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世の中に対する解像度と運の話

「解像度」、よく物が見えるという意味で使われますが、この記事では単に自分に興味があることや経験したことに対して理解が深いということ意味ではありません。興味があることに自然と詳しくなることはよくありますが。

ある人と話した際に、職業を昼職と夜職という区別?をしていて、口には出さなかったのですがとても驚いたことがあります。そのような世界観の人間と初めて話したのと、なぜ同じ空間にいるのか?!くらいの衝撃でしたが、人によってはホワイトカラーの事務仕事に対する解像度なんかはそんなものなのかもしれません。

事務なんか興味がない人には全部同じ

普通に生活していたらお店の販売員とか公務員、警察、教員、絵を描いたり音楽を作る人くらいしか接点もなかったかもしれないし、何やら書類を作ったり意思決定する中の人に対する解像度は平社員・管理職・社長くらいの区別しかなかったとしても仕方がないのかもしれない。

サラリーマンが同じ会社で働いていても営業とバックオフィスでは相互に何をやっているのか必ずしも理解できていませんし、私が以前の記事で書いたファイナンス部門の中の様々なキャリアの選択肢や適性みたいな話も解ろうとする人にしか解らないしそもそも読まれないでしょう。普通は経理の人で終わりですし出張の経費精算する人以外は接点があるかも怪しい。しかしながら、「その道でプロになろうと思うならば」、それなりに高い解像度でファイナンス部門の仕事や求められる適正を理解しないまま何となく資格の勉強をしたところであまり意味はありません。見えてない状態では適切なゴール設定もできないし道もわからないのだから。
これはその人の育った環境や本人の想像力の問題でもありますが、まずは「(世の中が)全く見えていない」という事実とその状態で人生の重要な意思決定をすることがヤバいということを認識することがまずは最初のステップかと思います。
何かを上達するためにはまず目が良くならないと無理ですし、良い意思決定をするためにもまずよく見えているということが重要です。物事の良し悪しをまずそれなりの粒度で認識できないと始まらない。解像度を上げるためにはキャリアや人生そのものに真剣に考えて取り組んだり、耳の痛いフィードバックからも安易に逃げないくらいしか方法はないと思いますが。

ではそれなりの解像度で世の中や将来を見ることができるようになったとして、どうすればチャンスを掴めるのか。
いわゆる成功者に成功した要因を聞くとよくあるパターンとして「運が良かった」というのがありますが、ここでいう運が良い悪いというのは宝くじに当たるというような純然たる確率の意味ではなく、普段の習慣や選択、付き合う人間の質などから導かれるものを運と呼んでいるのだと解釈しています。簡単に言えばその人の意思決定の質のようなものではないだろうかと。
CEOに出世に必要なものを聞いたらGet Lucky !!だったり、人事が採用時に運が悪いやつは採らないとか、至る所で運という説明が難しい謎のパラメーターが出てくるのですが、その人の総合的な習慣、モラル、思慮深さ、人の縁、のようなものを表すものと思えば直接的なSTRやINTよりもLUKの方が遥かに大事に思えます。

毎日毎日が昨日までの自分のしてきたことの答え合わせだとするならば、チャンスを掴んだり人から支持されるような人はそれに見合う努力や普段の行いをしているものです。
逆説的には運が悪い人はいろいろと悪いものを引き寄せているというか、身の回りに運が悪いことが起きるならば何かしら習慣や環境に問題があるわけで。その人がどうなるのかはその人の人間関係や親しい人を見れば予想できると思います。付き合っている人間関係に影響を受けながら染まっていきそれらの平均値的なところに落ち着く感じでしょうか。
また、何をやってもアマチュア止まりという人もいます。やっている本人は大真面目かもしれませんが、本物に触れる機会がなかったのかロールモデルがいなかったのか一流になるのになにが足りないのがわからないっぽい。これも解像度が低いということだと思います。
したがって、子供を名門校に入れるために中学受験をやらせたり、就活で大企業に行った方がいいというのも概ね、周りの環境が良いということに尽きます。雑に言えば環境がいいところに放り込まれれば人はそのように染まりますし、その集団から求められて構成員となるために受験やら学チカやら職務経歴で自分のしてきたことを証明することに繋がるわけです。繰り返しますが、付き合っている人間の平均値的なところに落ち着くもので、多様性とか言って変な人間にあえて近づくことに意味があるとはあまり思えません。

さて、ここまでの話を踏まえて個人的にはここでいう運が良い人間との縁を大切にしつつ、運が悪い人間とは距離を置くのが正解だと思っています。自分が誰に影響を与えて誰から影響を受けるのかはよく考えた方がいいです。
多くの人は怠惰で本気で変わろうなどとはしないものですし、ビジョンなく流されるままでは人は変わらない。その時はもっともらしく反省したりするものですが、口で何を言おうがその人の行動に現れるものが本心でしょう。ほとんどの場合は運が悪い人間と向き合っても何も変わらず無駄に時間が過ぎていき、時間とともに彼らの条件は悪くなっていきます。当たり前ですが。
身も蓋もないオチですいません。

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