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カブの旅 第43話「伊保石公園」

めちゃくちゃ気持ちいいぞ、と誰かが言っていた。

イリヤの空、UFOの夏/秋山瑞人

めちゃくちゃ気持ちがいい時、上記の『イリヤの空、UFOの夏』の冒頭文を思い出す。

今年の夏はおかしなもので、めっぽう暑かったと思いきや、それ以降は暑いどころか晴れもせず、曇りや雨ばかりの日々が続いた。それはこっちの地方だけかもしれないが、その梅雨が再びやってきたような陰鬱な天気は、さすがのヒキコモリストの僕でさえ、「次晴れてて暇な日があったらカブのエンジンをぶん回して走りにいくぞ」と思わせた。

そしてようやく晴れたこの日。しかし猛暑日とまではならない適度な天気。
日差しと風を浴びるのは、めちゃくちゃ気持ちがよかった。

バイクは危険とか雨に濡れるとか言われて敬遠されがちだが、気持ちいい時はすこぶる気持ちいい乗り物だ。

こんな日に走っていると身体の湿気が取り除かれていくのを感じる。だから僕はこの感覚を密かに「虫干し」と呼んでいる。

  *

これは少々余談だが、最近ダックス125やハンターカブ125の新型(マイナーチェンジ)発売の情報が出てきて、買うならどっちにしようかなと、まず買い替えるかも決めていないけど迷っている。どちらもカブ110の不足ポイント(馬力やブレーキなど)を補える車種だからだ。

この日は片道15km走った。やや郊外でスピードが乗る区間もあったが、やはり70km/hくらい車が出す区間だとカブ110は厳しい。エンジンが限界感出る。しかしそれ以外は大丈夫だった。登り坂などはぐいぐい登るし。つまり速い区間でさえなければカブ110で全然大丈夫だなと思った。

が、最新スペックは欲しいっちゃ欲しい。安全面にも優れているだろうし。やはり悩ましい。

  *

伊保石公園は塩釜市にある。塩竈神社から北へ、高台に登るようにしていくと辿り着く。ここを目的地としたのは、海を見下ろせる展望台があると知ったからだった。

本当は松島のやはり海を見下ろせる展望台まで行こうとしていたが、この日は日曜日なので、松島は混むと思いやめにした。

相変わらず空が開けていて気持ちがいい岩切から多賀城方面へ泉塩釜線を走り、金華山道から利府に向かうように逸れ、あとは高台へと登っていく。途中から標高が高くなっている気がして、絶景の期待が膨らむ。

到着すると遊具広場で子供達が遊んでいた。駐車場は10台ほどで、他の入り口の方にも駐車場はあるが、やや離れている。一回別の入り口に行った時思ったが、結構敷地が広い。公園というか森林公園、というかもう『森』に近い。熊の出没情報があるくらいには。

奥の方にいくとこれほど道は整備されていなく、草が生え放題なので、ラフすぎる格好はおすすめしない。目当ての展望台までは遠そうだったので、超ラフな格好で来た僕は早々に諦めた。

諦めたのは、ハイキング道入ってすぐのところで、十分良い景色があったからでもあった。

眼下に塩釜湾。右手は塩釜港、左手の方が松島だ。
夜は塩釜港の灯りが綺麗そうだった。

が、公園は夕方には閉まるので、車では来れそうにないので注意。路駐になってしまうのでね。

その分活字を取り込んで吐き出します。