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私の物語100(-11)作

 TLの皆さんがやってらっしゃったので、僕もやってみようと思う(紀貫之?)。
 自覚的にオタクをやっている歴はせいぜい数年で、幼少から多くの物語に親しんできたわけでもなかった。偏りまで楽しみながら振り返りたい。なお、小説に限定することも、作者ひとり1冊などの条件を設けることもしない。
 100には届かないかもしれないし、選定基準もだいぶあいまいだけれど、以下に挙げる作品すべてが今も大切であることだけは間違いないはずだ。

〜小学生

1.ゲームフリーク「ポケットモンスター エメラルド」(ゲーム)
2.OLM「ポケットモンスター アドバンスジェネレーション」(アニメ)
3.OLM「ポケットモンスター ダイヤモンド&パール」(アニメ)

 説明不要。フツーの小学生の物語観はポケモンによって養われる。
 この頃連れ回していたバシャーモはいまだに相棒である。彼は僕が小2の頃、ハワイアンズからの帰りのバスでレベル100になった。

4.円谷プロダクション「ウルトラマンガイア」(特撮)
5.東映「仮面ライダー電王」(特撮)

 説明不要。フツーの児童の物語観はウルトラマンと仮面ライダーによって養われる。TSUTAYAでビデオ(ビデオ!)を借りて何度も観た。

6.藤田和日郎『うしおととら』(漫画)

 はじめて一気読みした漫画。いわゆる「おばあちゃんち」で何時間も座り込んで、食い入るように読んだのを覚えている。内容は覚えていない。

7.OLM「イナズマイレブン」シリーズ(アニメ)
8.OLM/レベルファイブ「イナズマイレブンGO クロノ・ストーン」(アニメ/ゲーム)

 説明不要。2023年現在で20代前後を生きる普通の青年たちは、イナイレで物語観を(以下略)。とくに「クロノ・ストーン」は初めてそれと意識したSFだった。

9.OLM/レベルファイブ「ダンボール戦機」(アニメ/ゲーム)

 今見るとだいぶ説教くさいのだが、それもまた少年向けアニメの役目なのかもしれない。これもこれでSFだろうに、このアニメが僕に植え付けたのは「晴れの日の近未来都市が好き」、みたいな感覚だった。わりとこの頃の生き方に直結している気もする。
 道徳、正義、勧善懲悪……。「イナイレ」や「ダンボール戦機」は子供向けアニメとしての使命を背負っていたはずだから、教科書的ともいえる物語の構成はそこに因るのだろう。それなのにいま鑑賞し直すと「ダンボール戦機」の方が説教くさく感じてしまうのはなぜか、と考えてみると、その一因は「大人」と「子供」の対比にあるのではないかと思い至った。「ダンボール戦機」において悪役に回るのは常に凝り固まった大人たちで、善人である八神や宇崎さえも、大人であるがゆえに主役にはなりえない。世界に一石を投じるのはいつだって、柔軟で未来のある子供達なのである。……という話を大人になった今見るのだ。そりゃ感じ方も変わるというものである。

10.チュンソフト「ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊」(ゲーム)

 名作。内容もさることながら、プレイした環境がよかった。鎌倉かどこかのカフェのサンルームで、談笑する家族をよそに僕はダークライと戦っていた。

11.スクウェア・エニックス「ブレイブリーデフォルト」(ゲーム)

 もうここまで来た!? だいぶ入れ忘れている気がする。恥ずかしながらはじめてまともにストーリーを読んだゲームで、今に至るまでダークファンタジーを好んでいるきっかけとなった作品でもある、と思う。初めて覚えた英熟語は「リングアベル」だったんじゃなかろうか。

12.レベルファイブ「ファンタジーライフ」(ゲーム)

13.大高忍『マギ』(漫画)

 はじめて自分で買った漫画。4巻を読んでいるあたりで全巻揃えることを決意したんだったと思う。

14.荒川弘『銀の匙』(漫画)

