えていった人たちのことを考えると、6人は結構多いんじゃない。

A:まぁね。まぁ確かに。

C:あの世界に最終的に残った人たち、
   どんだけ心が強いんだってところはあるな。

A:なんか見伏のセッティングすごいな。

A:なんだろ、『すずめの戸締り』とかも異界はちゃんと異界だったしな。
   異界のフォーマットに則ってんのに、なんか全然普通に中の生活が
   ちょっと前の日本くらいで変わってないのが
   なんか逆にキモイんだろうな。

B:『SIREN』かもしれん。

C:やっぱホラーのフォーマットに乗るんだ。

A:うん、(そういう)気はするよね。

A:やっぱ心折れたやつがなんか目、
   目が赤くなってゾンビ化とかだったら、ホラーだった。

A:全然「あ、ここが居場所だと感じられないんだね。」
   なんか、じゃあ割れて消去みたいな。
   一周回って見伏の神の慈悲を感じる処置だから。なんか難しいんだよ。
   
B:ちょっとましなゴッド・エネル(*4)

*4『ONE PIECE』の登場人物、「神・エネル」

A:『ちいかわ』かもしれん。

B:こうなっちゃったらもうねっつって、バシュって。

A:この町が好きなら、みんなここで暮らそうよみたいな。
   なんかな、無邪気な神様を感じるんだよ。なんか。

B:ひび割れたら、消えちゃう、ってコト!?

A:若干な、若干慈悲なんだよな。

B:そこまで強制はしない。
   見伏って栄えた町の全盛期のっていう大枠は神様の決定だけど、
   ここからいなくなりたいって人は止めない。

A:いや、慈悲深き神な気がしてくるから困るな。
    
B:TRUMP(*5)よりましかもしれん。

*5『TRUMPシリーズ』の登場人物、「TRUe of vaMP」
 作中吸血種にとっての神にあたる存在。

A:そうだね。

A:一旦ちょっとこのままだとみんな危ないんで、
   永遠をあげるので、あれだよね。
   なんかもうあの事故で見伏の全員が死んでましたで、
   それをあの瞬間に止めてるんであれば、本当に慈悲深き神だったよね。

A:全体が、なんか微妙。微妙だよな。
   なんか高炉の人が死んだ。
   死んだかもしんないけど、
   なんか全然、見伏全体の人間は生きてるから、
   まぁ、結果的には多重存在となります。みたいな。
   エラーを起こしてる。

C:現代の時間は未来へ進んでいる。

A:『君の名は』ぐらいのね。こう、あの爆発で全員死んでた方が、
   なんか話はスッキリしたかもしれない。

B:実際は全然、いや、製鉄所にいた人は死ぬけど、
   町そのものの生命としてはこの時点で途絶えるから。
   全盛期で保存しましょうねって。

A:まぁ確かに見伏って町はあれで死んじゃうもんね。

C:心臓(製鉄所)がね。

A:栄えてる田舎町じゃなくなっちゃうよね。
   もう人が出ていくしかない場所にはなる。

A:なんか全てが、全てがややこしいんだよな。やっぱ整理すると。
   死んでたらもっと話楽だったのに。
   全員死んでたら死んでたで話を動かすフックが無くなるんだよな。

B:五実ちゃんの存在が。

A:それこそ、なんだろうね。
   もう事情は分からないけど
   正宗と睦実以外が全滅するような事故だったと仮定して、
   とすればまぁ話は動かせる。

B:うーん。

A:それもそれで変だしな。まぁ妥当な所ではあったのか。
   やっぱ変だって。

A:なんか言ってみればモブキャラにもなんかその、
   今の自分の偽り・・亡霊としての人生を
   良しとするかどうかみたいな選択がほぼ全員に与えられたわけじゃん。
   で、多分良しとした人は残ってるし、
   まだ多分妊婦さんもまだ残ってるしさ、一応。
   
