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F1 2023全ドライバー紹介

世界最高峰の自動車レース「Formula 1」、通称F1。2023年シーズンが3月最初の週末に開幕した。

プロスポーツの世界は厳しい。その中でもF1の世界は最も厳しいもののひとつである。
全世界にいるモータースポーツファンの憧れの舞台であるF1。その舞台で戦うことのできるドライバーはたったの20人である。選ばれし20人がしのぎを削り合う舞台こそ「Formula 1」である。

ここでは、そんな世界最速の20人を紹介する。

Red Bull Racing

(@redbullracing)

マックス・フェルスタッペン

国籍:オランダ
カーナンバー:1
優勝:35回
表彰台:77回
年間王者:2回(2021、2022)

元F1ドライバーであるヨス・フェルスタッペンの息子であるマックス・フェルスタッペンは2021、2022年と最近2年のF1チャンピオンである。17歳という異例の若さでF1デビューを果たした。デビュー後、瞬く間に自らの速さとアグレッシブなドライビングを見せ、2年目のシーズンには史上最年少での優勝を果たしている。しかし、そのドライビングスタイルは批判の的となることもあった。直近2年はチャンピオンを獲得し、更に速さと強さを見せている。昨年はF1史上最多となる年間15勝を挙げている。現役最高のドライバーの一人であることは間違いない。また、彼の現在のパートナーであるケリー・ピケの父は3度F1のワールドチャンピオンに輝いたネルソン・ピケ。

セルジオ・ペレス

国籍:メキシコ
カーナンバー:11
優勝:4回
表彰台:26回

ペレスは「チェコ」の愛称で親しまれているメキシコ人ドライバー。デビュー当初はアグレッシブなドライビングスタイルだったが近年では、その渋いドライビングスタイル(タイヤの使い方の上手さ、完走率の高さ等)から職人、仕事人と呼ばれることもある。モナコGPをはじめとする市街地コースを得意としており、4勝のうち3勝は市街地コースで挙げたものとなっている。また、苦労人としても知られている。F1デビュー以来、表彰台を獲ることはしばしばあったが、優勝を果たすことができていなかった。しかし、F1での10年目のシーズン(2020年)で、翌シーズンの契約が決まっていない中、涙の初優勝を果たし、その後レッドブルへの移籍が発表された。

Ferrari

(@scuderiaferrari)

チャールズ・ルクレール

国籍:モナコ
カーナンバー:16
優勝:5回
表彰台:24回

才能あふれるモナコの貴公子チャールズ・ルクレール。ルクレールは悲劇を乗り越えてきたドライバーである。彼の父親はレーシングドライバーであり、ルクレールがレースを始めるきっかけともなっていた。着実にステップアップを重ねていき、2017年にはF2チャンピオンを獲得した。しかし、翌年のF1デビューを前に彼の父は帰らぬ人となってしまう。父は息子がF1カーに乗る姿を見ることはできなかった。また、幼少期からアドバイスをくれていた兄のような存在であった元F1ドライバーのジュール・ビアンキもレース中の事故によって帰らぬ人となった。さらに、少年時代から交流のあったアントワーヌ・ユベールも2019年のF2のレース中に事故に遭い、帰らぬ人となった。ルクレールはこの三人の思いを胸にF1のチャンピオンを目指す。

カルロス・サインツ

国籍:スペイン
カーナンバー:55
優勝:1回
表彰台:15回

2度のWRCチャンピオンであるカルロス・サインツの息子であり、本名は「カルロス・サインツJr.」という。F1史上唯一のスペイン人チャンピオンであるフェルナンド・アロンソに影響を受け、F1ドライバーになることを志した。安定感のあるドライビングが特徴であり、完走率が高いことでも知られる。マクラーレン時代には(フェラーリ移籍後も時々)レース後のラジオで”Smooth Operatooooor”と歌うのが定番となっていた。また、マクラーレン時代にチームメイトであったノリスとは仲が非常に良い。度々、2人の仲の良さが中継などで映される。

Mercedes

(@mercedesamgf1)

ジョージ・ラッセル

国籍:イギリス
カーナンバー:63
優勝:1回
表彰台:9回

前所属チームのウィリアムズの元副代表クレア・ウィリアムズに”one in a million driver”と言わせるほどの逸材であるラッセル。それだけの才能がある中でラッセルは運に見放されることの多かったドライバーだった。ウィリアムズではマシンの速さに恵まれず、入賞することもできていなかったが、マシン性能以上の速さをラッセルは見せていた。3年目のシーズン(2021年)のハンガリーGPにて初入賞を果たし、感極まる場面もあった。その後、2022年には、前年の王者であったメルセデスへと移籍するが、その年のメルセデスは本来の速さがなく、苦しんでいた。その後、チームは調子を取り戻し、シーズン終盤のサンパウロGPにて悲願の初優勝を果たしている。

