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虹ヶ咲OVAの、本当にただの感想

※本編、パンフレット、その他アニガサキ時空の他媒体のネタバレを多分に含みます。

総括的なもの

 気持ち良いアニメでした!
 本筋は「私たちだって挫けることがあるけれどなんとかここまでやってきた。だからあなたもやってみよう!」といった、一見月並みなほどにわかりやすいメッセージからなるおはなし。スクールアイドル活動を諦めかけたアイラに重なるのは、同好会の廃部を知った後の侑でも、自分の気持ちから目を背けた歩夢でも、一度は自らの手で同好会を閉ざしたせつ菜でも、既存のつながり方にこだわろうとした璃奈でも、互いを想うあまりの献身がすれ違いを生んだ近江姉妹でも、「適性」で自らを規定した栞子でも、(略)、そしてもちろん「あなた」でもある。見ず知らずの女子高生に言われたらそりゃムッとしてしまうかもしれませんけれど、26話かけて一人一人描いてきたからこそ綺麗事にも実感が宿っているわけで、虹ヶ咲をずっと大好きでいる僕たちだからこそ陳腐さを感じずに受け止められるわけで……。
 「やってみよう」で終わる本作は、実は「イギリスでのスクールアイドル活動が困難である」という問題の根本的な解決を見てはいないのですが、別にいいじゃない、それくらい。そこへ来て2期で彼方ちゃんの言った「やってみてダメならダメでもいいじゃない」がそっと寄り添ってくれることも、俺たちは思い出せるのだから……。

 TVアニメの劇場版作品として、僕は「劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」をひとつの理想としているのですが、今回のOVAはこれにつくりが似ている気がしました。わりと。ちょっとだけ。
 限られた尺ですから本筋はごたごたさせることなくシンプルに、あとは鑑賞者がすでに知っている文脈に委ねて、愛情とファンサと勢いで駆け抜ける(本当にシンプルですが、生半な熱意では実現できないことも数々の「劇場版」を観てきた僕たちは知っているはず)。栞子が髪飾りを強く結び直すシーンなんか、「オーディナル・スケール」における「マザーズ・ロザリオ」じゃないですか(?)。決意の光を知らずとも山場として成り立つシーンですから、ここに仕込まれているのは知らないと喜べない引き算のファンサというよりは、知っていれば超喜べる足し算のファンサ。それこそアニガサキが1期から描いてきた、僕の大好きな「大好き」だよ!
 以上早口。劇場で2回観たきりなので細かいところは覚えていませんが、とにかく……。僕たち「あなた」と製作陣の「大好き」がつくる、最高に気持ち良いアニメでした!

<本編>「いつもの」雑感のコーナー

・數人のグループに分かれて行動するのは全巻購入特典のドラマCDと同じ構成ね。ずっと全員一緒にいたらセリフの量が偏るとか、収録が分かれるから作中のグループも分かれてた方が都合が良いとか、そういう現実的な理由もあるんだと思いますが
・一本のアニメとして成り立っているところも、本編を補うようなところも、ファンサモリモリなところも、にじよんあにめーしょんと本編とドラマCDの間くらいの後味。OVAだ!
・2期7話はあれで「適性にこだわる子」以深の栞子のパーソナリティにはあんまり踏み込んでない気がしていたので(スクールアイドルフェスティバルという「場」の話やみんなの栞子評こそよく描かれたものの、)やっぱりグッド補完。「所用につき早退します!」が今作で一番好きなシーンかも
・みずから反省文ものの行動を選ぶ栞子、不慣れな冗談を言ってみせる栞子に、1期3話の「今の私は優木せつ菜ですよ」とかフォトエッセイせつ菜編でエマが評するところの「……せつ菜ちゃん、とってもやわらかくなったね」とかを思ってウーってなる。やわらかくなっていこうね
→ミアの「かわいいじゃん、栞子」好きすぎる。ミア推しかもしれない

