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「人を楽しませる、喜ばせる、驚かせる」株式会社ベストプロデュース 代表取締役/NPO法人タマラアソシエーション 理事長 鳥井一広さん


18歳でバンドでメジャーデビュー、ドラマーとして活動後、サポートミュージシャンを経て、その後、演出家、プロデューサーとして、音楽、映像、舞台、イベントなどを手掛け活躍。現在、年間約200本のイベントをプロデュースする株式会社ベストプロデュース代表。エンターテイメント業界の第一線で活躍されている鳥井一広さんにお話を伺いました。

【鳥井一広さんプロフィール】
出身地:大阪府
活動地域:東京、全国各地
経歴:1983年、バンドでメジャーデビュー。小室哲哉のプロデューサーデビュー作品となる。1990年頃からプロデューサーとしての活動を始める。1996年、音楽、映像、イベントのプロデュース会社、「(株)ベストプロデュース」を立ち上げる。長野オリンピック、日韓ワールドカップなど大型イベントの演出プロデュースチームにも参画。昨今ではコメンテーターとしてTV、ラジオなどにも出演。 
現在の職業および活動:イベント、映像、音楽プロデューサー、演出家、時々コメンテーターなど、絶賛活動中。
株式会社ベストプロデュース 代表取締役
株式会社HATHOR 代表取締役
NPO法人タマラアソシエーション 理事長
座右の銘:「面白き事もなき世を面白く すみなすものは心なりけり」


大転換期、混迷の時代だからこそ面白く楽しく!


記者 鳥井さんの夢、ビジョンを教えてください。

鳥井一広さん(以下、敬称略)ベストプロデュースの社是が、「人を楽しませる、喜ばせる、驚かせる」そして働く指針が「育てる、導く、癒す」なんです。
だからとにかく面白いことや楽しいことを、驚きをもって世の中に創造して行きたいし、死ぬまでそんなことに関わっていたい。
その一方で何かあたたかいものを育んだり、人を育てたり、人を佳き方へ導いたり、癒したりする、そんな思いを込めて活動し生きていたいと思っています。
本格的なネット社会になって、みんな「情報の交換」が頻繁になり、人とつながる機会が増えると「主張」や「情緒の交換」をしたくなるのが人間の性で、人が集う、リアルイベントコンテンツはどんどん増えてる。そんなこともあって、ここ数年、エンタメ産業のシェアは毎年120%成長しています。
だけどプロスタッフは年々高齢化していて、万年人手不足。とにかくエンターティメントに携わるプロの若者を多く育てるのが急務であり、才能のある若者を育てて、次の時代へ良い世代交代をしたいですね。

素敵な楽しい仕事なのにエンターテイメントの仕事は、入ってくる道があまり明確でないから、なかなか若者が入ってこれない側面もある。だから専門学校に教えにいったりして、門戸を開く努力を続けています。働き方やコンプライアンスに対する考え方もしっかり整理、整備して、ブラックなしんどい仕事というイメージを払拭したいし、ホントに楽しい仕事なので!

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記者 16歳で本格的にバンドを始めたということですが、バンドを始めたきっかけは何ですか?

鳥井 「人を、楽しませる、喜ばせる、驚かせる」が好きだったんですよ。「とにかく女子にモテたい」というのも大きな動機だったけど、それが、僕が使命に辿り着くための種だったと思う。だって楽しいじゃん。みんな恋人のためならサプライズとかするし、学園祭はワクワクするし。それを仕事にしようと思うのは、決して変わったことじゃない。
学校がつまらなかったし、早く大人と接したかった。だから外に出て行く。そうすると大人と知りあう。早く大人とプロ思考のバンドがやりたかった。対等に扱ってもらうためには、楽器がうまければ良いわけで、そうすると大人が相手にしてくれるでしょ。

記者 ミュージシャンからプロデューサーになった経緯は?

鳥井 10代でバンドでメジャーデビューしてプロになって上京したけど、結局売れなくて、20代前半からサポートミュージシャンとして活動していく中で、CM音楽を作ったり、舞台の音楽とか、イベントの音楽とか作ったりもしてたんですが、音楽作ってるだけじゃなくて、映像作ったり、台本書いたり、演出したり、全体的にアプローチする方が楽しくなって、気がついたらリアルイベントの仕事がすごく忙しくなって、周りにいっぱい才能ある人や面白い人が集まってきて、スキルも人脈も高まったところに、大きな仕事の依頼があって、運がよかったんだと思います。
で、社会的信用のために会社作ったり、どんどん仲間が増えて、また大きな仕事が来てという感じで、ベストプロデュースは創業25年、現在に至ります。

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記者 その一方で国際貢献や癒しをテーマにしたNPO等も主宰していらっしゃいますよね?

