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Gpt-4相当で爆速と噂のCommand-R+、品質をGpt-4やClaude3と比較してみた【英文要約】

日本の引きこもり事情を調べていて、引きこもりの多くは「脆弱型の自己愛性パーソナリティ障害」を発症している可能性が高い、という文献を発見しました。(注:こういう説がある、というだけです。引きこもり=自己愛性障害と決めつけるものではありません。)

「自己愛性パーソナリティ障害」とは?と思い調査してみるも、日本には入門書的なものしかまだあまり文献がないようです。そこで、英語文献のKindle版をダウンロードして読んでみることにしました。

ただ、残念ながら英語の専門書をスラスラ読めるほどの英語力は私にはないので、幾らか姑息な方法ですがKindleから文字起こしをした上でAIに要約をまとめさせることに。

せっかくなのでここ数日話題になっているCommand-R+にも要約をさせて、私の最近の普段遣いAIであるClaude3(Opus)と、ついでにGPT-4(on Perplexy)と比較してみたいと思います。

登場するAIたち

https://www.perplexity.ai/

書籍の中から1章分、4400ワードの英文を要約させてみました。プロンプトは共通してこんな感じです。

添付のファイルの内容について、高校生にも分かるように概要を紹介してください。

まずは、Claude3(Opus)から。出力する長文の日本語がとても読みやすいので、最近ではすっかり私のメインAIになっています。ビジネスの壁打ちとか、ブログの下書きとか、議事録のまとめなど、やたらと長い文章に強いのがClaude3(Opus)の強みだと感じています。

Claude3(Opus)

この文章は、境界性パーソナリティ障害(BPD)と自己愛性パーソナリティ障害(NPD)という2つのパーソナリティ障害について説明しています。

パーソナリティ障害とは、人格の特性が極端になり、生活に支障をきたすようになった状態のことです。 BPDの人は感情が不安定で、人間関係もうまく築けません。自分が本当は存在していないのではないかという空虚感を抱えています。 一方、NPDの人は誇大な自己像を持ち、他人を見下す傾向があります。しかし内面では強い劣等感を抱えているのです。

パーソナリティ障害は理解が難しい病気ですが、その特徴を知ることで、周囲の人が適切に接することができるようになります。 この本は、当事者の家族の方々にとって参考になる内容だと思われます。

相変わらず読みやすい日本語です(うっとり)。「高校生にも分かる」という指示が効いたのか、ものすごくあっさりした要約になっています。この章全体のボリュームからするとちょっと要約しすぎかな、という気もしたりしなかったり。ただ、しっかりとポイントはおさえていて、さすがClaude3(Opus)といった感じです。Claude3の持病のハルシネーション(偽情報)は、今回の要約では出ていないようです。

内容の正確さ:★★★★★
読みやすさ :★★★★★
日本語力  :★★★★★
まとめ力  :★★★★
文章量   :★★★

次は、チャット型AIの元祖(去年リリースなのに元祖とは)OpenAIのGPT-4です。先月ぐらいまでは世界最先端だったのですが、気がついたらClaude3(Opus)があっさり追い抜いて…と思っていたら昨日GPT-4 TurboがまたClaude3を抜き返したとか。もう目まぐるしいったらありゃしない。

ちなみに私はOpenAIのサブスクを解約してしまっているので、PerplexityのGPT-4を使って要約しました。

GPT-4 Turbo(Perplexity)

境界性パーソナリティ障害(BPD)とナルシシズムパーソナリティ障害(NPD)は、個人の感情や人間関係に深刻な影響を与える精神疾患です。

まず、パーソナリティとは個々の行動や思考、感情のパターンを指し、通常は一生涯にわたって安定しています。しかし、BPDやNPDを持つ人々は、感情的なストレスに対して非常に敏感で、情報の処理が通常とは異なります。これは、適切な親子関係や社会的環境が欠如していること、または遺伝的な要因や幼少期のトラウマによるものかもしれません。

BPDの特徴としては、人間関係の不安定さ、感情の激しい波、自己像の不安定さ、衝動的な行動、自傷行為や自殺行為の繰り返しなどがあります。これらの人々は、感情が非常に強く、変動が激しいため、一貫した行動を取ることが難しいです。

一方、NPDの人々は、自己重要感が強く、成功や才能に対する空想にふけることが多いです。彼らは他人の感情を理解することが苦手で、しばしば他人を利用して自己の目的を達成しようとします。また、内面では自己嫌悪や拒絶への恐れを抱えており、これを隠すために魅力的な偽の自己を演じます。

