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サグラダファミリアが完成 する/しない 世界線で【現地レポ】

みなさん、スペインに行ったことありますか?

今年に入り、サグラダファミリアに行く機会がありました。


サグラダファミリアとは?

今回行ってきた、サグラダファミリアですが、バルセロナにある、カトリック教会の建物で、世界遺産に登録されています

建築家のアントニ・ガウディの未完成作品で、バルセロナのシンボルになっているのですが、1882年2月に着工されてから、現在に至るまで建築工事が進んでいます。

ここ数年のコロナ禍の間には、ロックダウンの影響で工事が中断していて、完成が遅延する見込みだったのですが、今年2024年3月に、2026年に完成する、と発表されたことで、最近、注目されました

そんな、サグラダ・ファミリアですが、建物の外観だけを見るのではなく、実際に中や地下に入ることができまして、今回入ることができました。


建築と彫刻


外観の彫刻ですが、ファサードと呼ばれる、キリストが誕生してからの様子の逸話が彫刻で表現されているのですが、本当に細かく作られていて、これぞヨーロッパ建築といった感じでした。

入場にあたって、セキュリティゲートを抜けて、門の真下に行くと、本当に圧巻で、入り口側のファサードは、年代が古いため、若干色合いがくすんでいて、より世界遺産らしさ、というか、過去から残されたもの、という印象を受けました。

現在もなお、工事中、ということで、いくつかの党には、建築用の足場やネットが組まれていました。


中の聖堂に入ると、圧巻で、多種多様な虹色のステンドグラスの煌めきが、中を照らしていて、人々が信仰する気持ちがなんとなく理解できました。

加えて、聖堂や塔を支える柱が、まっすぐに伸びているのではなく、木の幹のように、上に向かっていくにつれて、枝分かれするように支えられている構造に驚きました。

見上げると、万華鏡をのぞいているように、柱や壁画、ライトが配置されており、まるで、ゲームやファンタジーの世界に存在するかのような芸術的な構造に、瞳が吸い込まれていくようでした。

率直な感想として、本当に、行く価値のある、世界遺産だなと、思いました。
本当に綺麗でした。外観の印象が強いばかりでしたが、今回でその印象がいい意味で裏切られました。


あと2年で完成する、ということの賛否

そんなサグラダファミリアが、あと2年で完成するというのは本当に、不思議で面白い感覚だなと思います。

日本でいうところの、なんでしょうかね、
元号が変わる、とか、
横浜駅が完成する、
みたいな感覚でしょうか。

しかしながら、技術進歩による完成時期の短縮には、賛否両論があるみたいで、

本来であれば、ヨーロッパの教会建築の伝統的な工法で作られていたものが、技術進歩によって変更されているので、建築家や彫刻家の非難もあるみたいです。

実際に、現在建築されている部分のひとつに、鉄筋コンクリートで造られている部分もありました。


そんな、賛否両論のあるサグラダファミリアの完成、というイベントは、現代人にとってのすごくいい議論の場、だと思いました。

伝統や芸術を優先するのか未来への保存や芸術の精緻な具現化のために、技術進歩をとるのか

どちらも大事な観点ですが、我々の生きる世界線のサグラダファミリアは、技術の活用を取り入れるようです。

僕らの時代で、歴史的機会に完成に立ち会える、という喜びはありますが、伝統を守って完成した世界線も、あったのではないか、と思うと、
歴史的建造物に対する、みなさんの考えも深まるかもしれませんね。


未来人は、2026年の"完成"をどう捉えるだろう?

100年先、500年先。もっと先の、西暦3000年を生きる皆さんは、この話をどう思われるでしょうか。

科学技術を取り入れることで安全性を高めつつ、イメージの具現化をより精緻に実現できるようになった一方で、ガウディが設計し、作り上げようとした工法ではない方法で建築が進んでいるとしたら、それはガウディのサグラダファミリアなのでしょうか。

そう言った意味では、この、僕らの生きる世界線では、サグラダファミリアは完成するが、"ガウディのサクラダファミリア"は完成しなくなってしまった世界線なのかもしれないな、とも思いました。

それでも、"完成する"と決まった、この世界線のサグラダファミリアが無事に完成してほしい気持ちは変わりありません。遠い西暦3000年の未来でも、人類の遺産として残り続けているといいなと、思いました。

そんな、感想を抱いた、2024年の現代人でした。


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