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THE SOUND

曲のレビューは前回ソロ曲でやったばかりなのでもう当分いいかなあと思っていたんですが、今回THE SOUNDを聴いていて込み上げるものがあったのでまた書いてしまいました。いつも以上に散文な上に柄にもなくウエットな文章(当社比)です。

上段:音を聴くということ

私みたいな人が多数派なのか少数派なのかはわからないんですが、私は楽曲を聴くときまず一番最初に全体的なグルーヴ感に意識が行きます。そして音の起承転結が身体に完全に染み込んでから初めて歌詞が頭に入ってきます。それは日本語の楽曲でも同じです。
スキズの曲はMVにあらかじめ日本語訳が付いていますが(本当にありがたい)本人たちの言葉ではなく翻訳というのもあって、歌詞の内容はざっくり雰囲気として捉えていました。
曲を聴くときにそういう癖がついていたので、初めてMステでTHE SOUNDのパフォーマンスを見たときも曲と歌声のうねりや盛り上がり方に集中していて、あ〜〜すごくいい曲だな、サビが美しいのはやっぱり日本人の好みを研究してるんだろうな〜〜などと考えていました。で、何回か見たあとにそういえばこの曲日本語だから歌詞の内容理解できるじゃん!!!とようやく気がついたのです。(Mステの字幕ガン無視……)

そうして改めて歌詞を読んで、聞いて、彼らが言いたかったのは、「僕たちの音を聴いてくれ」ということなのかな?と感じました。

聴いた〜〜〜!!!!聴いたよ〜〜〜〜!!!!!何なら今までもずっと!!!ずっと!!!!あなた達の音を聴いてたよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!

めちゃくちゃ嬉しかったんです。MUSICではなくSOUND、と言ってくれたことが。私は韓国語が母国語ではないので、本当の意味で彼らの楽曲を理解できてはいないんだろうなあとずっと思っていたので。それでもいいよ、音でも何でもどれか一つ琴線に触れるものがあるならそれでいいよ、と言ってもらえた気がしたのです。
今回の楽曲は、もしかしたら日本語圏でない人達に対しても「言葉はわからなくても、音を感じてくれ」という原始的なメッセージが込められているのかもしれません。でもこの曲、日本語の曲ですが、半分くらいは英語だし、「ダラワラダ」(=ついてこい)って韓国語も入ってるんですよね。もしかしたら本国の人は初めて聴いたとき嬉しかったんじゃないでしょうか。そうやって世界中の人がスキズの言葉を聞いて音を聴いて繋がっていくというのは、なんだかすごくいいなあと思ったのです。
でも音ばっかり聴いててそういえば歌詞聞いてなかったなって思って聞き直したら「音を聴いて」って言われたのはちょっと面白かった。右行って前行って左行って前行ったら最初の位置に戻ってた、みたいな。人生みたいですね。(そうですね)


下段:THE SOUNDのアイエンとLevanterのスンミン

これも何回かMステの動画を見てから気がついたのですが、THE SOUNDは非常にシンプルな構成をしています。Aメロ(って本当は言わないのかもしれないけど日本語楽曲なのでご容赦ください)がチャンビン、ハン、フィリックス、ヒョンジンのラップチーム。Bメロがバンチャンとリノのボーカル。そして最初のサビ(の前半)がアイエンです。
恐らくなんですが、今まではこういう曲だとサビの出だしはスンミンが担当してたんじゃないかなと思うんですよ。それが表題曲の一番最初のサビで一番盛り上がるところをアイエンが担っている、ということに私は今までにない変化を感じました。
で、いきなりなんですが、私はLevanter-Japanese ver.-が凄く好きなんです。(繋ぎ下手すぎか??)原曲も勿論好きなんですが、日本語がとてもきれいなので……。Japanese ver.シリーズの中で一番好きかもしれない。

そのLevanter-Japanese ver.-は2020年3月にリリースされたSKZ2020の一番目に収録された日本語楽曲で、一番最初のサビの頭をスンミンが歌っています。
私はLevanterを聴くとなぜかいつも「第一章の終わり」を感じるんですよ。Levanterの風はスンミンがメインボーカルとして独り立ちする兆しでもあり、それなら章の始まりの方がいいのでは?とも思うのですが、私にはどうしても何かの区切り、エンディングとしての曲に聞こえるのです。


今回、私はTHE SOUNDを聴いてLevanterに抱いた感覚と非常に近いものを感じました。言うなれば、私にとっての「第二章の終わり」なのかもしれません。もしかしたらもう少し時間が経って過去を振り返ったときに「あれは終わりではなく始まりだった」と思うかもしれませんが、それまではこのままでいさせてください。
ただ一つ、自信を持って言えることがあるとしたら、アイエンは間違いなくボーカルとして成長を遂げたということです。






去年、アイエンについて書いたエントリで私は最後に壬寅年の話をしました。その壬寅年は2月3日で終わり、新たに癸卯の年が始まります。
一年経った今、あえて書きます。
アイエンを動かしたのは運命なんかではなく、アイエンが自分自身の意志と力でここまで来たのだということを。


(終わり)

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