・日中かすかりのことを考えていたのでふたりの原宿観がほの見えて嬉しかったです かわいい おしゃれ
・璃奈の「見えない」 かすみちゃんがつらそうに背伸びしてたインターホンのシーン思い出す
・虹ヶ咲の子達と一緒にスクールアイドルをする、と聞いて喜んだアイラのその喜びは「これが最後だから」という諦念も含んでいたはずで、これがまた1期1話の「CHASE!」や7話の遙ちゃんなんかに重なるんですわ
→というか来日した時点からだいぶその色が強かったのかも
→<追記>「スクールアイドルやりたくて日本に来ました!」がそもそも「日本に来ないとスクールアイドルができないから」の裏返しっぽい。「交換留学は2人って聞いてたけど〜」のくだりで「スクールアイドルをやりたいのは"私だけ"なので(うろ覚え)」と返したときも、「2人のうち私だけ」というよりもっと広く「周りで私だけ」というニュアンスを感じる言い方だったように思う

・アイラが帰りかける時に栞子に呼び止められたところ、実際あの辺で留学生たちが話し込んでるのも何度か見たことあって、よい
・声を揃えて「ようこそ、アイラちゃん!」って迎えるとき、愛さんはすでに「アイラっち」って言ってる。距離の詰め方よ

・神田明神で愛さんと璃奈の願った「これからもみんなで楽しくスクールアイドルができますように(超うろ覚え)」、続編の発表を受けてから聞くといろいろになる。この場に3年生がいなくて、近々学園を去る者の切実さとはまた違うニュアンスなのも、なんか……。これからもずっと一緒に笑っていてくれよ
→パンフで彼方ちゃんが「あんな時間が、いつまでも続くといいな〜っていうのが、彼方ちゃんのないしょの夢のひとつなのです。」って言ってますがあの
・屋形船のSilent Blaze
・かすみんボックスポンポンしずく

・栞子ソロかと思ったらR3BIRTHになって全員になっての流れ、Awaken the Powerを思い出したぞ
・エンディング最高〜(陳腐だがこれに尽きる)、1期→2期→OVAとめばちさんの描くEDの虹ヶ咲の子達のデフォルメが薄らいでいるというか目の作画とか本編寄りになってる気がする
・エンディングは知ってる場所も多かっただけに急にものすごい質量で実在を感じた、あのカットもこのカットもそのカットも知ってるし俺もそこに座ったことがあるしそこに座っている人を見たこともある

<追記>
・ダイバーシティの階段を見上げて歩夢と栞子が話すシーン、「あの時の驚きと憧れがあったから〜」って歩夢の台詞の後に「あの時」のベンチのカットが入るのよすぎる
・スイスからやってきて「お台場は第2のふるさと」とまで思うようになったエマちゃんが、「せっかくだから日本文化を体験してもらおうと思って(うろ覚え)」と今度は日本を紹介してもてなす側に立ってるのよすぎる
→日本文化として屋形船を手配したのがまた留学生のランジュなのも

・「ミアテイラーもいるじゃん」ってテイラー家の家格とか知名度が勝った呼び方なんだろうね。野球選手を呼び捨てするように、有名で距離が遠い人を呼び捨てるのはよくあることで(まさに中高生をターゲットにした読者モデルである果林ちゃんをその中高生が「朝香果林さん」とさん付けで呼ぶのとは矛盾しないと思う)、これはわりと誰でも共感できるセリフな気がする
・R3BIRTH曲のOP、最後のレインボーブリッジと虹のカットだけ違うタッチで2期のキービジュ準拠になってるのウオ

写真とかないかな

 まだ鑑賞してからお台場に行けてないので、手持ちからそれっぽい写真を探してみます。

アイラと栞子が話してたとこ より少しだけ台場側
エンディングの集合写真はこの辺で撮ったっぽい
なんとなく「松竹」って文字入れたい
双眼鏡ができたのはわりと最近
NEXT SKY
春夏はクラゲがやばいので気をつけましょう
エンディングでしずくがいた気がする
→MVで栞子がいたかも
レインボーブリッジ遊歩道の芝浦側

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