 サンデーっ子の僕にはマギとともに毎週の楽しみだった。荒川弘の初読みがこっちなのもなかなか珍しいかもしれない。

15.小畑健・大場つぐみ『バクマン。』(漫画)
16.篠原健太『SKET DANCE』(漫画)
17.島袋光年『トリコ』(漫画)
18.久保帯人『BLEACH』(漫画)

 ジャンプ漫画4連発。兄の本棚が僕のジャンプのほとんどすべてだった。トリコは自分で買ってた。

19.雷句誠『金色のガッシュ‼︎』(漫画)

 兄の本棚シリーズ。

20.畑健二郎/J.C.STAFF『ハヤテのごとく!』(漫画/アニメ)

 低学年の頃、今は亡き祖父のベッドで見てた記憶がある。思い返すと色々込み上げてくるけれど、漫画を買うに至ったのは高学年になってからで、全然違うタイミングだった。

21.サンライズ「TIGER&BUNNY」(アニメ)

 珍しく兄が深夜アニメを見ていたので、横から覗いていた。当時から折紙サイクロンが好き。

22.古味直志/シャフト『ニセコイ』(漫画/アニメ)

 ラブコメとして読んだラブコメはこれが初めてだったかもしれない。10巻ぐらいから死ぬほど絵が上手かった。

23.J.C.STAFF「とある科学の超電磁砲」シリーズ(アニメ)

 急にこっち方面に舵を切ったようでいて、こう並べると順当な変化に見えなくもない。根っからの逆張り気質で、家族がオタク文化に不寛容だからこそ敢えてそちらに手を出す少年だった。小6が妹達編を見たらそりゃそうなるよ、ってぐらいにはショックで、しばらくなにをするにも上の空だった記憶がある。

24.宮崎駿/スタジオジブリ「千と千尋の神隠し」(映画)
25.細田守/マッドハウス「サマーウォーズ」(映画)

 フツーの少年のアニメ映画観は、金曜ロードショーによって養われる。セリフを覚えるまで見た初めてのアニメだろう。

中学時代(2014〜2017)

26.A-1 Pictures「ソードアート・オンライン」(アニメ)

 中1は何をやってたんだか全く思い出せない。中2でSAOを観たあたりで時が動き出し、10年代定番ラノベ少年となる。

27.渡航/ブレインズ・ベース『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(小説/アニメ)
28.暁なつめ・三嶋くろね/スタジオディーン「この素晴らしい世界に祝福を!』(小説/アニメ)

 オタク少年の胎動、といった感じ。2作を並べていることからもわかるように、今でも「俺ガイル」にはコメディとしての理想を見ているところがある。

29.西尾維新/シャフト『<物語>シリーズ』(小説/アニメ)

 僕ってもしかして言葉遊びとか超好きなんじゃねえか、という大発見があった。視覚情報なしでも楽しめてしまうアニメで、皿を洗いながら見ていた記憶がある。

30.山形石雄『六花の勇者』(小説)

 7巻はもう一生出ないのだろうか。

31.J.C.STAFF「selector」シリーズ(アニメ・劇場版)

 はあ、あなたが岡田麿里さんですか、お噂はかねがね……。なにかしらのアニメ映画(多分「ガラスの花と壊す世界」)を観たときに、CMで流れた曲が決め手となって視聴した。
 この手のアニメにしてはかなり心ある結末だと思う。シンプルな鬱アニメは胸を張って「好き」と言うのが憚られるところがあるが、selectorはその点「大好き」と言っていい。

32.荒川弘『鋼の錬金術師』(漫画)

 ダークファンタジーのスタンダード。ものすごい筆力。

33.天野こずえ『ARIA』(漫画)

 心の拠り所。

34.米澤穂信『<古典部>シリーズ』(小説)

 人生の始まり。

35.徳能正太郎/動画工房『NEW GAME!』(漫画/アニメ)

36.石塚千尋『ふらいんぐうぃっち』(漫画)

37.鴨志田一『<青春ブタ野郎>シリーズ』(小説)

 高校受験期の冬に、寒い部屋に座り込んで読み耽った記憶がずっとある。

38.枯野瑛『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』(小説)