A:その先に、ちゃんと娘がいたんだと分かったから、
   今を受け入れられる。みたいな。
   と、思ったら、と思ったらどっかの母ちゃん消えてるしさ。
    
B:あれがなんか。
   いや、結局ね、産んだところで母親にはなれないんですよ。
  っていうのがこびりついてて嫌だ。岡田のその部分がこびりついて。

A:いや、なんか(目の前で消滅した母親が)自分を、
   まぁ、自分を煩わしく思ってたかはともかく、
   なんか自分と一緒にいるこの場所を良しと思わなかった。
   お母さんが消滅したのを間近で見たまま、
   知能というか、なんか体はそこまで発達せずとも、
   時間を経てその人生を噛みしめていく。
   あの子供、結構可哀そうじゃない。

B:あれじゃん、『さよ朝』。生まれて傍から引き離され、
   自分は親の顔も知らずに育った女の子。

A:なんか相当嫌じゃない。あれ。

B:嫌だね。

B:これは割とるう子さん(*6)のキャラだよ。
   自分の前で母親が消えた理由を時を越えて理解していく。

*6『Selectorシリーズ』の主人公「小湊るう子」

B:多分、あの子はあれ以降泣いたりワガママ言わなくなっていく。
   ワガママ言うと目の前から人が消えるから。
   その結果出来上がったのが小湊るう子さんだけど。

A:誰が育てんだろうね。あの子。

B:市役所か。

A:だからあの後なんかどれぐらい変化させていくかも分かんないしね。
   あの町がね。構造を。
   もうしっちゃかめっちゃかになるのかな。

B:子供に許されている権利が拡充される可能性はある。
   運転以外の飲酒喫煙とか、それこそ結婚制度とか。

A:あり得るよな。もう、もうめちゃくちゃな国が生まれる可能性がある。
   あるな。ちょっといいな。

B:すごいぞ。

B:いやー最悪正宗君も・・壊れちゃう時があるはず。

A:いやー、繭期だよな。

B:戻ってくる、戻ってくる。

A:大分、大分繭期だよな。

B:あ、でもソフィとかリリー(*7)と違って、周りの人がいるか。

*7『TRUMPシリーズ』の登場人物、
 「ソフィ・アンダーソン」と「リリー」

A:あの町であぶれて生きていくの苦しいだろうな。

B:あぶれてもなんとか・・消えたくなったら神機狼が食ってくれる。

A:優しい世界。

B:でも消えることは出来ない。
   いつまでもひび割れる事が出来ない存在が一番・・。

「ひび割れ」のルールとは

A:結局あれは、その、どうなったらひび割れて消えるの。

B:消えたくなった時じゃない?

A:消えたくなった時か。

C:パンフレットにはなんだっけ、
   「変わらないっていうルールを破ると消えてしまう」みたいな
   書き方がされてた。

A:うーん、ちょっとね。

C:それはちょっとあれだよね。

A:それで行くとかなりミスリードなんだよね。
   なんかこう、消される側・・。
   消される変化と消されない変化があることになる。

B:ま、変化してもいいけど、それにひび割れが伴わなければいいから、
   もう本人の問題でしょうね。

A:なんか、あらゆるルールが明文化されないんだよ。
   小説の方だと、なんか自殺だって書かれてたよね。

B:うーん、物理的なというか精神。

A:緩やかな自殺だみたいな。

A:ひび割れか・・。うーん。

B:まぁ園部とかは明確に
   失恋と恥ずかしさと変わっていくことが出来ない自分と。

C:見世物にされちゃった。

B:4ヒット5ヒットぐらいしている。

A:あれはちょっとかわいそうだった。

B:呪術廻戦の様にはいかんかった。

A:呪術廻戦・・なんだ、こう。
   生きてる実感とかそれ以前の状況に、危機に人を叩き込むことによって
   耐久試験をしてるからな。(呪術廻戦は)

A:ある意味、ある意味まぁ全体的に言ってしまえば
   なんか贅沢な悩みの映画だったよね。
   本人たちの主観としては切羽詰まってるしあれだけど。

A:よくよく考えると色んな心配がないまま、
   まぁまぁ悪くはない地元で老いることも無く
   永遠にどうぞって言われたら場合によっては悪くない感じもしてくる。

