Ami 第13章‐青いプリンセス①
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「ペドロ、愛することが難しい人がいると言いましたよね。」
「そうだね。」
「愛さないことは悪いことでしょうか?」
「もちろん。」と僕は答えました。
「どうしてですか?」
「愛が基本法であるって言ってたよね。
それが全てだってね。」
「私が、言ったことは忘れてください。
もしかしたら、私があなたを騙しているとか、私が間違っているとか、そういうことを想定して、愛のない宇宙を想像してみるのです。」
僕は、誰も人を愛さない世界を想像し始めました。
みんな冷たくて自己中心的でした。
連帯感がないと、アミが言ったように、エゴにブレーキがかからないのです。
誰もが戦い、自滅していく…。
僕は、彼が言っていた、宇宙崩壊を引き起こす可能性のあるエネルギーを思い出したのです。
僕は、非常に力のある人が、激しい狂信的な、あるいは自分の破滅さえ気にしないほど傷ついたエゴで、そして、ただそのエゴのために『消滅ボタン』を押している姿を想像しました。
銀河が連鎖的に爆発した!?
「もし、愛がなかったら、宇宙はもう存在してないと思うよ。」
と僕は言いました。
「すると、愛は 『建設』することであり、愛の欠如は『破壊』することと言えるのでしょうか?」
「そうだね。そう思うよ。」
「誰が宇宙を創ったのですか?」
「神」と僕は答えました。
「もし、愛が築かれ、神が宇宙を構築したのなら、神の中に愛があると思いますか?」
「もちろん!」
僕は、銀河や世界や星を想像しました。
すると巨大で輝く存在のイメージを得たのです。
「そのヒゲは、取って下さいね。」
とアミが笑いながら言いました。
またしても完全に読まれていたのです。
僕は、ひげのある人間の姿で神を想像していたのですから。
でも、今度は雲の中ではなく、星の輝く宇宙の真ん中にいたのですがね。
「では、神には愛があると言えるのでしょうか?」
「そう思うよ。」と僕は答えました。
「では、なぜ神は宇宙を創られたのでしょうか?」
僕は長い間考えましたが、答えは分かりませんでした。
そして「その質問に答えるには、僕はまだ若すぎると思わない?」
と抗議したのです。
アミは僕を無視して、
「どうして、その『ナッツ』をおばあちゃんに持っていくのですか?」
「おばあちゃんが喜んでくれると思うからだよ。」
「どうして喜ばせたいのですか?」
少し考えると、答えが見えてきたのです。
「だって......。
僕はおばあちゃんを愛しているからだよ。」
愛する人の幸せを願うことも、愛のひとつなのだと知り、驚いたのです。
「では、なぜ愛は、人や世界や風景や味や色や香りを創り出すのでしょう?」
「それで僕たちは幸せになれるから!!」
僕は、知らないことが理解できたことに喜びを感じ、こう叫びました。
「とても良いことです。
では、なぜ大いなる心は、私たちに幸せになってほしいと願っているのでしょう?」
「僕たちを愛しているからだよね!」
僕は再び叫びました。
「完璧です。
愛に勝るものはないのでしょうか?」
「それが一番大事なことだって言ったよね。」
「私が言ったことは忘れてくださいとも言いました。」
と彼は微笑みながら答えたのです 。
「愛に勝るものは知能、知性、だと考える人たちがいます。
どのように、その『ナッツ』をおばあちゃんにあげるつもりですか?」
「どうやってサプライズの準備をするかだよね。」
「そのために知能を使うのでしょう?」
「もちろん、どうしたら、おばあちゃんが、一番喜んでくれるかを考えるよ。」
「それなら、あなたの知能は、あなたの愛に従い、その逆も然りですよね?
