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SKH(説明講習販売)に従事して NO4 

人間は楽しかった時よりもしんどかったり辛かったりした事の方が良く覚えているものです。
ありがたいことに私が勤めていた会社は、社員研修が充実をしていて国内研修はもとより、「これからは日本だけでなく世界相手に頑張らないといけない」という創業者兼会長の考えで私も中国とブラジルに研修に行かせてもらいました。(海外研修については次回にでも投稿させて戴きます)

今から考えるとこんな研修をしていたらパワハラで訴えられそうですが、今から40年くらい前は大企業も中小企業も参加したり独自で開催したりしていたのが『富士山管理者養成研修』です。

当時テレビでこの研修を何度か放送をしていて、40代の大の大人が辛さのあまり男泣きをする映像が映し出されていました。入社する前はこの映像を見ると大変だなという他人事でしかなかった研修を、まさか自分が受けるという思いでした。

研修は「富士山の管理者養成研修」をまねて弊社用に変えたもので、全国の販社から研修参加者が集まりました。

研修に参加する前に実際はそんなことはないのですが、先輩から「卒業できなかったらクビになるぞ」と脅されて参加s

場所は群馬県の赤城山の山奥の研修所。東武電車で赤城山で下りるときには多分研修を受けるメンバーと思われるスーツ姿で大きなボストンバックを持った男性ばかり

駅から研修所までは離れているのでタクシー移動だが、行き先を言わなくてもスーツ姿でボストンバックを持っていれば研修者だと察知して連れて行ってくれるぐらいに地元では有名になっていました。

研修者は総勢18名。入社してほとんど1~2年の人ばかりでしたが、中には中途入社の方や営業上の都合で先延ばしをしていた販社の営業部長さんも居られ、年齢は20代前半から40代半ばと多彩でした。

ある事件が起き1つ無くなった審査がありました。私が入社してすぐに豊田商事事件が起きました。大きな詐欺事件です。同じような研修を豊田商事もしていたので、同類に見られないように『群立歌唱』という審査が一時無くなりました。この審査は羞恥心をなくさせる審査で桐生の駅前に連れていかれて、交差点に立ち信号を渡ったところに講師が立っておりその信号の前で大きな声で社歌を歌うのです。歌が聞こえればOK。聞こえないと失格となります。
先輩に聞くと地元の人もこの光景をよく見ているので、高校生たちが講師が判定を下す迄に○✖と言ってくるそうですが、たまたま豊田商事のおかげでこの審査はなくなりました。

私が苦労をした審査が『訪問販売実習』の審査。
2人一組になり100円から3000円の自社商品を数点と公衆電話代と昼飯代1000円渡され桐生の町へ連れていかれる。行く前には財布は没収されて無一文。2人で1万円の販売ノルマ。売ったお金を使ってタクシーで帰るパターン

販売をせずに自分のお金を隠し持って差し出さないように、買っていただいたお客様のお名前・ご住所をお聞きして、後ほど会社からお礼状が届く仕組みとなっていました。

私と組んだのが事務職の人でお互い訪問販売なんかしたことがない。2人とも最初の1歩が踏み出せない。やっとのことチャイムを押してもお留守だったり門前払いされる始末。2人で1万円どころか100円も売れない。時間だけがどんどん過ぎてゆき、もうすぐタイムアップの時間。
講師に「売れません」と連絡
時間延長と金額の軽減をしてもらい再度挑戦。でもまた売れずにタイムアップ
最後は講師の親類を講師に紹介してもらい他には内緒でずるして合格。

研修中は基本電話連絡が制限されていたので楽しみというというが、励みになったのが所属の会社からの激励の電報でした。今ならLINEやメールですがその時代はスマホや携帯電話のない時代、唯一の連絡方法。この電報が頑張れる糧となりました。

研修は今から考えると仕事に必要な技術や心構えの研修でした。

最終審査は「ロンサク」といいって原稿用紙5枚分ぐらいを丸暗記しての1字1句間違えないようにの発表でした。私はまだ若かったし子供の頃から記憶だけは得意でしたから難なくパスしましたが、記憶が不得意な人は徹夜で覚えしかもそれでも覚えられない人は、居残りで研修を受けてました。
私はというとトップで卒業することが出来て一番に大阪に帰れました。
(少し自慢  笑)

この研修も時代にそぐはないということで私が参加してから数年で中止になりました。

今では、いい思い出で、参加した先輩たちと一緒にこの話を酒の肴にして呑んでいます。

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