C:中学生で地元に閉じ込められるのは最悪だな。経験から言うと。

A:なんかその辺りの差だよね。なんかそれを最終的に、なんか・・ね。
   普通飛び出す方向でやるのに、なんかその中学生たち当人が、
   なんかこれもアリだぜみたいになって帰ってくの面白いよね。
   あれが、あれがアクロバティックだよな、と思った。

B:いや、告白が成功したからっつって、
   原は一緒にいる世界を維持しようとしながら
   爆速カーチェイスを繰り広げる中学生。

C:「原を信じるな!」

B:「五実泥棒!」っつって

A:誰が何を目指していて、誰が何の味方なんでしたっけ。これ。

B:ウチの連れがスマンっつって、
   (笹原が新田に)「犯人を説得しろお前」っつって。
   あれちょっと終盤感あって良かった。

A:終わりたい・・
   だから変化したイコールでアウトなんじゃないんだよな。

A:この状況が永遠に続くのは嫌だっていうマイナスの変化志向がなんか
   (見伏の神に)嗅ぎ付けられてる感じはするんだよな。
   なんか釣りして吹っ飛んでったおじいちゃんもなんか、
   なんか孫の写真だけが残されたという感じだったしね。

B:目の前でお母ちゃんが消えた子供。

A:あれはお母ちゃん・・お母ちゃんなんで。

B:いや、育児から解放される事が無いから。

A:まぁそれはあるよね。
   なんか1番手のかかる時期の子供のままずっとなのかっていうタイプの、
   その変化を求める気持ちは多分なんかマイナスな気がすんだよな。

A:「エレン・イェーガーポイント」(*8)じゃないけど、
   なんか「見伏の神様ポイント」を稼ぐ変化はOKだけど、
   マイナスの変化は処理されんだろうな。

*8『進撃の巨人』を理解するために作り出された概念。
 主人公「エレン」が共感できるかポイント。

C:見伏の写真(幻の世界)が良くなる変化はいいけど、
   悪くなる変化は処理される。

A:なんかその感じは。悪くなる変化を志向したら。
   まあ、それで言うとな、ラジオくん(仙波康成)が微妙なんだよな。
   変化を志向しながら、そうなれるって信じてないとか、
   なんかいろんな、
   いろんなネガティブ要素が取られてる気がするんだよな。

B:このままぐるぐるぐるぐると。

A:意味なくぐるぐると。

A:なんかここに留まり続けている事に
   意味を感じなくなるとやられんのかな。
   そんな一節はあった気がする。
   なんか最近めっちゃ神機狼いるよな。意味もねぇのに。
   なぁ、あれだな。意味なんて俺たちの方が無いよっつって

A:なんか、友達が死ぬくだりがあったから・・。
   今ここにいる事に意味が感じられなくなった奴から
   逝っていくんじゃない。

B:見伏の中をぐるぐるぐるぐる。意味無くぐるぐる。

A:「意味なんて俺たちの方が無いよ!出られない!」

B:出られない。何も意味が無いのに。

A:「こんなとこにいたって!」
   だから、なんかやっぱあれ、なんかいわゆる、
   なんか理不尽ではあるけど、感情がある神様っぽいんだよな。
   なんか。動きが。

A:今止まった見伏に意味を感じてくれるやつは生かすぜ。みたいな。
   みたいな神様なんですか、あれは。
   なんなんですか?

B:ちいかわにいそう。

A:なんか上位存在っぽいよね。

B:永遠に。だってこれが見伏の最高の所だったから。
   みんなに褒めてもらって、褒められて嬉しいからって。
   褒めてくれないならって。

A:見伏のレネゲイドビーイング(*9)みたいな感じだったのかな。

*9『ダブルクロス3rd』などに登場する生命体。
 生き物や道具、果ては概念を媒介に誕生するもの。

A:(仙波が消えたのは)夢・・夢があったけど、
   それはここじゃ叶わないから、
   こんなところに居たって意味がないと思ったのがトリガーなのかな。
   あれ。

