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多様性と平等とフットボールと安西先生が頭を抱える(ユナステで話さなかったこと)

2023シーズンのホーム最終戦
個人的に一番心に残っているのは、選手たちを載せたバスを待つ人たちの姿です。

広報がしっかり撮影してくれているので、0:50くらいから改めてご覧下さい。
女性、男性
年配者、親世代、若者、子供
ひと通り、どこの層が突出しているということなくそろっています
身体障がい者もいらっしゃいますし、おそらくですが見た目では分からない障がいや病を抱えた方もおられることでしょう
高学歴な方から中卒の方までおられることでしょう
何千万円と稼ぐ方も毎月生活がギリギリな方もおられることでしょう

世の中では「多様な社会を実現しよう」と唱えられていますが、スタジアムではすでに実現している光景です

ですが、別にここに集まった方々は多様性を実現するために集まっているわけではないでしょう
(いないわけではないかもですが)

この多様さな方々において「鹿児島ユナイテッドFC」以外の共通項を小林は見つけられません

試合になるともっと露骨です
胸スポンサーの代表取締役というクラブにとって最大のVIPやホームタウンの首長がゴール裏(立ち見推奨エリア)で応援しています
これ最高にカッコいいですよね!
と、脱線しました

お偉いさんから市政のサポーターから子どもまで、鹿児島ユナイテッドFCのゴールが決まった瞬間の歓喜の前にはみんな平等です
想いの深さ熱さ強さの分だけ平等に喜べます

繰り返します
首長や社長から、子どもまで、平等です
ゴールの前には。

前身クラブ時代の一枚。ユナイテッドで小林が撮った写真はすべて業務用なのです

イエス・キリストは「信じる神の前では人は皆平等」と唱えました
何千年もそうあるべきと言われていることが、限定的かもしれませんが、スタジアムでは実現されています

あえて差があるとすれば「神」に代わるものかあるとすれば、それは選手たちでしょう(ちょっと言い過ぎたけど他に適切な表現も見つからないっす)
例えば沼津戦の後、例えば鳥取戦の後
サポーターたちの前で選手スタッフが集合写真を撮りました
でも首長も社長も「私も彼らといっしょに撮りたい、そっちに入れなさい」とは言わない
「私もいっしょに撮らせてよ」と言われれば、セキュリティ的にピッチに降りれるか、できるかどうかはともかく日頃お世話になりっぱなしのクラブとしてはあらゆる手を尽くして、首長社長が選手スタッフに混じって撮影できるように尽くさなければなりません
でもそうなることはない
首長も社長もほかのサポーターたちといっしょに、英雄たる選手たちの背景でいることで満たされる(多分ですが)

無茶苦茶と言えば無茶苦茶な話です
でもそれが鹿児島ユナイテッドFCを取り巻く現実です

多様性と平等の実現
それを高尚な理想論からではなく、単純に勝つために、そして事業として継続するために必要なことを追求してきた結果
多様性があり平等が、限定的な形にせよ現実のものになっている空間
それがサッカークラブでありスタジアムです

うすらぼんやり気づいてはいたことです
ただ沼津戦が終わった夜、YouTubeにアップするための動画を編集していて、バス待ちの景色を見た時に
そして長島研醸の社長が立ち見推奨エリアでゴールの瞬間近くのサポーターと抱き合ったのを見つけた時に

10000人以上を取り巻く多様性と平等が現実のものになっていることに気がついて独り心が震えました
桜木花道と流川楓に感動した安西先生が亡くなった愛弟子に呼びかけたような気持ちで
ここで実現していた、と。
しかも、ふたつも、と。

だから自分はこの世界で10年目を迎えようとしているのかもしれません
1人の歴史家として
こんな光景を目の当たりにできて幸せものです
もっときちんと言語化して横に広く世の中に
縦に深く後世に遺していきたい

みたいな話でした
本当はクラブ公式YouTubeライブの年末最後の配信であいさつをふられたら、もうちょっと手短かにして話そうと思ってたんですけど、、、
今年は振られなかったのでここで使わせていただきました笑

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