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どれほど願ったって

いつかは消えてしまうけれど。
2023年のライブ納めとなる予定の、SPELLBOUNDをZEPP SHINJUKUにて。BIG LOVEと題されたこのツアー最終日。BOOM BOOM SATELLITESもやるよ、という前触れがあり、大変楽しみにしていた。

BOOM BOOM SATELLITESはたしか、大学生の時に好きになったから、かれこれ10余年聞いている。SPELLBOUNDというバンドを組みました、という中野さんのツイートを見て以来、SPELLBOUNDは何回かライブに足を運んだ。何回目かでサプライズでBOOM BOOM SATELLITESを演奏したのを聞いて、小林さんに川島さんが憑依したように思ったのをよく覚えている。2023年10月29日のステージには、確かに川島さんがいたような気がする。

前半がBOOM BOOM SATELLITES、後半がSPELLBOUND、ざっくりセトリの構成はそんな感じ。SPELLBOUNDは、全体的に祈りのような、希望のような曲が多いなと思う。BOOM BOOM SATELLITESは心臓に来る低音が本当に気持ちよくて、お酒飲んでたらトランス状態になれそうだった。実際、いわゆるライブキッズのように楽しむと言うより、そういった楽しみ方をしている人が多かったような気がした。

中野さんが、「僕は相方を早くに亡くしてしまったけれど、僕はみなさんより長生きしますので」と言って、小林さんが「僕は中野さんより1年だけ長生きします」と言っていたのが印象深い。川島さんが亡くなって、お別れ会があって、もうBOOM BOOM SATELLITESは聞けないと思っていたけれど、生きていればまた出会えることもある。

頑張れなくなったら死ねばいい、というのがある種救いになっている私としては、その中で出会った希望のような夜を消化しきれないでいる。いつくるかわからない生きていてよかった、の瞬間を待ちながら、死んだほうが楽だ、の現実を生きていくこと自体が絶望のように思ってしまう。

けれど、まだBIG LOVEの余韻が残っているうちは。生きていて良かった、の瞬間が来ることを希望として生きていけるかもしれないと少しだけ思えている。

「ほら また夜が明けていくよ」


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