A:だからもうここに居たって変わっていけるんだの子たちはOKになる。
   判定としてはそこだよね。
   やっぱ神様なのかな。

B:お父ちゃんは変わらなかったから、やっぱ逃げ癖はどうしても・・。
   逃げようとしても逃げらんなくてっつって。

A:父ちゃんのそれもあれだよね。ラジオ君の変奏だよね。
   なんか「俺の子は。ここに居続けたらなりたいものに成れない。
   意味が無い。」でやられてるかな。

B:正宗君は意味が無いから絵を・・
   絵を描くことが意味ないとは思わなかった。褒められたかった。

A:いやーそうなんだよな。

B:「許すも許さないもないよ」

A:「嬉しかった。」

B:「神様もお前(正宗)と一緒で嬉しかった。」

怒られる作家岡田磨里

A:でもなんか(この映画が)ちゃんと
   こんなメッセージ性ありえないですって、
   なんか怒られるとこまで届いてほしかった気持ちはあるんだよな。

A:誰も怒ってねぇじゃん。別に。それは、それはそれで悲しいよ。

B:ちょっと予告編見たツイフェミにちょっと嚙みつかれただけ。

A:一番悲しいじゃん。

B:一番悲しいっつって。予告編しか見られてないんだっつって。
   予告編で、でもあんだけ・・
   インパクトが起きてるかもしれないと思うと、ちょっと震えるね。

A:岡田磨里はなんかね。
   先鋭化した、「ネットカルチャーとしてのフェミニズム」に
  なんか怒られて然るべき作家だしね。
   彼女は。なんか少女に性風俗的な表象を当てまくるからね。
   なんなら『花咲くいろは』の時、若干怒られてた記憶あるよ、俺。
   まだまだ俺そんなにインターネット見てなかった時期だけどさ。

B:あのインチキ官能小説家が出る回とか。

A:そうそうそうそう。

A:なんか『千と千尋の神隠し』から言われてるけど、
   未成年の女の子を湯屋で勤めさせるが、
   なんかもう若干・・若干アレだしね。

B:「若干アレだろう」てなると
   (岡田磨里は)ブレーキを踏むのではなくアクセルを踏む。
   「そこで働く女の子たちを題材に官能小説を書くぜ」っていう
   おっちゃんが(『花咲くいろは』に)出てくる。まぁ怒られる。
   内容的にはアレだけど、あのーレズものだったけど。
   でも、怒られるだろう。それは。

A:なんか、こう・・常に怒られる火種を持ってる作家なんだよね。

B:いろはの序盤まぁ・・『千と千尋』のハードモード感。

A:やっぱねぇ。
   なんか『千と千尋の神隠し』『花咲くいろは』『若女将は小学生』は
   なんかこう、1個の点で結んで見る瞬間があるもんな、だって。
   どれが一番良かったかとかはさておき、まぁまぁまぁ

A:子供・・。子供と大人・・。

A:だから結構やっぱちゃんと岡田磨里という作家は、
   子供と大人の連続性にちゃんと目が行ってる人だなとは思うんだよね。

A:なんか逆にあの、子供にそういうことさせんなっていう話は、
   子供と大人の線引きがしっかり・・。
   まぁ良くも悪くもすごくはっきりつけてる人の物言いだからさ。

A:全然子供には性的な欲求はあるし、
   もう恋だってするし、性愛にだって興味持つし、
   そうだろ!?みたいな圧を岡田磨里から感じるから
   嫌いじゃないんだよ。

B:『荒ぶる季節の乙女どもよ。』

A:パンフレットに身も蓋もない事書いてて、
   「押せば行けんじゃないかみたいになるともっと好きになる。」
   みたいな。
   まぁ・・まぁねっていう。

A:結局そういう、ある意味なんか邪に思われるような気持ちから、
   人間の関係とか尊重し合いみたいに、
   譲り合いみたいに始まってくんじゃないですか
   みたいなヒューマニズムを岡田から感じるんだよね。
   そこは結構好きなんだよね。

