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米デザインファームCEOのデザイン思考3Step

(この記事は3分で読めます!)

彼の名はTim Brown氏。
アメリカで最も有名なデザインファームの一つであるIDEOの元CEOです。

この記事では、Stanford Social Innovation Reviewという雑誌に掲載された彼の文献をまとめたものです!
社会課題分野におけるデザイン思考というのが本文献の内容ですが、この内容は私たちの身近なあらゆるビジネスに通ずるところがあります。

この記事で学べること
・米デザインファーム IDEO の元CEOティム・ブラウン氏の「デザイン思考3Step」
・各ステップごとの事例

早速解説していきましょう!

デザイン思考3つのストラテジー「3つのI」

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まず、デザイン思考には3つの順序があることを彼は述べています。その3つとは、

inspiration
・解決すべき課題や、改善につながる機会の認識
ideation
・アイデアを創造、改善、検証するプロセス
implementation
・アイデアを生活に根付かせていくまでの道のり

を表しています。まさしく僕たちの小さな物から大きな仕事まで、上記に当てはめることができると思います。それぞれの事例を簡単にご紹介していきます!

inspiration〜問題の再定義〜

バンクーバーにある大学のデザイン科を専攻していたカラは、遠いルワンダの協同組合でインターンシップを通じてとあるお手伝いを依頼されました。

それは、「ルワンダの女性が作ったアガセチェ(編み物)を世界に発信するWebサイトを広めていく」ということでした。

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ルワンダでは、結婚が決まると母親が娘にアガセチェの編み方を教えるそうです。
アガセチェが上手に編める女性は幸せになれるとも言われており、ルワンダでは縁起の良い伝統工芸品とされています。

今回の依頼は「Webサイトをより充実させたい」ということが与えられた課題。しかし、そこでカラはあることに気づきます。

それは、ルワンダのほとんどの女性が「そもそもインターネットアクセスできない」状態であり、女性たちがサイトを拡充するのはまずはそのアクセスを手に入れてから、ということです。

協同組合の、現地の人たちに対する「妄想」によって立ち上げられたこのWebサイト、カラとの話し合いにより、まずはインターネットへのアクセスインフラを立ち上げることが何よりも高い優先順位となりました。


ideation〜答えは「現場」にある〜

1990年代、ベトナムでは5歳未満の子供のうち、約6割が栄養失調でした。

それに対して政府は、サプリメントを子供たち野本に届けましたが、望んだような結果にはならず。そこでタフツ大学のジェリースターニン教授は、「Positive deviance」という手法を用いてこの課題を解決したのです。

devianceとは日本語で「逸脱」を表します。「ポジティブな逸脱」とはどういうことか。

実は、6割のベトナムの子供たちが栄養失調に苦しむ一歩、中には苦しんでいない子供たちがいました。

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スターニン教授はこの子たちの生活を調べてみると、ある「違い」を発見します。6割の栄養失調が食べていない、「ある物」を摂取していたという違いでした。

それは、小さなエビやカニ、カタツムリを田んぼから取ってきては、料理に入れているという物でした。その地域では、これらの魚介類は子供には毒だとされておりましたが、予想に反してこれらを摂取することによって、子供たちの栄養は保たれていたのです。

その後、教授は地域で人々を集めた「料理教室」を開催し、1年後には参加していた1000人の子供のうち、80%が栄養失調から抜け出したというのです。その後、ベトナム内の14の村にこのレッスンが広がっていったとのこと。

外部からサプリメントの持続的な供給が難しい手法をとるのではなく、現地にあったちょっとした工夫をシステム化するという「ideation」が光った事例です。


implementation〜「届ける」までがサービス〜

インドでは、多くの人が依然として身体に害を及ぼす水を飲料水として飲んでしまっています。

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それに対して、政府は何もアクションを起こしていないのか?

実はそういうわけではなく、誰でも安く安全な飲料水を提供する配水センターがあるんです。

しかし、シャンティ(インドのとある女の子)はその配水センターを利用することができませんでした。それはなぜか。

一度にセンターで供給される量の水を持って帰ることができなかったからです。バイクを持っている父親や息子がいる家庭では、バイクに積んで水を持って帰ることができましたが、シャンティの父親は、仕事中に水をもらいにいくことができず兄弟もいない。

そうしてシャンティは100メートル先にある、お腹を壊すお水を毎日救っては、家族と一緒に飲んでいたわけですね。

「きれいな水を生み出すセンターを建設した」ことで広く行き渡ると考えられていた水は、ちょっとしたハードルによって供給されないことが生じてしまったわけです。

そうして、全ての人に安全な水を届けるために、WaterTanker(配水車)による各家庭への水の配達が可能となりました。

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社会イノベーションにおいては、製品の開発だけでなく、「あらゆる人がアクセスできる」ディストリビューションまで含めたシステム構築をしなければいけません。

いかがだったでしょうか。最後に、ティムブラウン氏の書籍のご紹介しておきます!


今回の記事は、シンプルでしたが、重要な3つのステップについて記載させていただきました!少しでも皆さんの日々の役に立てば嬉しいです!

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