ガツンと売れるので

商品が届かない合間にも、色々と仕入れましょうと

専務Oに持ち掛けられます。

旧正月は大型連休で工場が動かない。

縫製にムラがある。

注文した仕様とは違う（色、形！）。

けっこうコントロールが難しいと思います。

以前なら3か月ほどで上がってくるはずの寝袋も

半年待っても入らないなんてこともありました。

数字上では、商品も資金のうちです。

仕入れれば仕入れるほど手元の現金が無くなっていきます。

しかし、商品は入ってきません。

商売は、こちらの会社だけと取引しているわけでは無いのですが

他の会社の仕入れもしなければなりません。

タネ銭が無いと戦えません。

専務Oに連絡すると、青森に出張だとか、沖縄に営業だとか

商売の販路は広げているように見えますが、

納期が遅れていることは事実です。

ある日のこと、連絡してみると

夏休みを取って、家族で旅行に来ているので

納品の状況は分からないと言います。

商売を長くしていれば

他にも言い方のコツが分かるようになります。

例）旅行→出張、研修など。

いくらなんでも、これはひどい、

「納期も守れないのに、

プライベートを大事にするのか」

と言ってしまいます。

すると、

専務Oはキレてしまい、

「もう、取引は終了です。

商品は引き取りに来てもらうか、着払いで送りつける」

と言います。

想定外の幼稚な会社でした。

このような考えの人物ならば、

送料は、業者の価格ではなく、

正価で送ってくる可能性もあるでしょう。

私はやむを得ず、地元で1.5トン車をレンタカーで借りて

先方の事務所に行きます。

そこで、商品を引き取ります。

疲れました…。

そんなときでも、ありえない発言をします。

「ウチのマークを見えないように売ってくれ、

マークが写っていたら、裁判で訴えます。画像も撮り直してくれ」

納期も破る

仕様も違う

この発言。

意味不明でした。

こうして、夏、秋、冬と

商品が輸入されたと聞くたびに引き取りに行き

当方の家に商品の入った段ボールを積み上げていきます。

このときばかりは、近所で良かったです。

またまた、ありえない発言をします。

「商品を預かっていた倉庫代を払ってほしい」

もう、呆れまくりました。

写真も、マークが写らないように寝袋は開いた状態にしたりと

工夫をしました。

これもまた、ヤフオク！、メルカリで値下げ処分です。

寝袋は、値段が安いのに、大きいので送料が高いです。

そのため、粗利が少ないです。

合計で70万円は仕入れていましたが

売れば売るほど赤字になります。

この会社は、2019年4月倒産してしまいました。

他にも、

仕入れていたネットショップのオーナーも全国的にいたそうです。

納品をされないうちに、次々に新規の注文をけしかけ

料金を支払わせ、全国に債権者が発生。

新規で作らせるための資金は、

おそらく、従業員の給料、倉庫の家賃に

回されていた可能性を想像します。

振り返ると私が運が良かったのは、

Oを怒らせたことで、在庫を引き取りに行き

仕入れていた商材は、すべて確保できたことです。

多少の赤字は痛いですが、納品ゼロよりはマシです。

もう、この会社とは縁が切れたとホッとしていると、

Oから電話がかかってきて

「不良在庫を抱えて困っている、なにか仕入れてほしい」

と懇願されます。

いくらなんでも、

こんなかっこ悪いことをよく言えたものです。

以前、私は共同経営で失敗した経験があります。

この会社も、なかよしの同級生と会社を運営していたことを、

おかしいと気付くべきでした。

実質、社長はお飾りで、専務が主導権を持っており、

倒産したら、社長に責任と債務を押し付けるということで、

O自身はノーダメージ。

倒産慣れているのでしょうか？

この会社が倒産した後、

他の人物を社長にすげかえて、

現在もまったく同じ業務を運営をはじめました。

格闘技選手、芸能人と写真に納まり、成功者の雰囲気を演出しています。

アウトドア関連は、コロナ禍でも大ブームとなり、

ついには、100円ショップのダイソー、作業服専門店のワークマン、

両社も寝袋に着手しました。

大手が乗り込んでしまいレッドオーシャンとなるのか否かというところです。