A:なんかあの、ま、あんまり恋愛的なことに、
   なんかこう、経験がなかったり、その耐性がなかったり、
   ま、ちょっとある意味理想化したまま来ちゃった人とかがさ、
   結構なんかその、そういう、邪なあれじゃなくて、
   誠実なお付き合いをしたいみたいな話を言った時に、
   いや、そんなに人間の関係って、
   なんか誠実なフォーマットに則って進まないよみたいなこと
   あるじゃないですか。
   あるじゃないですかって言っていいのかわかんないけど、

B:人間はそもそも誠実な生き物じゃない。

A:うん、そうそうそう。いや、なんか全然ね。
   なんか初対面の人と距離感間違えてセクハラしちゃうとか、
   なんか別の問題なんだけど。
   とはいえなんか、その、誠実なお付き合いのために
   「正しいそのルートを通りたい」みたいな欲望って、
   相当無茶じゃん、なんか。

A:だからマッチングアプリは
   ダメなんですっていう時代じゃもう無いしさ。
   偶然通っていた喫茶店の店員さんと、みたいな方が
   なんかむしろ若干やばいみたいな空気になってきてるじゃん。
   なんかもはや。

A:その辺、なんか岡田麻里はなんかアニメでやってるにも関わらず、
   なんか妙なリアルを持ち込んでくるから、
   なんかそこは結構好きなんだよな。

A:やっぱアニメの可愛いヒロインですよってお出ししてからの、
   あ、じゃあこの、ちょっとスカしてるところはあるけど、
   自分を投影できるこの男の子とくっつくんだろうからなぁ・・
   からの、全然でかい野球部とくっつくみたいなさ、

A:なかなかそのインパクト取れないと思うんだよな。
   びっくりしたもんな。

B:『ここさけ』。

A:あなたとここで、
   お互いの想いをぶちまけあって結ばれ・・・・ないんだみたいな。
  そう・・そういう事もあるよねみたいな。

C:『ここさけ』、そう・・なるんだぁだったもんな。

A:いやあれ・・あれなんか・・分かんない。
   なんかそういう事を安直にリアルって言うのも
   なんか良くないんだけど、ある種のリアリティはあった。

B:野球部は漢気があるからな。
   ちょっと今からアイツに告ってくるっつって。

A:潔いよね。

B:潔すぎる。

A:『あの花』とかはね、ファンタジーしてた。
   けどもう『凪あす』(『凪のあすから』)も
   比較的そうだったんじゃないかな。
  「あっ結ばれないんだ。」

B:『人魚姫』ですからね。一応っつって。

A:変わらないまま、このままで居たいみたいなテーマは
   全然『凪あす』にもあった。

B:そうですね。1クール目と2クール目で時間も開きますしね。
    
B:なんか岡田は・・なんかそういう所があるのか。

A:『凪あす』も、そのキャラデザとこの世界観からそうなるんだ、
   みたいな。

A:どうしてそんなセッティングはファンタジーなのに
   人情の動き方はリアルなんですかね。みたいな。

B:一生そういうことをやってきた女だから。

B:何だったら、
   アリスとテレスが一般ラノベにしろ美少女コンテンツだったら、
   多分正宗君は当初睦実ちゃんの方が好きだったけど、
   全然五実ちゃんが好きになるルートもある。

A:うん。

B:もともと好きだった相手より
   ポッと出の突然現れた浮世離れした女の子に心惹かれて
   最終的に五実ちゃんとくっつくのもあったけど、
   全然そんなことはねぇんだ。

A:うーん。近親相姦(嘘)みたいになるの話ややこしいんだよな。マジ。

岡田磨里作品について

A:見るか。なんか岡田が脚本やった、なんか爆死したアニメ映画。
   なんだっけ。乙女ゲーみたいなやつ。

B:乙女ゲーみたいなやつ!?

A:なんだっけな。キミにだけ・・君にモテたいみたいな。
   誰も見てない。俺も見てない。

B:えぇ・・なにそれ?

