ボドゲ関白

ボードゲームをこよなく愛するプログラマです。宝石の煌めき放浪記と題して、ゲームAIによ…

ボドゲ関白

ボードゲームをこよなく愛するプログラマです。宝石の煌めき放浪記と題して、ゲームAIによる最善手の解析結果や、ゲームAI開発の進捗など、広くボドゲに関する知見を発信していきます! 現在のSplendorAIの最新バージョンは、Genbuです。

最近の記事

詰めSplendor①

最近の対戦で、難しい局面に出くわして、振り返ってみると詰み筋を逃していたことに気づいたので、書いてみる。 局面は以下の後手の手番。黒白青貴族をめぐる攻防で先手に先行されていて、点数的にもリードされ後手としてはかなり厳しい状況。しかし後手にはほぼ勝ちが確定する、かなり強力な一手が存在する。 それは、△+白赤-青緑のトークン入れ替えである。先手は予約枠に白5を予約していて、白or金が1枚入れば2点+貴族3点でかなり優勢となる。予約枠は埋まっているため、これを防ぐには白を回収す

    • ついに人知を超えたか・・・?【宝石の煌めきAI】

      これまで、宝石AIの強化学習をコツコツ続けて、パラメータ調整した結果、ここ最近本当に強くなってきている。  定期的に筆者自らAIと対戦して、ざっくり強さを確かめて、以前までは、3回に1回負けるくらいだったが、ここ数日間で7戦全敗と全く勝てなくなった。 しかも、その7戦とも筆者が先手番にも関わらず、である。先手が有利と言われている宝石の煌めきで、7戦とも先手番で7連敗するというのは相当のことだ。 とあるAI戦にてとあるAI戦で、身の毛のよだつ一幕があった。 下図は先手筆者(

      • 最善手はどれか・・・?【宝石の煌めき】

        とある日のBGAでの対戦にて。 レート格上の相手との対戦で、難しい局面に出くわした。 以下はその時の盤面で、私が先手で相手が後手である。 お互い2点カードを取り合って、形勢はほぼ互角だが、こちらの予約枠が埋まっている分、ややこちらが劣勢といったところか。金が2枚あり、取れる手はかなり広い。 この局面であなたならどの手を選ぶだろうか・・・? まず青系統のカードを予約しているため、2行1列の青1点を購入する手が見える。1点取りつつ青を増やせるので、一見すると良い手のように見

        • 宝石の煌めき(Splendor)AIの開発記録②

          宝石トークンの交換手開発記録①で調査した3つのリポジトリでは、いずれもトークンの交換手が用意されていなかった。それゆえに、宝石トークンの交換をできないという制約の中でプレイするしかなく、実際の宝石の煌めきよりも狭い範囲での戦いとなってしまい、そもそもこの環境で強いAIを作ってもなぁ・・・、という気持ちであった。 実際、BGAで上位帯と戦っていても、トークンの交換はザラに行われているし、交換手は宝石の煌めきにおいて重要な行動だと思う。 ただ、真面目にトークンの交換を実装しよ

        詰めSplendor①

          宝石の煌めき(Splendor)AIの開発記録①

          宝石の煌めきとは 宝石の煌めき(Splendor)は、ボードゲームアリーナ(BGA)でカタン・カルカソンヌを凌いで人気ランキング1位になるほどの人気ボードゲームである。 筆者も今年の正月に初めてプレイして、どハマりし、現在に至るまで対面・オンラインで対戦しまくっている。  以下、宝石の煌めきのルールを説明する。ご存知の方は、次節まで読み飛ばされたい。 2〜4人プレイのターン制ボードゲーム 各プレイヤーは、先手から順に 宝石トークンを取る。 1枚ずつ3色か、場に4枚以上あ

          宝石の煌めき(Splendor)AIの開発記録①