おばあさんの幸せを願うのは、あなたの愛と知能、どちらが原点なのでしょうか?」
「ああ!僕の愛だよね。
そこですべてが生まれるんだね。」
「そうです。
そこで、全てが生まれるのです。
神の愛から宇宙が生まれ、人間の愛から人間の偉大な動機と業績が生まれ、少なくとも良いものが生まれるのです。
では、すべてのものは愛から生まれると言いましたが、神とは何ですか?」
と、彼は尋ねました。
「ああ!神は愛なんだね。
君が何度もそう言ったし、聖書にもそう書いてあるよね。
でも、僕は、神は多くの愛を持った人だと思ってたんだ。」
「いいえ、人ではなく、「彼」でもありません。
神は愛そのもの、愛は神、つまり、愛=神なのです。」
少し考えてから、僕は言いました。
「アミ、その考え方は理解できるけど、やっぱり、意味がわからないよ。
感情がどうして『神』になるの?」
「愛は力であり、振動であり、エネルギーであり、それは例えば『センサー』のような適切な器具で測定することができると言いましたよね。」
「うん、覚えてるよ。」
「光もまた、エネルギーや振動なのです。」
「そうなの?」
「そうです。
そしてX線も赤外線も紫外線も、そして思考も、すべては同じ『物質』が異なる周波数で振動しているのです。
周波数が高いほど、物質やエネルギーは上質になります。
石も思考も同じ『物質』が異なる周波数で振動しているだけのです。」
「君の言っている『物質』とは何なの?」
僕は尋ねました。
「愛です。」
「本当に?」
「本当です。
すべては『愛の塊』からできているのです、ペドロ。」
「それなら、神は純粋な愛で宇宙を創ったの?」
「愛のエネルギーは物理的な形をとって、宇宙とその中のすべてのものに『変身』します。
原子に、石に、星に、雲に、あなたに、私に......。」
「だから......僕は神ってこと?」
アミは微笑んで言いました。
「海水の一滴は、同じ物質からできていても、自分が海であるとは言えません。
そして、あなたも同じ『物質』でできていて、愛なのですが、あまり高くない周波数で振動しているのです。
進化は、振動数を上げることで成り立つのです。」
「何の振動数なの?」
「もちろん、自分自身の、思考と感情です。
憎しみは非常に低い振動数で、愛が最も高い振動数です。
あなたが『僕』と言うとき、どこを指しますか?
体のどこを指しますか?
『僕』と言っている自分を指さしてください。」
僕は人差し指で胸の中心を触って、『僕』と答えました。
「どうして鼻の先とか、おでことか、のどとかを触らなかったのですか?」
他のどこかを触って『僕』と言っていると思うと、笑いがこみ上げてきましたのです。
「なぜ胸を指すのかわからないよ。」
僕は笑って言いました。
「なぜなら、そこが『あなた』が本当にいる場所だからです。
あなたは愛だからです。
あなたは、至高の感情、偉大なる愛の海に浮かぶ、小さな愛の一滴です。
そして、あなたは、自分の心に自分の居場所を持っているのです。
あなたの頭は、潜水艦でいうところの『潜望鏡』のようなものです。
潜水艦の潜望鏡のようなもので、『あなた』があなたに仕えるために、また外のものを認識できるようにするためのものなのです。」
そして、彼は僕の胸に触れました。
その外のものを知覚することが出来る『潜望鏡』である頭の中には、『コンピューター』である脳があり、その脳には『知的中枢』、つまり『新皮質』があります。
この脳で、あなたは自分の世界の物事の成り立ちを理解し、身体の中心で、自分の生命機能を組織化するのです。
手足は、ある場所から別の場所に移動したり、物を操作したりするのに役立ちますが、あなたはここにいるのです。」
彼は、再び僕の胸の中心に触れました。
「あなたは愛なのです。ペドロ。
ですから、あなたが愛に対して行う行為は、あなた自身に対する行為であり、宇宙全体に対する行為でもあるのです。
だから、宇宙の基本法則は愛であり、神の真の名は愛なのです。
スピリチュアリティとは、愛、すなわち波動、思考、感情、善い行動を体験し、届るために愛に近づくことにあるのです。」
「アミ、考えてみるよ。
そうすれば、もっとはっきり見えるようになると思うんだ。」
ありがとう。」
https://note.com/hedwig/n/n14001593d20f
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