鳥井 エンターティメントやイベントの世界って、多くの人が関わる事で、まさしくコミュニケーションビジネスなんです。これをプロとして追求していくと、やっぱり「人間の研究」になるし「社会心理学」的な事になって、文化とか芸能とか祭りとかも、その根底には「社会構造」や「宗教学」みたいなものも見えてくる。
そんな中で、スピードの速い混迷の世の中にあって、環境問題なんかも含めて世のため人のためにちゃんと主張し発言し行動していかなきゃ!という気になったのが2000年ぐらい。


世の中複雑になって、変化のスピードも速くて、迷ったり、病んじゃったりする人も多い現代、ヨガとか気功とかレイキとか「癒し」や、メンタルヘルス、人のココロとカラダにいい影響を与える「自然エネルギー」みたいなものにも触れる機会が多くて、そんな中、出会った「タマラエナジー」というエネルギーがすごく良くて感動したので、先端的にこのエネルギーワークの研究をしているセラピストや美容サロンをやっている人たち等と、2009年に途上国や貧困国への国際貢献などをしながら、健康推進事業としてその研究や普及を進めるNPOを作って東京都の認可をとったんです。

それが理事長を務めている「NPO法人タマラアソシエーション」で、これも今では設立10周年。国内会員は1000人、全世界に10000人の推奨者がいます。

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そんなこともあって、アーティスト活動以降は、どちらかといえば裏方として活動をして来たけど、これからはまた、徐々にモノ言う人として、世の中に出て行きたいというのが今のところの夢というか目標。今でも講演とかセミナーとかコメンテーターでメディアに出たりとかは時々してるんだけど、もうすぐ本も出版するので(笑)。


記者 どんなことを発信していきたいのですか?

鳥井 今、「こう生きればいい」っていう成功本とか自己啓発本もいっぱい出てるけど、そこに書いてることって実学から離れていたりするし、売るために偏らせて「頑張らなくていい!」なんて言っちゃうから、もうメチャクチャな「見出し情報化社会」になってるので、「生きるってどういうことか」「幸せって何か」「働くってどういうことか」みたいな根源的なことを整理して地に足のついた手触りのある話を、しっかり若い次の世代の人たちにも発信していきたいし、人の生きる力、社会がより良く進む力に少しでも寄与できればと。


人は経験するために生まれてきている

死生観については、僕は輪廻転生論者なので、人は何度も生まれ変わると信じています(笑)。だからしっかり生きなきゃいけない。因果応報だから(笑)。
人生1回きり、死んだら無と考えたら、人はちゃんと善悪に向き合って生きていけるんだろうか?そうじゃないと、悪いことしても、ずるいことしても、勝ちゃあいいんだ、自分だけ得すればいいんだという思いに人は傾く。神や仏を完全に信じていない人、畏怖の第三者への恐れのない人って、突き詰めれば「人が見てなきゃ、何してもいい」という思考に傾く気がします。

日本には昔から、八百万の神という考え方があって、「お天道様が見ている」とか「悪いことをしたら罰が当たる」と言われて来た。そういう考え方は心を安らかに育むものだし、社会秩序を保ち、ある意味、人を正しく生きさせるものになってるのは確かだと思うんです。
とにかく時代の流れも、社会常識の変化も速いので、いわゆる確固とした「人生哲学」を多くの人が持てなくなっている気がするんです。

そんな中、超情報化社会で、お金儲けも、生き方さえも情報化してて、「楽して△△とか」「楽に生きる」というのが、とかく人気ワードになって来てるような気がしてなりません。


僕は「人は、経験するために生まれてきている」と思っています。「楽しい」「嬉しい」「幸せ」って、状態じゃなくて、経験して思うこと、感じることですよね。
楽を優先するって、経験しないってことだから、楽することを優先させ過ぎたら、絶対人生おかしくなる。苦しい経験があるから、「楽で有難い!」と感じられるわけだし(笑)


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記者 3年後、5年後は、どんな目標や計画を立てていますか?

