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季語六角成分図「梅雨寒」

俳句ポスト 第242回 2020年4月16日週の兼題。

「梅雨寒」季語六角成分図より。
(視覚)厚い雲(乱層雲・積層雲)、雨と水たまり、傘、灰色の街と青葉の山。
(嗅覚)雨、土の匂い、生乾きの洗濯物?
(聴覚)雨垂れ。
(触覚)冷える身体の各所、不快な湿気、張り付く服や紙、水浸しの靴。
(味覚)なし。
(連想力)体の不調、不活性、死。季節外れの寒気への驚き。いらだち、孤独感、不安、哀しみなどの負の感情。おどろおどろしさ。
★季節+気温という成り立ちの時候の季語で、触覚以外は具体的な感覚を持たないのは春暖と同じですが、名詞形(梅雨寒、梅雨冷)としても用言(梅雨寒し)としても使えます。梅雨は別の季語となるので、雨や湿気を前提としつつ「寒」の一文字を活かせているかが一つのポイントになるかと思います。
★例句を見ると負の感情や身体感覚、不活性さなどが取り合わせられていることが多いようです。怪異や死を描いた句もあって興味深い。こうなると梅雨寒で明るい句を詠んでやりたくなりますが、これはかなり難しかったです…。

季語六角成分図に関する注意事項


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