加点法と減点法

先日3カ月のカウンセリングへ。数年前から、区のカウンセリングに行き、臨床心理士の先生に話を聞いていただいている。
毎回、部屋に入るまでは「何から話したらいいだろう…」「私の大したことない悩みを相談していいのだろうか」と考えているが、先生の顔を見るとすぐに話を始められる。そのような空気を作ってくださっているんだろうと思うと、とてもありがたい。
今日は、先日より悶々としていた、息子の高校進学が決まった後に「これでよかったのか」「もっと親としてできることがあったのではないか」と悩んで、仕事も手につかないくらい落ち込んでしまったことや、自分の仕事やこれまでやってきたことを認められず、転職も考えたりしていて落ち着かないことなどを相談した。
すべて「自分がこうしていれば」と考えるのは、随分自意識過剰だな、と思う。また、「私がもっとこしていれば…」「あのときこうしていたら…」と『if』で物事を考える癖は良くないと自覚しているが…自覚していても簡単に考え方の癖は直せない。そんなことを話していたら、先生が加点法と減点法について話をして下さった。
『加点法』は、「これができた」「あれができた」「これをやってきた」と、出来ていることに目を向けて評価する考え方。一方の『減点法』は「これが出来ない」「あれが出来てない」「これをやってこなかった」と、出来ていないことに目を向けて評価する考え方。日本人には減点法の考え方をする方が多いとのことで、まさに私がくよくよしているのも減点法で自分を評価しているからだ…と気づかされる。
今の状態・事実は変わらなくても、加点法でとらえるか、減点法でとらえるかで見える景色は変わるのだと思うと、減点法ばかりで自分や周りを評価しているのは、なんだかとても勿体ない考え方だと思える。
先生によると、加点法で考えていると「もっとこうしよう」「こうしたい」という前向きな『意欲』が生まれやすいとのこと。一方減点法だと「もっとこうしなきゃ」「こうならなきゃ」と自分を追い込む考え方になり、苦しい状態が続いてしまう、とのこと。
なるほど…私はまさに減点法の考え方にはまって沈んでいたのか…!と気づかせてくれた。自分や身近な人に対して加点法で考えることが出来たら、とても過ごしやすいし、とても良い空気になるようにと感じた。自分の考え方の癖を直すのは時間がかかるかもしれないけれど、少しずつ減点法を減らして加点法を増やしていきたいと思う。

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