ルイス・ハミルトン

国籍:イギリス
カーナンバー:44
優勝:103回
表彰台:191回
年間王者:7回(2008、2014、2015、2017、2018、2019、2020)

史上最多タイ7度のワールドチャンピオン、史上最多勝利数、史上最多ポールポジション数などの様々な記録を保持している歴代最高のF1ドライバーの一人であるルイス・ハミルトン。2014年~2020年までの間で6度チャンピオンを獲得している元絶対王者である。2008年にデビューして以来、2021年のシーズンまでの14年間、毎年1勝以上挙げていたが、その記録が昨年途絶えてしまった。また、多くのF1ドライバーは比較的裕福な家庭で育つ中で、ハミルトンは父と二人三脚でF1の舞台へと上がってきた。
ハミルトンはそのファッションセンスなどからモータースポーツ界の外からの注目度も非常に高く、インスタグラムのフォロワー数は現在(2023年3月)3100万人を超えている。著名人との交流も多くあり、トム・クルーズ、ネイマール、ジャスティン・ビーバーなど様々だ。

Alpine

(@alpinef1team)

エステバン・オコン

国籍:フランス
カーナンバー:31
優勝:1回
表彰台:2回

オコンはF1フル参戦2年目のシーズンに所属していたフォース・インディアが経営破綻し、それに伴って次シーズンのシートを失った。その後、メルセデスのリザーブドライバーとなったのちに、地元フランスのチームであるルノー(2021年からアルピーヌ)へと移籍した。
今年からチームメイトとなるガスリーとは家族ぐるみで不仲であるというのは有名な話だった。2人は幼馴染であり、ガスリーはオコンの影響でカートを始めたというほど。しかし、ガスリーが受けた奨学金のことが引き金となり、2人は仲違いをした。本人たちは「お互いの関係に問題はない」と言う。今シーズンの終盤に2人の関係がどうなっているかが注目される。

ピエール・ガスリー

国籍:フランス
カーナンバー:10
優勝:1回
表彰台:3回

ピエール・ガスリーは日本、そしてHONDAと非常に関係の深いドライバーであり、日本国内において人気の高い。ガスリーは2016年にGP2(現在のF2)でチャンピオンとなり、2017年には日本のスーパーフォーミュラに参戦した。2018年にトロロッソからF1へのフル参戦が決まった。1年目から好成績を残したことによって、翌年にはトップチームのレッドブルへ移籍を果たした。しかし、レッドブルの車に馴染むことができず、半年後に古巣のトロロッソへと実質降格のような形で戻った。その悔しさをバネに、同年のブラジルGPでは悲願の表彰台を獲得した。
ガスリーはアルファタウリ時代にチームメイトであった角田裕毅と仲が良いことで知られ、お互いのことを兄弟のように思っていると語っていた。このコンビはF1ファンの間では最も人気のあるコンビのひとつと言える。

McLaren

(@mclaren)

ランド・ノリス

国籍:イギリス
カーナンバー:4
優勝:0回
表彰台:6回

その愛らしいキャラクターから、多く人に愛されており、F1界の新ムードメーカーであるのがランド・ノリス。ドライバーとしては既に結果を出しながらも将来を期待されているタレントである。現在23歳のノリスだが、2019年に10代にしてF1のシートを勝ち取った。憧れの人物は、2輪レース界の伝説であるバレンティーノ・ロッシであり、ロッシ仕様にデザインされたヘルメットをレース時に着用したこともある。また、ノリスは「Twitch」での配信も定期的に行っている。

オスカー・ピアストリ

国籍:オーストラリア
カーナンバー:81
優勝:0回
表彰台:0回

オスカー・ピアストリは2020年にF3、2021年にF2のチャンピオンを獲得し、2022年にアルピーヌのリザーブドライバーを経て、今年F1デビューを果たした期待のルーキーである。ピアストリは混戦が多く、拮抗することの多いF2で圧倒的な強さを見せてチャンピオンを獲得した。2022年のシーズン中に翌年アルピーヌからの参戦が発表されたが、ピアストリ本人は「アルピーヌとの契約は結んでいない」と発表を自身のSNSで否定し、大きな話題となった。また、ピアストリが否定した投稿の文章をもじり、チームへの残留を発表したウィリアムズのアルボンの投稿も同時に話題となった。

