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コーヒー焙煎メモ

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早川コーヒーというところで「おすすめセット」というバラエティセットを買って楽しんでます。そのメモ。
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2020年11月の記事一覧

コーヒーブレンドの探索

気分に合わせたコーヒーが飲みたいとき、喫茶店に赴く人や、焙煎豆をこまめに買う人ならそれに合わせたものを頼めばよいだろう。しかし私のような自家焙煎家は生豆をある程度大きいロット(と言ってもせいぜい1kg単位だが)で買っているので、ストックから選ぶか焙煎を工夫して味を作らなければならない。 自宅にストックしてある豆の銘柄は多いわけではないので、やりくりが必要になってくるが、その中でブレンドという方法を最近は模索しつつある。 個人焙煎家の場合は、焙煎後ブレンドが標準になるだろう

コンゴ ミノヴァ

⭐⭐⭐⭐ 山地としてはルワンダの隣接領域で、ミノヴァは集荷所のある町の名前のようだ。香りはルワンダに近いが、むしろシュガリーというかカラメル香があり、しょうゆ香に近いものも感じる(決して不快ではない)。 中浅煎りではキレのよい酸味を主体としており、スルスル入る。「もうちょっと多めに淹れておけばよかった」と思うくらい。中深煎りでは苦みが立つが、ボディがある分カフェオレにしたときに相性がいい。浅く煎ればブラックで美味、深く煎ればホワイトで美味と、言うことのない万能性。今後もル

コーヒーの香りの仮説

人間の香りの知覚は複雑で体系的な記述が難しく、コーヒー業界(SCAAなど)では暫定的にフレーバーホイール(flavor wheel)と呼ばれる表を使った標準化を行っている(ただし、これも暫定的なものでしばしば変更がある)(個人的にはcounterclturecoffeeのホイールのほうが直感的) SCAAのフレーバーホイール SCAAのホイールでは以下のような大分類が安定的に存在する。 ロースト香(穀物香、スモーキー、焦げ臭) スパイシー(シナモン、クローブ等) ナッテ

パプアニューギニア キンデン ピーベリー2016

⭐⭐⭐ これと同じ豆は実は以前に飲んだことがある。2016年産のキンデン地区のコーヒーは以前にメモを取っている。 この時の印象は、フローラルな香りが強く、アクセントにスパイシー/アーシーな香りが入り、味としてはクリーンだが香りと若干ミスマッチ、というものだった。ややクセはあるものの高評価だった。 今回は、以前の好印象が4年間の保存の末オールドクロップとなったことでどう変わったか、ということを確かめるものである(ピーベリーであることは味に影響しないという前提)。 その結

ルワンダ ピーベリー2018年

⭐⭐⭐ 2年前の収穫で、若干オールドクロップと言ったところ。 浅煎りでも中深煎りでもアプリコットのフレグランスがある。同じフルーティでも、エチオピア・ナチュラルのワイニーに香りとは異なるし、ニューギニアのようなフローラルな香りとも異なる。ただし、この香りはフレーバーでは弱くなる。ケニアやタンザニアと比べてもスパイシーさは弱く、飲みやすい。味は焙煎次第で酸味も苦みも立てることが出来る。かなりクリーン。 オールドクロップではあるが、香りを十分堪能することが出来た。新興産地だ

ニカラグア ペラルタ農園ハニー

⭐⭐ 個性的なものを期待していたが、むしろクセが徹底的にない。ベトナムアラビカよりさらにクリーンネスがより高くやや酸味の強い、あるいはコロンビアの中でも多少あった角のたつ部分を除去した、という感じ。 農園指定としては割安かな?と思ったが、見事に値段なりであった。個人的に香りが楽しめる候補として購入したので、やや肩透かし。