39.ヤオヨロズ「けものフレンズ」(アニメ)

40.はりかも/J.C.STAFF『うらら迷路帖』(漫画/アニメ)

 きらら版ハガレンと呼んでいます。

41.A-1Pictures「劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」(アニメ)

 高校入試の翌日が公開日で、朝イチで観に行った。以来僕の観る「劇場版」の基準になっている。

高校時代(2017〜2020)

42.西尾維新『<戯言>シリーズ』(小説)

 入学後2ヶ月くらいはずっと戯言を読んでいた。半個室の創作料理屋で、向かいの親を差し置いて『クビキリサイクル』を一気読みした。遠足の行きのバスで『クビシメロマンチスト』を読み、当然酔った。

43.米澤穂信『さよなら妖精』(小説)
44.米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』(小説)

45.GoHands「生徒会役員共」(アニメ)

 調整したわけでもないのに「45」の番号になってしまうあたり、作品の魔力を感じる。僕の浅沼晋太郎その一。

46.バーネット『秘密の花園』(小説)

 初めて仲良くなったフォロワーさんに薦めていただいた作品。僕も心に花園を持ちたい(?)。

47.京都アニメーション「リズと青い鳥」(アニメ)

 チネチッタの復刻上映で鑑賞。はじめに「なんかすごいもん見せられたのでは」というもやもやがあって、あとからそれが「好き」ってことなんだと気が付く、みたいな段階を踏んだ。古典部や、のちの虹ヶ咲も同じである。

48.京都アニメーション「響け!ユーフォニアム」(アニメ)

 薔薇色の方の青春のほぼすべて。汗と化粧と制汗剤の匂いつき。

49.市川春子/オレンジ『宝石の国』(漫画/アニメ)

 「リズと青い鳥」を百合と呼ぶなら僕は百合が好きだし、フォスシンも然り。

50.つくみず/WHITE FOX『少女終末旅行』(漫画/アニメ)

 感想を言語化できない。漫画原作では『ARIA』に並ぶくらい好き。

51.P.A.WORKS「さよならの朝に約束の花をかざろう」(アニメ)

52.樫木祐人/Lerche『ハクメイとミコチ』(漫画/アニメ)

 大人になってもこんな人生を送れたらどんなにか。

53.あfろ/C-Station『ゆるキャン△』(漫画/アニメ)

 最高の冬。

54.米澤穂信『ボトルネック』(小説)

55.伊藤計劃『ハーモニー』(小説)

 三日ぐらい何もできなくなった。

56.サンライズ「ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」(アニメ)

57.秋山瑞人『猫の地球儀』(小説)

58.野崎まど『バビロン』(小説)

59.ロスタン『シラノ・ド・ベルジュラック』(戯曲)

60.京都アニメーション「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」(アニメ)

61.入江亜季『北北西に雲と征け』(漫画)

大学時代(2020〜現在)

62.任天堂「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(ゲーム)

63.モノリスソフト「Xenoblade Definitive Edition」(ゲーム)

 ワンオブ人生最高のゲーム。復讐から旅が始まるのがあまりにもダーク。僕の浅沼晋太郎その二。

64.ハルフィルムメーカー「ARIA」シリーズ(アニメ)

 アニメを全話通し見たのは大学合格後の春休みだった気がするので、ここで二度目の登場としておく。

65.Studio 3Hz・アクタス「プリンセス・プリンシパル」(アニメ)
66.サンライズ「コードギアス 叛逆のルルーシュ」(アニメ)

 大河内一楼先生は「嘘」という概念に対してものすごいシビアな目線を向けているなあと思った。

67.PINE JAM「Just Because!」(アニメ)

68.入間人間『安達としまむら』(小説)

 これを百合と呼ぶなら、僕は百合が好きだ。

69.サンライズ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」(アニメ)
70.犬井楡『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 素顔のフォトエッセイシリーズ〜Rainbow Days〜』(フォトエッセイ?小説?)
71.ミヤコヒト『にじよん〜ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 よんこま〜』(漫画)
72.サンライズ・中須かすみ「無敵級*ビリーバー」(MV)