Alfa Romeo

(@alfaromeostake)

バルテリ・ボッタス

国籍:フィンランド
カーナンバー:77
優勝:10回
表彰台:67回

アルファロメオで2年目のシーズンを迎える、コーヒー大好きバルテリ・ボッタス。長年メルセデスのセカンドドライバーとして、チームを支えてきた。しかし、チームがハミルトンを優先することも多くあり、納得のいかない決断を下されることも多かった。昨年、アルファロメオに移籍をしてからは自身の速さを存分に発揮し、のびのびと走っているように見える。また、普段から多くは語らないボッタスだが、近年では全裸で逆立ちしたり、川に入ったりする一面も持っている。

周冠宇

国籍:中国
カーナンバー:24
優勝:0回
表彰台:0回

周冠宇は中国史上初のF1ドライバー。安定感のあるドライビングで着実に入賞を狙うタイプのドライバー。昨年のF1デビュー戦のバーレーンGPでは10位入賞を果たした。イギリスGPではスタート直後に車体が横転し、フェンスに直撃するという大きなクラッシュに巻き込まれたが、無事であった。トラック外では、そのファッションから注目が集まることが多い。本人曰く「大衆が好むようなタイプのファッションではない」、「ハミルトンに近いファッション」と語っている。周冠宇は、私服でサーキットに姿を現す数少ないドライバーの一人。

Aston Martin

(@astonmartinf1)

ランス・ストロール

国籍:カナダ
カーナンバー:18
優勝:0回
表彰台:3回

アストンマーティンF1チームのオーナーであるローレンス・ストロールの息子であるランス・ストロール。ローレンス・ストロールは総資産が32億ドル(日本円にして4300億円以上)あるとされている。ローレンス・ストロールは2018年に経営破綻したフォース・インディアを買収し、チームの危機を救った。翌年にチーム名をレーシングポイントに変更し、翌年にウィリアムズからF1に参戦していた息子のランスがレーシングポイントから参戦することとなった。
ストロールは雨天時の路面を得意としている。2020年のトルコGPの予選で雨が降り、多くのドライバーが苦戦する中で、ストロールは速さを見せ、自身初のポールポジションを獲得した。

フェルナンド・アロンソ

国籍:スペイン
カーナンバー:14
優勝:32回
表彰台:98回
年間王者:2回(2005、2006)

御年41歳、2度のワールドチャンピオンであるフェルナンド・アロンソ。41歳という年齢にして未だ衰えることを知らない大ベテラン。昨年のシンガポールGPにてキミ・ライコネンの持っていたF1の最多出走記録を塗り替えて、現在も記録を更新し続けている。現在、350戦以上出走しているが、本人は最低でも400戦まで行くつもりであると発言している。2023年ドライバーの中で最年少であるオスカー・ピアストリ(21歳)が生まれる前にアロンソはF1において最初のレースを走っている。
アロンソは、2000年代前半にフェラーリと共に黄金期を築いていた歴代最高のF1ドライバーと名高いミハエル・シューマッハの時代に終止符を打ち、2005年に年間王者を獲得した。また、アロンソは世界三大レースのひとつであるル・マン24時間レースを制覇した経験も持つ。

Haas F1 Team

(@haasf1team)

ケビン・マグヌッセン

国籍:デンマーク
カーナンバー:20
優勝:0回
表彰台:1回

マグヌッセンは昨年、思いもよらない形でF1に電撃復帰を果たした。ハースは昨年の2022年はミック・シューマッハとニキータ・マゼピンの布陣でシーズンに挑もうとしていた。しかし、シーズン前のテスト中にロシアがウクライナへの侵攻を開始した。それに伴い、ハースはロシア国籍のマゼピンとスポンサーのウラルカリとの契約解除を発表した。そして空席となったハースのシートを獲得したのは、2020年シーズンまで長きに渡りハースに所属していたマグヌッセンとなった。
マグヌッセンの父のヤン・マグヌッセンもF1ドライバーである。また、マグヌッセンの唯一の表彰台はデビュー戦に獲得したものだ。

