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シアバターを髪に馴染ませるオジサン

私は現在、美容院にて4,000円程で髪を切ってもらっている。
以前は1,000円台のカット専門店を利用していた。
その当時の毎日のスタイリングは、ワセリンで流れを付けて整える程度だったが、今は"シアバター"配合の、全身に使える自然派由来のもので適度な"ツヤ感"を演出するようになった。
ワックスなどを使用した方がもちろんキマるのだが、そこは洗い落とす面倒さが勝った。

そのシアバターうんぬんのクリームのようなものは、以前のワセリンに比べたら当然、割高である。
4,000円台の美容院に変えてしばらくした、ある日、通う周期をもとに日割りで計算して以来、その算出された額が妙に気になってしまい、あまり適当に扱うのはもったいないのではないかと、元来よりの貧乏性気質を突き動かされ、幾分、力を入れるべく、シアバターを取り入れることとなった。
実際は貧乏性ゆえ、そのシアバターをワセリンで割り増しして使っている。
まさか40過ぎの男がこんなに"シアバター"を連呼する日が来るとは。
ドラマ"不適切にもほどがある"にて、「まさか私が宜保愛子じゃないと言う日が来るとはね」と言っていた吉田羊みたいな。
今使ってみて、「〜みたいな(?)」って死語っぽさを感じたが、どうなのだろう。

それはそうと、しかし、例えば、たこ焼きなんかでも8個で600円なら、「この小さいのが1個7、80円か」と、一応、軽く算出するようなことはあるし、これは結構普通の感覚なはず。
そして、髪においても、なるべくそのスタイルが長続きするような、いわゆる"もち"の良さを重視する人は多いと思う。
でもそれは、ひと月ふた月といった大まかな話で、日割りで算出する人はいないだろう。
私は貧乏性だが、ずぼらでもあり、金銭面においてはそこまで細かく気にせず、それゆえ貯まらないのだが、しかし、不用意に日割り計算してしまい、そのリアルな額を目の当たりにした結果、こうして"シアバター"を導入せざるを得なくなった。

この感じで家賃まで日割り計算してハッキリとした数字を算出したら、元を取るべく、外に出られなくなりそう。
"木を見て森を見ず"といったところか。
どれが木で、何が森にあたるのかはわからないが、なんとなく。

しかし、寄る年波で、全体的にパーツが下に落ちてきた自身のくたびれた顔を、明るい店内の美容院の鏡でマジマジと目の当たりにすると、「わざわざこんなところで髪の毛をどうこうしたとて」と感じてしまう。
ただ、それが徐々に仕上げられていくのに乗じて、その後ろ向きな感情は払拭されていき、最終的には清々しい気分で店を後にする。

美容師さんにはホント、感心する。

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