鳥井 50代になって、人脈的にも、知識や経験においても、ようやくやりたいと思える企画や面白いことが実現しやすくなりました。
面白い話題には事欠かないので、とにかく個人的には、書いたり喋ったり表現して行きたいと思っています。
そしてやはりエンターティメントの会社としての世代交代と、引退していく高齢者の再雇用も含めた老後保証の問題なんかも現実的に計画し考えています。

あまりそういう事のシステムというか前例がないといえばない業界なので、僕の世代でちゃんと作りたい。
もちろん地に足のついた働き方改革も、現実的にどんどん進めていきたいと考えています。


人を育てることがこれからの人生を生きる意味



記者 日々どんなことを実践されていますか?

鳥井 いまはとにかく、人を育てるということが、人生の意味になっています。それを会社の共有課題にして、日々の仕事に目的として落としこんでいく。
タマラアソシエーションでも良い社会貢献を進めて行きたいけど、こちらも若者を巻き込んで世代交代していかないと続いていかない。
子供を育てる事で大人が育つ、若い世代を育てる事でベテラン世代が育つ、そして大切な思いが受け継がれていく、そんなことかなあ?
何れにしても、次世代にどう繋いでいくかというのは、高齢化した現代社会の大きなテーマであり、課題だと思います。


記者 「人を育てる」にあたって、意識されていることは何ですか?

鳥井 実は、「人を育てる」って、おこがましい言い方で、上から目線じゃないですか。上の人間は上の人間で、育てる事で育つ。どっちかというと、育てている上の人の方が育つかも。伝え方やコミュニケーションを考え、悩むし、時に裏切られたりもするし。部下が上司を見極めるのは3秒です。そのくらい見られているし、おまけに上司が部下を見極めるのは3年かかる(笑)!
自分の経験や時代にもとづいて、「今の若いやつらは」と言うんじゃなくて、「なんでこう考えるんだろう」「これはこれで合っているのかも」というところからスタートしないとだめだし、いつの時代も、ある意味若者の方が、その時代にあった正しいことを言ってる。「育てる」ではなく、「共に今を生きる」ということだと思うんですよ。


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今の時代の生命力は「コミュニケーション力」


古代の生命力、生活力といえば、足が早く、獲物をとれること。そのあとの時代ごとに、ケンカが強い、頭がいい、と変遷して来て、今の時代の生命力、生活力って、結局「コミュニケーション力」でしょ。それで社会に「居場所をつくっていくこと」。
独居老人でもコミュニケーションできるかわいいおじいちゃんは、友達同士で助け合ったり、他人に面倒みてもらって楽しく暮らしている人も多い。家族がいても独りで死んでいく人もいる。僕は、イベントって言う、人が協力して、人が集わないとできないコミュニケーションビジネスで、コミュニケーションに注力して、ずっと人の研究をして来たようなもので、だからそこで学んだものや培った気づきを発信したり表現して行きたいですね。


記者 最後に読者へのメッセージをお願いします。

鳥井 自己啓発言葉に引っ張られすぎないように!「自分らしく」とか「自分らしさって何だ?」とか「自己実現しなきゃ」とか、色々頭で考えすぎないで、人と繋がっていくこと。人の中に出て行きさえすれば、人が導いてくれる。人の中に出て行って、できること、やりたいことを見つけていけばいい。考えるより感じろです!
やりたいことがわからないと悩んでいる人も多いけど、僕も50歳過ぎて、自分が本当に何をやりたいのか、何をやるべきか、ようやくぼんやりわかってきたくらいだし。20代や30代でわからなくて当たり前。人生ってそれを探し続け、見つける旅でもあるわけだし、わかっちゃったらつまらないとも思う。だから、経験するために生まれてきてるんだなと思います。


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鳥井一広さんの詳細情報についてはこちら。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓

■NPO法人Tamara Association http://tamara.cc/


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編集後記
インタビューを担当した陣内、西尾、竹内です。16歳で音楽を始めたという鳥井さんのこれまでの経験が非常に面白く、聞けば聞くほど、もっと聞きたいことが出てきて、時間が足りなくなるほどでした。
終始、とてもフラットにコミュニケ―ションしてくださり、親しみやすさを感じるお人柄に魅力を感じました。スピリチュアリティに対してもかなり追求されていて、不思議な体験をしたこともあるそうです。
「生きるとは何か」という本質的なことを、地に足のついた形で発信していきたいという想い、とても素敵ですよね。鳥井さんの更なるご活躍、応援しています!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン"美しい時代を創る人達"にも掲載されています。


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