ニコ・ヒュルケンベルグ

国籍:ドイツ
カーナンバー:27
優勝:0回
表彰台:0回

3年ぶりにF1への復帰を果たすドイツ人ドライバーのニコ・ヒュルケンベルグ。近年では、スーパーサブという印象が強いドライバーである。2019年を最後にF1のレギュラーシートを失ったが、2020年と2022年に代役としてレースに参加している。シルバーストーンで行われた70周年記念GPでは代役出場だったにもかかわらず予選3番手のタイムをマークした。また、ヒュルケンベルグは2015年にF1に参戦しながらル・マン24時間レースに出場し、優勝を果たしている。しかし、F1においては表彰台に縁のないドライバーとして知られている。安定して結果を残し続けていたが、表彰台を獲得したことは一度もない。表彰台を獲得できそうなレースは何度かあったが、その際にトラブルに見舞われることが多かった。

AlphaTauri

(@alphataurif1)

角田裕毅

国籍:日本
カーナンバー:22
優勝:0回
表彰台:0回

現在唯一の日本人F1ドライバーである角田裕毅。2019年にはF3、2020年にF2、そして2021年にはF1と一気にトップカテゴリーへと駆け上がってきた。レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーも「素晴らしい才能」だと評価していた。
食べることが大好きなことで知られている。例えば、F1ドライバーになって良かったことを聞かれると「色々な種類の食べ物が食べられること」と答えた。また、将来の夢を聞かれると「自分のレストランを開くこと」と答えた。
角田は無線でも注目を集めることも多くあり、ルーキーシーズンのエミリア・ロマーニャGPにて飛び出した「Traffic Paradise!」は大きな話題を呼んだ。

ニック・デ・フリース

国籍:オランダ
カーナンバー:21
優勝:0回
表彰台:0回

ニック・デ・フリースは今年からF1に参戦するルーキーの一人、28歳にして念願のF1のレギュラーシートを手に入れた。2019年にデ・フリースはルクレールやラッセルと同じようにF2のチャンピオンに輝いている。2019年から電気自動車による世界最高峰のレース、電気自動車のF1とも称される「Formula E」に参戦している。2020-21年のシーズンにはフォーミュラEの年間王者に輝いている。様々なカテゴリーで活躍を果たす中で、F1参戦の噂が多くなってくる中で、チャンスが巡ってくる。2022年のイタリアGPにて、ウィリアムズのアルボンが体調不良によって欠場した。その代役として、デ・フリースが出走することになり、いきなり9位入賞を果たした。この結果が決定打となり、2023年のシートを勝ち取ったと言われている。

Williams

(@williamsracing)

アレクサンダー・アルボン

国籍:タイ
カーナンバー:23
優勝:0回
表彰台:2回

微笑みの国からやってきた(出身はイングランド)F1界のナイスガイ、アレックス・アルボン。2019年にトロロッソからF1デビューを果たすと、わずか半年でガスリーと入れ替わる形でレッドブルへと実質的な昇格を果たした。レッドブルでは、フェルスタッペンの二番手として安定した成績を残していた。しかし、翌年は成績が安定せず、F1のシートを失ってしまった。2021年はレッドブルとアルファタウリのリザーブドライバーを務めながら、その年ルーキーであった角田裕毅のメンターとして活躍した。2022年にはウィリアムズからF1復帰を果たし、2年目のシーズンを迎えている。
アルボンは度々、髪の毛を染めており、現在は金髪に染めている。赤髪にしていた時期もあり、これはタイの孤児院を訪れた際にインスピレーションを受けたものである。

ローガン・サージェント

国籍:アメリカ
カーナンバー:2
優勝:0回
表彰台:0回

久しぶりのアメリカ人F1ドライバーであるのがローガン・サージェント。昨年、F2フル参戦1年目ながら年間3位という好成績を収めF1に昇格してきたルーキーはアメリカどのF1人気をさらに加熱させる存在となる。F1はヨーロッパを中心としたスポーツだったため、定説ではNASCARやインディーカーに比べて、アメリカでのF1人気は低いと言われていた。しかし、NetflixでF1のドキュメンタリーが公開されると、アメリカでの人気が徐々に高まり現在、過去最高の盛り上がりを見せていると言われている。その影響もあり、今年はアメリカで3レース(オースティン、マイアミ、ラスベガス)も行われる予定となっている。その人気と共に、サージェントは唯一のアメリカ人ドライバーとして、このF1人気に拍車をかけることができるのか注目が集まる。

個性あふれる世界最速の20人がしのぎを削り合うF1の世界。そんな20人の魅力が少しでも伝わったら嬉しい。

長くなりましたが、読んで下さりありがとうございます。

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