Claude3と比べると、まとめの文量としては個人的にはこっちの方が適切のように感じます。BPD(境界性パーソナリティ障害)/NPD(自己愛性パーソナリティ障害)それぞれの特徴を段落を分けて説明するなど、読みやすさにも配慮しています。その代わり、高校生向けと言っても、結構優秀な高校3年生向けぐらいのレベル感があるのは気のせいでしょうか。ぱっと見て内容を理解できるか、というと少し難しいような気がしました。

内容の正確さ:★★★★★
読みやすさ :★★★
日本語力  :★★★★★
まとめ力  :★★★★★
文章量   :★★★★★


最後にここ数日、話題になっているCommand-R+(コマンダープラス)。こちらは性能としてはGPT-4相当ですが、出力が爆速なのと、API利用料金が格安、あとは(非商用に限れば)自分のPCでも実行可能というのが話題の理由のようです。AppleシリコンのMacをお持ちなら、GPT-4が自分のPCで動くそうですよ。ただし、メモリが128GB必要らしいです(白目)

Command-R+

第1章では、パーソナリティ障害とは何か、どのように発達するものなのか、BPDやNPDはどのような特徴を持つものなのか、そしてこれらの障害がパートナーや家族にどのような影響を与えるのかを説明しています。

パーソナリティとは、行動、動機、考え方、話し方、自己認識、個人の癖など、特定の個人を特徴づけるパターンと説明されています。通常、私たちや私たちの友人や家族は、生涯を通じて比較的安定したパーソナリティを維持します。しかし、BPDやNPDを持つ人々は、感情的なストレスに対する生物学的感受性が高く、情報処理や世界に対する反応に問題を抱えています。彼らは「非常に敏感」な感情を持ち、変化にうまく適応できず、他の子供たちほど簡単には落ち着きません。

BPDやNPDは、トラウマや放棄の経験、反応しない親、または無効な養育が原因で発症することがあります。最近の研究では、遺伝的要因や出生前の損傷や感染症も影響を与える可能性があると指摘されています。これらの障害を持つ人々は、感情的な発達において比較的早期の段階で立ち往生しており、複雑な人間関係を処理する能力が損なわれている可能性があります。

BPDの特徴には、以下のようなものがあります。
1. 実際の、または想像上の見捨てられ感を必死に避けようとする。
2. 不安定で激しい人間関係。
3. 不安定な自画像や自己認識。
4. 衝動性。
5. 自殺行為や自傷行為。
6. 気分の不安定さ、反応性、抑うつ、不安、怒り、絶望。
7. 慢性的な空虚感。
8. 不適切な激しい怒りや怒りの制御の困難さ。
9. 一時的なストレスに関連した妄想的な考えや深刻な解離症状。


一方、NPDの特徴には、以下のようなものがあります。
1. 重要性の感覚の増加。
2. 成功、富、美しさ、才能についての空想への没頭。
3. 独自性と特殊性の強い感覚。
4. 優遇されるべきという感覚。
5. 他人の搾取。
6. 他人の感情に気づいたり理解したりできない。
7. 嫉妬と傲慢さ。

興味深いことに、BPDとNPDは、低自尊心、感情的な恐怖、脆弱性、孤独感などの共通点があります。しかし、ナルシストはこれらの否定的な感情を隠し、より魅力的な偽りの自己を提示することで対処します。

著者は、BPDやNPDの症状やそれらの影響をより明確に理解するために、これらの障害の詳細な症状を説明しています。しかし、これらの症状は誰にでも時折見られる可能性があるため、著者は、これらの障害を特定できるのは専門家だけであることを強調しています。重要なのは、これらの障害に関連する行動、感情的反応、強度のパターンを認識することです。

うーん、要約にしてはちょっと長すぎかな、という気もしますね。ただ、出力速度は確かに爆速です。API料金も安いので、チャットボットなんかに使うのは良いかもしれません。最後の注意点(「これらの障害を特定できるのは専門家だけ」)を拾ってきたのは倫理的には加点対象ですが、倫理的に拾ってきたのか、ただ要約力が弱くて色々拾ってきた中にこれが入っていただけなのか、ちょっと判断に迷いますね。

内容の正確さ:★★★★★
読みやすさ :★★★
日本語力  :★★★★
まとめ力  :★★
文章量   :★★★


総合的に見ると、(今回のような英文要約に限ってですが)Command-R+はGPT-4よりちょっと下、ぐらいのレベルに感じました。純粋なアウトプット能力という点で見れば、Command-R+にわざわざ置き換える必要性はないかな、と感じます。ただ、繰り返しになりますがレスポンスの速さは特筆すべきものを感じます。これまでGPTを一般向けに応用したアプリケーションを開発しようとした場合、GPT-4ではコストも高く待ち時間が長い、GPT-3.5では品質がちょっと。。。という辺りがユーザビリティの障害になっていたのであれば、Command-R+はGPT-4(に近い)品質で爆速・低コストということで、試してみる価値はありそうです。

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