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白航「落日紅歌」リリースに寄せて

白航の新曲「落日紅歌」(ラクジツコウカ)が発表された。
前作「鱗粉」から1ヶ月という、白航にしては奇跡的に短いスパンでリリースができて色んな意味でよかったと思う。
2022年夏以来のアップテンポな新曲なので、ぜひ楽しんでいただきたい。

この曲は、シングル表題曲としては初めて、作曲のクレジットに僕の名前が冠された(初出はシングル「ネオストリッパー」のカップリング、「ナイトサイド・ダンスホール」)。
原曲をスタジオで広げるスタイルが多かった白航だが、今回に関してはほぼ、僕のデモの時点でオケの大枠は完成していた。

そのデモとやらもなかなかの厄介者で、2022年春頃、
コロナ罹患中に熱を出しながら作ったという、今後ありそうでないシチュエーション下で生まれたものだった。ベースを持ってパッと浮かんできたリフをもとに、イントロからサビまで膨らませていったら思いの外スムーズに作れて嬉しかったのを覚えている。

苦戦したのは、2番以降の展開。
2番Bメロからサビに行かずに間奏に入る流れを、熱と戦いながら閃いたのは我ながらいい働きだったと思う笑。

サビのコード進行も、(知識に乏しい自分にしては)凝ったもので、
(Fm7 D♭9 C7(#5) Fm
Fm7 D♭9 C7(#5) Edim Fm)
ここに、見事なウワモノのギターと歌のメロディを載せてきた卓生・綾香両氏のセンスもさすがの一言である。

この曲の間奏部分、イントロ、アウトロで鳴っているボンゴ(ポコポコ言ってるやつ)は、パーカッショニスト「らっきょ」氏をゲストに迎え、叩いていただいたもので、白航ではそれ自体が初の試みとなる。
らっきょ氏に関しては、京都の「和音堂」での彼の演奏に一目惚れし笑、勇気を出してオファーしたところ、快諾いただいた経緯がある。
現代のテクノロジーでは打ち込みで済んでしまいそうなところ、生演奏のバトル感にこだわった意図も、此処で汲んで貰えるとありがたい。

このボンゴもデモの時点から存在したものだが、実はこれを閃いた経緯は全く別の曲からである。
ズバリ
四人囃子の「おまつり」(1974)。


コロナ罹患中になんとなく聞いていた四人囃子。
こちらの9分ごろから始まるパーカッションにあらためて度肝を抜かれてしまい、そのままデモにも採用と相なったわけである
(同時に、熱が出てる時にプログレを聞いたら昇天する、という知見を得た)。

元々は「ベースのイントロから始まるキラーチューンを作ろう」という個人的願望から生まれたこの曲を、リスナーの皆様には繰り返し聞いてもらえるとありがたく思う。

そしてこの曲と前作「鱗粉」の発表を記念したライブが発表された。


白航presents 
New single 「鱗粉 / 落日紅歌」リリース記念
『Polaris』
8月4日(金)
OPEN 18:00/START 18:30
南堀江knave
前売¥2,500/当日¥3,000+1drink

■出演者
白航
Patrick&Patricia
パレットパレッツ
Back and Tip

いろいろなアクシデントがありながらも続いていく白航の底力をぜひ、ここで目撃してほしい。
白航史上最長の40分ステージで挑む予定なので、
「今まで白航は気になってたけど見たことない」という方や、
「何度かステージでは見たことあるけど最近ご無沙汰」という方には是非ご来場いただきたい。

また新たな発表もできると思うので、Twitterやインスタなどもチェックしてほしい。

それでもまずは、この曲があなたの生活の中に溶け込んでいくことを願っている。

白航 了

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