A:脚本だけだったから・・
   そんなになんか大々的にやってなかったんじゃないかな。
   なんか俺、予告かなんかだけ見たんだよね。
   岡田磨里!岡田磨里脚本!みたいな(予告編)

B:なんかヨルシカの夏と亡霊のあれじゃないよね。違うよね。

A:それはなんかあれじゃないか。
   ヨルシカのアニメ映画と言えば、『泣きたい私は猫をかぶる』

C:これか?『君だけにモテたいんだ』(2019)

A:あ、なんかそんなヤツ。そうそうそう。
   見るからにつまんなそうで見なかったんだよね。

B:あぁ、『君だけにモテたいんだ』(2019)

C:評価:2

B:いや、全然、同時期に『空の青さを知る人よ』の仕事してるから、
   忙しかった。

A:どっかで予告だけ見たんだよな。

A:やっぱこういうちょっと願望寄りの事をやらせると
   上手くいかないのか。

B:あー。

A:ちょっとなんか所謂オタクっぽ過ぎるもんね。
   突然5人のイケメンが私の事を好きになるって。
   突然5人の美少女が俺の事を好きになるって。
   なんかあんまりファンタジーレベル変わんないもんね。

B:多対一っていうよりかは入り乱れてた方が得意そうではあるけど。

A:『泣きたい私は』も・・結構丸かったよ。
   あんま岡田磨里っぽくなかった。
   まぁうん。ちょっとぽかったかな。
   なんかファンタジーだからまぁまぁまぁ。

B:懐かしいな。このラインナップ。
   『true tears』もか。2018年。(wikipediaを見ながら)

A:あーなーっつ、『true tears』ですか。
   見直そうかな。めちゃくちゃオープニング好きなんだよね。

B:あー『とらドラ』、『黒執事』・・この辺(は脚本をやっている)。

A:(その辺は)合うよね。

A:『放浪息子』も確か全部やってんじゃなかったっけ。

B:『放浪息子』も全話・・ですね。うん。

A:全部やってっと、合うよね。

B:あの花全話・・あんま全話はやらない人だけど・・。そうか。
   『CANAAN』と『放浪息子』は全話・・。
   『ブラックロックシューター』も全話か。

C:ああ、『キズナイーバー』なんてあったな。
   内容全然覚えてないけど。

A:痛みの話じゃん。『キズナイーバー』。

C:『キズナイーバー』よりあっちの方が覚えてるんだよな。
   『迷家-マヨイガ-』。同時期にやってたやつ。

B:あれじゃん。加隈さんが荒ぶってる方と、久野美咲さんが失恋する方。
   分けてた気がする。

B:キズナイーバーの方が力が入ってた気がする。
   オープニングとエンディングの作詞もやってるから。

C:なんかアニメとしての出来は
   『キズナイーバー』の方が良かった印象なんだけど、
   印象に残ってるのは『迷家-マヨイガ-』かな。

A:これ、どっちも脱落してんな途中で。ちゃんと覚えてねぇや。

B:大丈夫です。僕もあんまり覚えてないです。

A:結構アニメを見るのに贅沢になってた時期だ。2016年って。

B:『迷家-マヨイガ-』と『キズナイーバー』やりながらガンダムだもん。
   とんだハードスケジュールだ。

A:本当だ。『オルフェンズ』
   (『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』)って8年前なんだ。

B:フェルン(*10)、それは嘘だよ。

A:(笑い)フリーレン様(*11)!

*10*11『葬送のフリーレン』の登場人物。
エルフで魔術の師である「フリーレン」とその弟子「フェルン」

B:そんなそんな、『鉄血』はまだまだ最近のガンダムでしょ。

A:ちょっと無理あるよね。

B:いえ、フリーレン様。なんなら水星の魔女
   (『機動戦士ガンダム 水星の魔女』)ももう一年経ってます。

A:嘘だよ。水星の魔女はまだ3ヵ月だよ。

A・B・C:(笑い)

B:『荒ぶる季節の乙女どもよ。』

A:なんかあれよね。
   思春期の女はそんなに綺麗じゃないというテーマが一貫してるよね。
   荒ぶるはなんか顕著だった気がする。

B:『荒ぶる』はやりすぎだぞ。

B:確かにっつって。昔からずっと好きなのは幼馴染だしっつって、
   付き合いたいのは幼馴染だけど、
   でも性的に興奮するのは違う女の人みたいなくだりで
   めっちゃ怒られる。ま、それは怒られる。