 ありがとう。

73.ミレニアムキッチン「ぼくのなつやすみ」シリーズ(ゲーム)

 小学生か、それ以前にPS2で「ぼくのなつやすみ2」をプレイして、大学入学後に出会い直した。今の小さい子たちは昭和の夏休みにノスタルジーを感じるのだろうか。

74.カツヲ/SILVER LINK「三ツ星カラーズ」(漫画/アニメ)

 虹ヶ咲の河村・横田両氏が携わっていたことをだいぶ後になって知った、どころか知らずに東京ビッグサイト最寄りのサイゼリヤで原作を読んでいた。言われてみれば、気取らない日常の空気感が通底している。

75.宮沢伊織『裏世界ピクニック』(小説)

 これを百合と呼ぶなら(以下略)。

76.Quro/動画工房『恋する小惑星』

 文化部で送る薔薇色の青春。つらさが省かれている分、ユーフォなんかと比べるとリアリティには欠けるけれど、こういうキラキラも大好きだ。

77.2021年プロ野球パシフィック・リーグ(野球)

 オリックスを主人公だと思えば大したドラマである。

78.大澤めぐみ『Y田A子に世界は難しい』(小説)

 一冊完結の小説では一番好き。僕の好むものがほぼすべて詰まっている。

79.A-1 Pictures「アイドルマスター シンデレラガールズ」(アニメ)

 恋アスに対するユーフォ、ラブライブに対するシンデレラガールズといった感じで、職業アイドルの苦みまで描かれている。本当に感覚的な話だけれど、ラブライブは「キラキラで苦みも乗り越える」、アイマスは「苦いがそれでもキラキラしている」といった感じがする。
 アイドルアニメのスタンダードは個人的にこっち。

80.時雨沢恵一『キノの旅』(小説)

 旅人としての自衛と人の心とのバランスが好き。と、書いている今気が付いた。「優しい国」「歌姫のいる国」あたりがすぐに思い浮かんだ。

81.桜庭一樹『GOSICK』(小説)

 少女漫画を読んだことのない僕が「少女漫画みたい」と感じた小説。御殿場線の車内や閉館直前のヴィーナスフォートで何冊か読んだ。タイバニ以来のザ・「凸凹コンビ」。

82.桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』(小説)

83.森見登美彦『四畳半神話大系』(小説)

 僕の浅沼晋太郎その三。俺ガイルが好きな中学生、西尾維新が好きな高校生がそのまま大学生になれば、森見登美彦も好きだろう。

84.森見登美彦『有頂天家族』(小説)
85.森見登美彦『恋文の技術』(小説)

86.マーサ・ウェルズ/中原尚哉『マーダーボット・ダイアリー』(小説)

87.OLM「劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス」(アニメ)

 タイトルの順番、「ラティアスとラティオス」なんだよな。

88.OLM「劇場版ポケットモンスター ルギア爆誕」(アニメ)

 台詞回しが巧みで、ポケモンの映画を観たのに演劇とか小説とかに近い後味があった。劇場版のジャイアンじゃないが、本作のロケット団には自分たちが脇役であることを弁えているふしがあって、それが良い味になっていた。

89.ゲームフリーク「ポケットモンスター バイオレット」(ゲーム)

 サンキューフレンズ。

おわり

 100挙げるというのがまずいろんな意味で大変だったのだけれど(というか届かなかったけれど)、「物語」に限定するのも難しかった。ここに挙げなかったゲームでも、「モンスターハンター3G」「ポケットモンスター ブラック」「とびだせ どうぶつの森」と、今の僕の糧になっているタイトルが数多くある。だが、これらを「物語」として受け止めていたかというとちょっと微妙なのだ。

 そんな具合で僕の「物語100作」でした。作品紹介というよりは自己紹介の色が強くなってしまったけれど、ここまで読んでくださった皆さんにとって少しでも得るものがあったなら、それほど嬉しいことはない。
 ありがとうございました。


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