楽曲レビュー

故郷のない東京生まれだって泣くんだよ

〜中島みゆき『ホームにて』〜

 帰省シーズンのお盆である。昔は、本当に8月15日に帰省が集中して、上野駅の東北本線ホームは自由席を確保する人たちがゴザを敷いて何日も前から泊まり込んでいたが、昨今は分散したお盆になっているようだ。

 とは言え、お盆と言えば帰省である。

 私のような東京郊外で生まれて、親が「このロング・ハウス(昔は「長屋」と呼んだ団地)から抜け出すんだ!」と頑張って神奈川県に戸

もっとみる

扇風機やスダレの時季だけのプレイリスト

夏の終わりのプレイリストというのを作ったのだけど、こうも毎日暑いと夏真っ盛りを乗り切るための音楽も要るなぁと思い作った。24時間、寝苦しい夜も、動くことすらダルい日中も、なんとか彩りを添えてくれる曲たち。

1.The SALOVERS「夏の夜(mindless ver.)」[AM1:00]

若くして散ったロックバンド、夏の名曲。サカナクションの山口氏が絶賛した曲としてもちょっと有名。水木しげる

もっとみる

"MABOROSHI" 制作ウラ話

[ はじめに ]

僕は、小さい頃、父親のレコードに入っていたライナーノーツを読みながら、音楽を聴くのが大好きでした。
「ああ、このアーティストはこんなことを考えてこの楽曲を作ったんだ。」
「このアーティストとこのアーティストは仲が良くて、だからこの楽曲にゲストで呼んだんだ。」
なんてことを思いながらワクワクして音楽を聴いていたことを思い出します。
最近でも、wikipediaにある情報を読んで、

もっとみる

Juice=Juiceの『「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?』ってなんでジワジワ評判いいの?

「ビジュアル、歌唱力、ダンス」トータルでハロプロNo.1のグループは?と聞かれたら即答でJuice=Juiceと言うだろう。スキルの数値化をハロプロ全体でしてみたら、彼女たちが一番高いくてバランスも良いんじゃないだろうか。楽曲だって好きなものが多い。

でも、ライブに行きたいと思うのはアンジュルムなんだよなぁ。なんだか自分の中でのJuice=Juiceの立ち位置が年々℃-uteに似てきている。

もっとみる

雨が窓を打つプレイリスト

ただのお天気なのに勝手に切なくなってしまうの、マジで人間って最高だなぁと思う。春夏秋冬に続いて、梅雨ソングスである。歌もいっぱいあった。時間帯ごとにも充実してて、並べるのが楽しかった。電車に乗りながら聴きたい感じ。

1.チャットモンチー「どなる、でんわ、どしゃぶり」[AM1:00]
面白いのが、掛けてる電話の先の雨の描写しかなくて。もしかしたらこちらは晴れているのかも、と。距離を越え電話口の雨に

もっとみる

『人生Blues』の佐藤優樹にエドワード・ファーロングを見た

普段アンジュルムの事ばかりな毎日だが、モーニング娘。'19の新曲が公開されたので観てみたよ。『青春Night』と『人生Blues』の2曲。タイトルが両方「漢字+英語」で被ってるのが初手から気になるんだが、2曲共につんく♂作詞作曲。アレンジも両方、大久保薫によるもの。まあ、マッスルブラザーズのようなゴールデンコンビですわ。

『青春Night』の方は完全に王道な赤羽橋ファンク。王道すぎて「ほぼほぼ『

もっとみる

『人生、すなわちパンタ・レイ』の事を考えたら、結局ニーチェに辿り着く

アンジュルムの最新アルバム「輪廻転生~ANGERME Past, Present & Future~」が名盤過ぎて鬼のように繰り返し、繰り返し聴いているのだが、その繰り返す循環の中で、やはり気になる曲として『人生、すなわちパンタ・レイ』を語らずにはいられない。

【パンタ・レイ】とは古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの言葉である。冒頭、和田彩花による特撮のOPに見られるような大仰なナレーションで引

もっとみる

アンジュルム『輪廻転生〜ANGERME Past, Present & Future〜』Disc1 全力レビュー

笑う。アンジュルムが3年ぶりにリリースしたニューアルバム『輪廻転生〜ANGERME Past, Present & Future〜』が驚くほど名盤だった。

3年ぶりということもあり、貯まりに貯まったシングル曲も全部入れてあるからデフォルトで3枚組になっているが、特筆すべきはDisc1の内容。みんな大好き『46億年LOVE』や最新曲『 恋はアッチャアッチャ』はもちろん、配信のみで売られていた『I

もっとみる

あれは春という鮮やかなプレイリスト

夏、秋、冬ときて春まで。遂に四季コンプリート。春はいつも何かが始まる季節で、そこに僕はどうも不安さとか不穏さみたいなのを感じがちなのです。恐らく、春のプレイリスト史上稀に見る暗さを持った前半から徐々にあったかくなっていくようなイメージ。

1.羊文学「春」[AM1:00]
ぽかぽかしてるし、何か気の抜けた心地になれる気候だからこそ、油断してると募った恨みがふと顔を出しやすい。そんな季節にぴったりな

もっとみる