A:2次元キャラクターのトイレ映して臭いとはなかなか言わせないもんな。

A:なんかアニメっていうフォーマットで
   人間は実際綺麗じゃないみたいなことをやる、
   ある意味転倒した作家だよな。

A:なんか全然なんかもう願望充足のためだけに作られたような
   ヨイショアニメ見てるよりは、まぁ確かに好きなんだけどさ。

B:まぁ、時代にだんだん合わなくなってきてる。

A:自伝でも読むか。

C:『学校へ行けなかった私が

B:「あの花」「ここさけ」を書くまで』

A:読むか・・。え、ドラマやったの?それ。

B:前田敦子主演で、NHKで。

C:2018年か。

B:そこまでやった脚本家が監督やってなんでこけんねん。

A:なんかなー悔しいな。

B:悔しいよ。

A:力を手に入れるしかないよ。

C:インフルエンスの力を・・。

A:あの人に感想を書いてもらえばって枠になれば、お金にもなるし。

C:好きな作品に人も呼べるし。

A:やっぱそこじゃねぇかと思うんだよな。

A:なんかそこでねぇ。
   信念に悖る広報をしてはいけないとかはあるんだろうけど。

A:ここなんじゃねぇかな。どうなんすかね。

A:自分が素晴らしいものを作るのと同じぐらい
   大事な事な気がするんだが。

C:まぁ、今の時代ね、口コミが昔よりも影響力を持ってるだろうから。

A:その分やっぱステルスマーケティングは景品表示法違反になったしな。
   今年だっけ?

C:ついこの間じゃなかったかな。10月からだった気がする。

A:そうなるしかないかな。
   一緒に目指してくれないか。

C:目指すか。やることも無いしな。

A:やっぱ、なんか孤独にインターネットしたくないよね。

C:インターネットの荒波や、悪意や、
   その他もろもろに立ち向かうには、1人では・・やはり(厳しい)

A:それはね、ある。
   1人で受け止められる悪意の量をとうに超えていると思う。
   インターネット。
  こんなヤバいやついて、
   うわやっべぇって言いながら流すくらいのこう、アレがいるんだよ。

余談

佐上衛について

A:宮司の所もっと丁寧にやってくれたら
   もっと好きだったかもしんないな。

A:なんか変化をしないここが、
   最高のユートピアじゃんって言うんだったら、
   俺はあいつこそ真っ先に五実を送り返すべきだったと思うし、

B:(笑い)

A:ここに閉じ込めようはなんか色々、色々変だぞっていう、
   動機が、動機がやっぱ変なんだよ。
   もう来ちゃった以上、そこすら動かしたくないみたいな
   すごい消極的な形で見ればわからんではないんだけど。

B:実家の解釈としては・・。

C:まぁ、神が第一だったから、神の妻とするために
   この世界にとどまらせなければいけない(という理屈)。

A:なんか微妙なんだよ。
   なんかその分、ま、逆に場当たり的に動いてたのかな。
   という感じはする。

A:「知らない、現実っぽい子供が来ちゃった。
   怖い。いなくなってほしいけど、もう出てきてしまった以上、
   いなくならせてなんかあんのも怖い。だから閉じ込めとくしかない。
   育ってしまうってことは、神がお求めのはずだ。供物として捧げよう」
   ・・・・は、なんか常になんか消極的かつ場当たり的に
   動いてたらわからんでもない。ぐらい。

C:まぁ、成長してること喜んでたしな。佐上は。

B:「完成」っつって「女完成」っつって。
    
A:とっ散らかってんだよな。何かとな。

B:五実が睦実と似てるなんて微塵も気づいてない。
   本当に見てなかったんだな。

A:もう産まなくたっていいじゃんいいじゃん、
   俺が楽しきゃそれでいいじゃん。みたいな。
   なんかちょっと、ちょっと今っぽい感じに着地したのが面白いな。

B:エネルゲイアだから。今を生きるって事でいいのか。

以降雑談。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?